【1972年レコード】26)SONNY ROLLINS : NEXT ALBUM
■データ
・リリース : 1972/10
・レーベル : マイルストーン・レコード
・プロデュース : オリン・キープニュース
・チャート : N/A
・スタジオ : マーキュリー・サウンド・スタジオ(N.Y)
・所有ver : MSP 9042(JAPAN Victor)
■トラック・リスト
[SIDE-1]
1. プレイイン・イン・ザ・ヤード
2. ポインシアナ
[SIDE-2]
3. エヴリホェア・カリプソ
4. キープ・ホールド・オブ・ユアセルフ
5. スカイラーク
■メンバー
・ソニー・ローリンズ(テナーサックス/ソプラノサックス)
・ジョージ・ケーブルズ(ピアノ)
・ボブ・クランショー(ベース)
・ジャック・ディジョネット(ドラム)
・デヴィッド・リー(ドラム)
・アーサー・ジェンキンス(コンガ、パーカッション)
■LINK
■メモ
マイルスも現役だもの、ソニー・ロリンズだって現役です。6年間の活動休止期間を経て、心機一転マイルストーン・レコードへ移籍後最初のアルバム。
3度目の活動休止期間にあった、ロリンズはオリン・キープニュースの再三に渡る手紙での会談要請にようやく重い腰を上げて1972年2月にオリン・キープニュースと会い、6年ぶりの新作作成に取り掛かる。
当初キープニュースは復帰第一弾はライブ盤と考えていたが、その頃のロリンズはステージ上を動き回る為、実況録音を断念。スタジオでのセッション一発撮りを選択する(1972年7月14日)。
ロリンズの要望で7/26にもセッションを行う。ジャック・デジョネットのスケジュールが合わず、26日は代わりにデヴィッド・リーがドラムを担当している。
「ポインシアナ」で初めてソプラノ・サックスを披露しスタッフを驚かせたが、休養期間も練習などを怠らないソニー・ロリンズは随分まえからソプラノ・サックスは吹いていたという。
本作では電子楽器も積極的の使用している。
ソニー・ロリンズと言えば「男性らしい音」「アタックの力強さ」などで形容されるが、私も曲の頭から腹にドスっと落ちるような力強い響きから入る印象があるのでソプラノ・サックスの「ポインシアナ」は印象的。しかしソニー・ロリンズの最大の特徴と言えばやはりメロディアス、どの曲もアドリブでもしっかりメロディが整えられていて聴きやすいところと思う。
1972年は先に紹介したマイルス・デイヴィスの「オン・ザ・コーナー」にせよ、オーネット・コールマン「スカイズ・オブ・アメリカ」、ウェザー・リポート「アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック」チック・コリア「リターントゥ・フォー・エヴァー」といずれも素晴らしいが、フリー・ジャズ、フュージョンとJAZZから新境地への探求に進んでいる中、本作の「スカイラーク」に見られる圧倒的なJAZZ然とした楽曲は逆に印象的と思う。
若い頃にドラッグ依存症に苦しめられた時もあり、ともすれば偏狭な界隈の圧力に辟易した時もあったが、様々な艱難辛苦を乗り越え、円熟味を帯びたロリンズは並々ならぬ想いをもって本作「Next Album」でシーンへ戻って来た。