徳島県上勝町|kintone活用、平均年齢70歳の高齢者がタブレットを使って受発注を行う「IRODORI」
徳島県上勝町(かみかつちょう)で取り組んだ、kintoneを活用した農業の生産性向上の事例についてご紹介します。
県内で最も高齢化比率が高い町で行う「葉っぱビジネス」
上勝町は、
・人口約1,700人
・街の面積の86%が山林
・65歳以上の高齢者の割合が約50%
で、徳島県の中でも最も高齢化比率が高い町です。
「つまもの」という、お刺身にそえてある大根の千切りや大葉のように、料理にそえる葉っぱを収穫しているビジネスが盛んな町です。
ここで導入したのは、葉っぱの市況情報(商品価値の情報など)をリアルタイムで共有できる「いろどりシステム」というものです。
いろどりシステムでは、平均70歳の高齢者がタブレットを活用して使い、山の葉っぱを集め、市況に応じた最適なタイミングで出荷・販売することを実現しました。
kintoneを基盤に活用した受発注システム
いろどりシステムは、kintoneを基盤に開発した受発注システムです。
このシステムでは季節ごとの需要予測も可能なので、生産計画にも役立てることができます。
また、取引先の注文をシステムで生産者に一斉配信する機能があるため、受注したい生産者は、出荷前日の19時、当日の8時と10時の3回受注のチャンスが生まれました。
この仕組みに加えて、販売したデータを生産者へ公開することで、自分の成績が分かって奮起する、という効果も表れました。それが利用拡大の要因となりました。
生産者・株式会社いろどり・JAの3者協働
システムの導入から利用拡大まで、今回上手くいったポイントは「生産者」「株式会社いろどり」「JA東とくしま」の3者協働で取り組んだことです。
民間企業である株式会社いろどりとJAが、それぞれの得意分野を活かした形でシステムを導入することができました。
株式会社いろどり→システム構築、企画
JA→生産管理、品質管理
「例えばキュウリなら、ランクの秀、優、良と、サイズの2L、L、Mくらいですが、彩商品は300アイテム×色×サイズ×パックに詰めるというように非常に種類が多いので、JAでまとめて選果・箱詰めするのは無理です」
関係者の方がこのように語っていました。
そこで、生産者、いろどり、JAの3者によって得意分野を活かすように役割分担することで、彩商品をシステムで扱うことに成功しています。
お互いの強みを活かし、Win-Win-Winの関係性をつくることができた点が成功の要因でした。