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なぜオンライン会議でビデオをオフにすると失礼なのか?

おはようございます。

11月から加えていただいたチームで、とても興味深い議論がなされており、私もじっくり考えてみようと今日はこのテーマを選びました。

あなたはビデオ通話派?ボイス派?


あなたは、普段のコミュニケーションにおいて、音声だけでのやり取り、対面でのやりとり、どちらを好みますか?

リアルでのコミュニケーションと、オンラインでのコミュニケーションとでその好みに違いは生じますか。

また、それはただの好みなのか、あなたの所属している組織の文化があなたをそうさせているのか、どちらでしょうか。

それが文化である場合、さらに自分の得意とするコミュニケーションと異なる方法を組織が求めるとき、あなたはどのように対処していますか。


多様なコミュニケーションの方法が一般に広く認知されつつある今、私自身はこれから何を選択していけば良いのか考えてみたいと思います。


オンライン会議での常識とハラスメント


住んでいるエリアやタイムゾーン。

家族構成や生活の中で大事にしたいこと。

色々な価値観の仲間と共に働くとき、私たちは何を考えどのように振る舞うのでしょうか。

今ではすっかり定番となったZoom などを使用したオンライン会議。

ですが、カメラのオンを強要されることをハラスメント的だと嘆く若年層も一定数います。

一方で、コミュニケーション講師や接遇マナー講師などからしたら、カメラをオフにすることはもってのほか。

自分がカメラに映っている間は常に口角を上げ、双方向のコミュニケーションがスムーズに運ぶように、努力することを推進しています。


ちなみに、私は、オンライン会議やイベントの際、画面ではなく、カメラに目線を合わせるようにすることもあります。

ただし、常にカメラに目線が合っていることで、参加者や視聴者が威圧感を感じることもあるようで、そのタイミングや長さについては、まだまだ研究中です。

また、以前参加したアナウンススクールの講義では、ある場面で「ハンドアウト資料に目を落とす」ことを意図的に行うことで、信ぴょう性・発信している情報への信頼度を高めることができる、という話もありました。

こうしたちょっとした立ち居振る舞いが、カメラの向こうの相手にたくさんの情報を届ける、ということを意識すると、日々かなりの神経を使うことになります。

双方向のコミュニケーションの割合は?


ここで、全ての情報伝達が双方向で行われなければならないものなのかどうか、というところに着目してみましょう。

膝を突き合わせて皆で話し合わないといけないことは、実際の会議のうち何割程度のものを指すのでしょうか。

まとまった情報を受け取るフェーズにおいて、にこやかなうなずき人形は本当に必要なのでしょうか。

双方向で意思疎通をしながらの対話を基準とした場の設定がなされている会は、確かに存在しています。

しかしありとあらゆるコミュニケーションが、全て双方向でなければならないとは、私は思いません。

振り返ってみてください。日常生活で双方向コミュニケーションが行われる場面は限られています。
言葉のキャッチボールなんて、人間の生理的な問題上、ほぼ不可能です。(詳しい解説は省きます)
現実的にコミュニケーションの場面では、弱い立場の者が我慢をさせられていたり、どちらかが感情を吐き出していたりする場面ばかりのはずです。

一般社団法人日本コミュニケーショントレーナー協会ウェブサイトより


交流距離理論と、心的距離の変化

ここで、最近知った、ムーアの交流距離理論のことを紹介します。

その前提となるのが、対話や相互作用の重要性を説いている、双方向コミュニケーション理論郡です。

時代の流れに伴う双方向コミュニケーションの変遷

興味深いのは、双方向性と合わせて、即時性の価値が問われるようになった時代の変化です。

郵便の時代には、コミュニケーションの双方向性はあったものの、即時性がなかったこと。

放送の時代には、その名の通り、「送りっ放し」の一方方向がメインではあったものの、ラジオの「お便り」などによる独自のコミュニケーション方法に発展したこと。

そして、現代、ICTの時代には、即時的な双方向コミュニケーションが可能になったものの、頻繁な相互作用が意識されない場においては特性が活かしきれていない現状がある、といったことが伺えます。

さらに、交流距離理論では、即時性頻度と構造が心理的距離に影響するということが説かれています。

交流距離は、対話と構造の高低によって決まる。対話 (dialog)とは、教育者と学習者とのやりとりであり、対話が濃厚であれ ばあるほど、心理的な距離は縮まる。対話は同期型での直接的な相互作用 だけでなく、メールや郵送物により実現される場合もあるが、その即時性頻度が心理的な距離に影響を与える。

「ICTを活用した授業デザイン原則の提案 : 交流距離理論の足場かけ総量再解釈に基づいて」
鈴木克明、平岡斉士(2021)


なぜオンライン会議でビデオをオフにすると失礼なのか?


Where:
「すべての会議で双方向コミュニケーションが行われている」と信じられている組織において、

When:
オンライン会議の際に、

Who:
これまで組織文化を作ってきた人たちは

What:
ビデオをオンにすることによって、

Why:
相手への誠意=話を聞いていることを表明し、反応をわかりやすく示すことができると判断している、のではないでしょうか。

それで、ビデオをオフにすると、失礼だと感じてしまうのでしょう。

ですが、双方向コミュニケーション論と交流距離理論を参考に考えてみたところ、必ずしもそれはビデオのオン・オフに拠るものではないということが言えます。

即時性頻度を上げることができれば、音声通話に限らず、ボイスメモのやり取り、またチャットでの頻繁なやり取りで、交流距離はぐんぐん縮まっていくのです。


おわりに

結局、チャットが一番おもしろい。

盛り上がるし、ライブ感がたまりません。

でも、チャットだけだと、本当に必要な情報が、あっという間に流れていってしまいますよね。

そんなお悩みは、近いうちに解決します・・・!

きっと!


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