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奈良県田原本町|LINEを使ったAIチャットボットと児童見守りサービス
奈良盆地の真ん中に位置する田原本町(たわらもとまち)は、ベッドタウンとして約3万2千人が住んでいます。
総務省が開催した「地方自治体のデジタルトランスフォーメーション推進に係る検討会(第1回)」で発表された田原本町の自治体が取り組むデジタル化の事例について紹介します。
LINEを使ったチャットボットでお問い合わせ業務を自動化
ゴミ、税務、子育て、介護、福祉健康・・・など、住民から自治体に対するお問い合わせをLINEアプリのチャットボットで対応しています。
選択形式でお問い合わせ内容を入力していくと、自動で回答が返ってきます。
また、キーワードを入力すると、関連する選択肢を提示してくれます。
◎自治体のメリット
『業務時間の削減』
今までは電話やメールで対応していたお問い合わせ業務が自動化され、人による対応が不要となります。AIチャットボットで対応できないお問い合わせの場合は人が対応せざるを得ませんが、お問い合わせ業務にかかる時間がゼロに近くなります。
『業務の標準化』
人が介在する部分が減るため、業務が人に依存しにくくなります。これまでは長年対応していた職員でないと、すぐに対応できなかったお問い合わせ業務があったかもしれませんが、それがシステム化されることで、業務標準化(人に依存しない)が実現できます。
◎住民のメリット
『24時間いつでもお問い合わせできる』
従来のお問い合わせは電話かメールでしたので、当然ながら職員が勤務している時間でないと対応ができません。しかし、AIチャットボットを導入したことで24時間365日、いつでもお問い合わせができるようになります。
『使いやすい』
LINEを活用したことで、普段から使い慣れている画面操作で、ストレスなくお問い合わせすることができます。
LINEを利用した児童みまもりサービス
児童のランドセルに端末(「みまもり端末」と言います)を入れることで、登下校の動きを保護者がLINEで見守ることができるサービスを導入しました。
※画像:田原本町におけるSNSアプリを活用した児童みまもり情報配信ソリューションの運用開始について
みまもり端末は「GPS」と「BLEビーコン(不特定多数に向けて情報を発信する仕組み)」が一体となっているため、正確な位置情報を収集することができます。また、省電力で動くため、頻繁な充電が不要というメリットもあります。
◎自治体のメリット
『収集したデータを活用できる』
収集したデータを使うことで、例えば安全対策を講じることができます。児童が多く使っている経路は車通りが多く危ないため、別の経路で帰るように案内するといったことが可能です。
また、データを分析した結果を防災・防犯のために発信することもできます。
◎住民のメリット
『使いやすい』
LINEを使って子供の位置情報を見ることができるため、専用のアプリをインストールする必要がありません。
アプリのインストール数は平均23個と言われており、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)ですら日本の約13%の人しかインストールしていませんので(通常のアプリと比較すると十分多い割合ではあります)、アプリをインストールする障壁は非常に大きいと言えます。
そのため、既にインストールしているアプリを使えるというメリットは利用を促進する上では非常に重要なポイントです。