【1972年レコード】18)The Sensational Alex Harvey Band : FRAMED
■データ
・リリース : 1972/12
・レーベル :ヴァーティゴ・レコード
・プロデュース : ザ・センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド
・チャート : N/A
・スタジオ : モーガン・スタジオ
・所有ver : 6360 081
■トラック・リスト
[SIDE-1]
1. フレイムド(ザ・ロビンスのカバー)
2. ハンマー・ソング
3. 真夜中のモーゼ(Midnight Moses)
4. イゾベル・ゴーディ
4-1. 夜の聖母(My Lady Of The Night)
4-2. 性向中断(Coitus Interruptus)
4-3. 処女と狩人(Virgin And The Hunter)
[SIDE-2]
5. バフズ・バー・ブルース
6. アイ・ジャスト・ウォント・トゥ・メイク・ラブ・トゥ・ユー
(マディ・ウォターズのカバー)
7. ホール・イン・ハー・スッキング
8. クリスマスツリーに明かりが灯っていないよ母さん
(There's No Lights On The Christmas Tree Mother, They're Burning Big Louie Tonight)
9. セント・アンソニー
■メンバー
・アレックス・ハーヴェイ (ボーカル)
・ザル・クレミンソン(ギター)
・ヒュー・マッケンナ(キーボード)
・クリス・グレン(ベース)
・エディ・マッケンナ(ドラム)
■LINK
■メモ
50年代後半からキャリアを重ねるグラスゴー出身のアレックス・ハーヴェイが結成したザ・センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドのデビューアルバム。
バンド名を略して「SAHB」、当初は”サーブ”とも呼ばれていた。
アレックス・ハーヴェイはスキッフルを皮切りに、ミュージカルや自身でソウルバンドを率いるなど60年代はライブ演奏を中心に、様々な経験を積んできている。
ビートルズ登場以前はバンドというよりも、ボーカリストとバックバンドという形が主流であり、LINKの動画の通りアレックス・ハーヴェイの奇抜に見えるステージ・アクションは、単なる歌手というよりもショーのパフォーマーとしての名残と言える。
同時期にソロで活動した、”英国R&R学校の校長”スクリーミング・ロード・サッチもアレックス・ハーヴェイと似たキャリアを辿っており、切り裂きジャックを模したキャラを前面に出したパフォーマンスをする。ロード・サッチは自身を「ミュージシャンでは無く芸人」としている。
ロード・サッチもかつての生徒であるリッチー・ブラックモア、キース・ムーン、ニッキー・ホプキンスを擁して同年にアルバムを出しているが、リッチー・ブラックモアはギター演奏だけでなく、ステージ上での動きについてロード・サッチに厳しく指導されていた。
LINKの動画見ての通り、客も呆気に取られるSAHBのステージ・パフォーマンスだが、現代からすれば取り立てて奇抜過ぎはしない。アレックス・ハーヴェイの定番ファッションである横縞のシャツにライダースジャケットはまさにラモーンズのそれであるし、ギターのクレミンソンの顔面白塗りもKISSを思わせる。SAHBのファッション、パフォーマンス、音楽性は70年代後期のパンクやハードロックの原型となるバンドの1つと言える。
プライマルスクリームのボビーも本作に影響を受け、カバーしていたと述懐しており、ザ・キュアのロバートは「パンクの元祖はイギー・ポップと皆思っているが、英国パンクは間違いなくSAHBが先駆者」と語っている。
アルバムジャケットはタイトル「Framed(額ぶち)」通り、内側のアレックス・ハーヴェイの写真が出るように四角にカットされている。
このアルバムも何となく調べていて知ったのだが、とにかく1曲目からカッコイイし、自由奔放でハチャメチャ加減も刺さる内容だった。欲しい!と思ったが、バンドの事は全く聞き覚えもないし、どう見ても売れてた感じもしないので、探すのは難しいだろうな‥と思っていたところ渋谷のタワレコで発見。2000円くらいだったし見つけた時は、大袈裟じゃなしに声が出たし、何なら小躍りしたくらい嬉しかった。この頃が新鮮でレーコド蒐集も楽しかったなと。