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【楽曲紹介】洋楽メタル:ドンジャラホイを若干掠めつつKorpiklaani (1)
或る種の紹介記事のタイトルに知らん人目線で意味不明な文字列をシューッ!! するなとあれほど(自虐)
Korpiklaani(コルピクラーニ)はフィンランドのフォークメタルバンドです。ラプソ同様、メタラーでなくとも知ってる人は知っているかもしれない枠のバンドだったりします。
知名度に関するお話は一旦置いておくとして、フォークメタルのフォークとは何ぞやという話。
これはざっくり言うと民族音楽のことです。即ちフォークメタル≒民族メタル、土地土地の俺ら私らの伝統に根差した、或いはモチーフとするメタルってくらいに思っておけば間違いはないと思います。
ここでいう俺ら私らとは民族の意としての『我々』であって、オタクとかメタラーとかの、ついったくん上でクラスタと呼ばれる同好の士の意ではない。
RYUJINも良いぞ(ダイマ)
Korpiklaaniは日本だと『酒メタル』『森メタル』『旅メタル』等々、非常に分かりやすいジャンル名を振られていますが。
これらのパワーワードみのあるジャンル名称の方が、イメージは伝わりやすいかもしれませんね。
1st:Spirit of the Forest (翔び出せ! コルピクラーニ)(公式邦題)
先ほど脇に置いた『何で有名なの?』という話――邦題の時点で半ば結論出てる気がしますが。
千言万語費やすよりも見てもらった方が早いでしょう(ガチ)
謎の魅力を感じてしまった貴方、或いは草を生やしてしまった貴方。
大丈夫です、ご安心ください。同じ穴の狢がわんさかいます。日本にはタヌキさん(恣意的なチョイス)が溢れてる。
このPVと酒場で格闘ドンジャラホイとかいう普段何食ってるんだオメー感あふれる公式邦題のあまりのインパクト、コレです。
それでいてWooden Pints自体は実に良き疾走曲というのもポイント高い。
色々な要素が何か良い感じに重なった結果、じわ売れ或いは口コミでバズった系の跳ね方をするに至ったというわけです。多分そんな感じ。
これでもし曲が平凡以下だったなら、バズりはしたかもしれないけど後が続かない、所謂一発屋で終わっていたんじゃないかなぁと思います。
閑話休題
Wooden Pints、繰り返しになりますがシンプルに良い曲ですよね。
粗削りながらも後期のツカミ楽曲に通ずるものがある――聴いていて楽しい、思わず頭を、体を揺らしたくなる一曲だと思います。
こういう軽妙な曲をしっかり定期的にお出ししてくれるの、個人的には割と高評価点だったりします。
年を重ねる or 腕を上げると、良い意味で頭の悪いシンプルな作品をお出ししてくれなくなるパターン、割と珍しくないですからね……。
こちらはインスト曲、No.14:Mother Earth (大地のコルピクラーニ)
後期のアルバムを踏まえて聴いてみてもやっぱり如何にもコルピっぽい、今アルバムの〆曲。
この曲に限った話ではないのですが、Korpiklaaniのインスト曲は或る種の民謡的な哀愁を湛えつつもそちらに振り過ぎない、しっかりメタル≒ロックしてるとでも言えばいいんでしょうか。
私がKorpiklaaniに求めているものが、換言すると彼らの『らしさ』が一層よく感じられると思うんですよね。
尤も、『らしさ』は『どれも同じじゃないですか(中川くん)』と紙一重ではあるので。あんまり波長が合わない人には、かえってマイナスになることもあるだろうなぁと思います。
『変わらない軸の存在』は褒められる(ex.Amon Amarth)こともあれば、引き出しが少ないとかネタ切れとかの評価を下されてしまうこともあるでしょうから。
今アルバム自体、出てから二十年も経つ(2003年リリース)ので、Korpiklaaniという枠を設けるまでもなくフツーに古典寄りの作品なんですが。
改めて聴き直してみて、楽曲は時間の経過とともにどんどん垢抜けていく――しかし楽曲の根っこは変わらない的な? そういう気が強いですね、Korpiklaani。
蛇足(直球)
正直言うと、当該アルバムのサウンドプロダクション(所謂音造り)は割と残念寄りな気はします。
少なくともラプソって収録環境に恵まれてたか一部スタッフさんがすごかったかするんやな……って思いを新たにする程度には、もうちょっと頑張って感のある音してます。
まあ個人的に愛してやまないTommy Johanssonも、ReinXeed時代は音質の微妙さについてレビューなどで度々指摘されていたので、あんまり言い募るのも野暮という類のお話なのでしょうが。
それはそれとして再鑑賞後、やっぱラプソおかしいって絶対という思いを新たにしました(粉蜜柑)
9th:Noita(コルピと魔術師の宝玉)
2015年の作品。
この頃になるともう普通に恰好良く、コミックバンド扱いは出来ないし、するべきではないなぁと感じます。
1stから数えて十二年の歳月は伊達じゃない。
とはいえ尖った邦題は(5thで一瞬途切れましたが)続けてくれているし、そういう楽しみ方もしていくというのが良いのかなと思います。
ただまあそれはそれとして、今回ドンジャラホイサイドは掠める程度――シリアスな面に重きを置いて進めていこうってことなので。
個人的に好きな――というか前述のテーマから最初に連想されたこの二曲をチョイス。
冷静に考えると同じアルバムの曲やったんな~。
残念ながら私はフィンランド語とサーミ語の区別を付けられないので、便宜上フィンランド語と表現 + その辺をごっちゃにしての感想ということになりますが。
以上の点は予めご了承下さい。
そこから一歩踏み込んで、見分け・聞き分けをってとなるとねぇ。
説明を加えるまでもなく、映像を見、或いは曲を聴いてもらえれば何となく伝わるでしょうが、神話・伝承をモチーフとした楽曲です。これが典型的ラブソングに感じられるって人はあんまり居るまい。
私みたいな厨二趣味をいつまで経っても延々お持ちの末期患者諸兄姉は『そういう』楽曲も浴びるように聴いてきたでしょうし、特段珍しくもないでしょうが。
架空にせよ実在にせよ、伝承の類にフォーカスしたバンドはメジャーシーン(と、いうか所謂売れ線)だと少数派だとは思いますし。
新鮮に感じる方もいらっしゃるんではないかなぁと思います。
『そういう楽曲は歌詞の意味を一層しっかりと云々』という、或る種のハードルの高さを感じてしまうことがあるかもしれませんが。
そもMVにコメント残すくらい熱心な欧米圏ニキすらなんつってるか分からんがめがっさ良い曲だな! 好き! みたいな、それでええんか感あふれる感想を述べていたりするので。
内容分かんないけど独特のエスニック感がいいね! くらいの軽ノリで楽しんで全然良いと思います。
別に論文書こうとかのお堅い目的があるでもなし、個人的に楽しもうって時に肩肘張っても詮無いでしょう理論をドローするのに躊躇う必要は流石にないでしょうよ。
ところでPhoenix Rising(バンド)のスペイン語でも感じたことですが、非英語楽曲から或る種の粘っこさを感じるのは何なんでしょうね。
ゲルマン語以外の各国語の特徴とかなのかしら。
帰ってきた閑話休題
いうほど逸れたかって気もしますが、それはそれ。
前に挙げた言語的な意味での粘っこさは勿論のこと、曲自体もかなり粘っこいんでないかなぁと思います。さながら聴く納豆。
感覚的にメロメロスピスピしてないというか、ピロピロキラキラしすぎないというか。
一言でいうと重厚感ですよね。そこンところが実に良い。
取り上げるアルバムが1stから一足飛びに9thまで飛んだ理由の九割は、Ämmänhautaが収録されているのが9thだからと言っても過言ではないですねぇ。
やっぱり私はメタルしつつ+αな楽曲、ジャンルが好きなんだなぁと、ラプソなりコルピなりを聴き直すたびに思います。
時折、不意に腰を据えて聴きたくなるんですよね。一生聴けるぜ枠の諸々。
勿論、他にも好きな曲は数多あるんですけどね。
死ぬほど擦られているであろうKorpiklaaniについて、あまりの摩擦ぶりに灰燼に帰しているであろう面白い・軽妙・楽しげ・酒! サイドを初手から馬鹿正直に持ち出しても……ねぇ?(天邪鬼)
粘っこい・もったりねっとりサイドを擦っても良いじゃない。好きなんだもの(粉蜜柑)
※1 今後一切酒サイドを擦らないとは言ってない。
※2 粘っこいサイドも十分擦られてるだろうという疑問は私自身が地獄の火の中に投げ込むものである(古典)
〆
確かベスト盤はなかったはずなので、今ならサブスクで気に入った曲をピックアップしていく形がベターってことになるのかしら。
私は音楽は手許に派なので、サブスク全盛の現代を生きるモボ・モガのスタンダードはよく分かんないけどヨシ!(現場猫)
そういうわけでKorpiklaaniの楽曲探索ことスコップ(スラング)は、まずMVを観て、自身の好みはどの路線か見定めてからアルバム探すと良い気がします。
どのバンドでもそうですが、特に刺さる曲は割と固まって存在しがちですので。
個人的には6thのKarkelo、8thのManala辺りもオススメです。
どの辺が? という話は別記事に使うつもりなので今は書かない(最悪)
言うほどKorpiklaaniの楽曲紹介かコレ? という疑問がないと言えばウソになりますが、ここまで書いちゃったからヨシ!(濫用)
兎角ネタ的・或いは酒的側面が注目されがちなバンドですが。曲や歌詞もトッポ並みに魅力たっぷりです。
私は別に(貶める意図はなく、純然たる事実として)演歌や民謡が殊更好きということもないのですが。Korpiklaaniは普通にハマりました。
ちょっと言語化しづらい部分ではあるのですが、歴史とか伝承とかの類に幾許かでも興味があるという方には普通に刺さり得るでしょうし。
そうでなくともメタル系の中では非常に聴きやすい部類のジャンル・バンドですので、重低音ドコドコ系自体がイヤッ!(ちいかわ)というわけでないならオススメです。
歌おうとすると死ぬほど舌が縺れ絡まるフィンランド語の難易度よ……。