訪問看護師を孤独にしない!~オンラインコミュニティを始めました!~
2019年11月、「全ての人に家に帰る選択肢を」を理念に掲げるウィル訪問看護ステーションを中心に、訪問看護事業所向けのオンラインコミュニティを始めました。
オンラインコミュニティを始めた経緯
訪問看護に興味があるけど、訪問看護で働くことに不安な看護師は多いのではないでしょうか?その理由として下記のような事をよく聴きます。
「○○科でしか経験がないから、△△は経験がない」
「独りで利用者宅に行くことが不安」
「自分ひとりで判断できない」
では、訪問看護と違って病院は、なぜ安心して働くことができるのでしょうか?
「ベッドサイドに行くのは一人だけど、同僚や先輩が助けてくれる」
「配属先を超えて、専門家や多職種の助言がある」
「勉強会など学習機会が多い」
これって訪問看護だとしょうがないこと、諦めなくてはいけないことなのでしょうか?
「全ての人に家に帰る選択肢を」提供すべく設立されたウィル訪問看護ステーションでは、訪問看護に興味のある看護師が病院と同じくらい安心安全に訪問看護に臨める環境を整えようと画策してきました。
訪問看護でも病院や病棟と同じくらいの
・雑談などコミュニケーション量を
・気軽に「一緒に」看てもらえる環境を
・他科や専門家に相談できる機会を
・教育や学習機会の提供を
これらに加えて、相互のナレッジシェアが利用者利益につながる状況が整えば、訪問看護にチャレンジしてみようとする看護師が増えるのではないかと考え、ウィル訪問看護ステーションでは、クローズドSNSを用いることでスタッフ同士や事業所同士の距離を越えて、社内に有機的なコミュニティが形成できるよう取り組んできました。
そして、この度ウィル訪問看護ステーションという法人を越えて、訪問看護師同士がつながり、辛さや喜びを共有でき、学びあえるコミュニティの運営を始めました。
実際の活動
申し込みいただいた事業所のスタッフの方々を「Talknote」というサービスに招待します。Talknoteそのものは事業所の方々だけが見えるクローズドSNSとして業務連絡やコミュニケーションの場としても使えますが、別途私たちのコミュニティが作成したグループに入っていただきます。現在のグループには下記があります。
・今日の所感
・相談
・動画
・雑談
・知識、創意工夫シェア
・診療報酬、制度
・経理労務知識シェア
・研修、勉強会、学会アナウンス
・管理者(管理者のみ限定)
①今日の所感/雑談
看護の質を高めるものとして日々の気持ちを表出する場や雑談(コミュニケーション)があると思っています。日々のなかで記録には載らない、でも看護にとって大切な気づきが多くあるのではないでしょうか。
訪問看護は病院や病棟に比べてスタッフ同士のすれ違いが多く、コミュニケーションが減りがちです。オンラインコミュニティでは、そういった日々の努力したことや、困ったこと、感じていることや思っていることなどを皆でシェアしています。一緒に働いていなくても通じるものがあるのではないでしょうか?そんな投稿に対して、
「大丈夫ですよ。私も新人の頃は同じでした。」
「素晴らしい気づきですね!」
などリアクションがきたり、逆に学びや発見などが多くあります。
②相談
コミュニティの中には下記の方々をはじめ様々な専門家がいます。
診療看護師
小児看護学PhD在籍中
家族支援CNS
精神科看護リエゾンCNS
在宅看護CNS(今年度資格試験予定)
摂食嚥下CN(今年度進学)
緩和CN
助産師
管理マネジメント修士課程
認定看護管理ファースト受講中
特定行為研修受講中
言語聴覚士PhD
理学療法士で修士号
日々の困りごとを専門家に相談したり、みんなで解決方法を模索することができます。また相談者や相談に答えている人のやりとりを見ているだけでも多くの気づきや学びがあります。
③動画/創意工夫
各専門家たちが動画を作成し、みなさんに学習機会を提供しています。フィジカルイグザミネーションや、小児、精神科など動画は随時更新されています。また研修や日々の現場で得た知見や創意工夫も動画や画像、テキストなどでシェアされています。多くの看護師が繋がり、ナレッジシェア(知識や知見の共有)をおこなうことで「訪問看護には教育がない」という不安をなくせるよう努力しています。
独りではなく、みんなで地域に看護を提供したい
「訪問看護は1人で利用者の自宅に行き、独りで判断しなければならない」
本当にそうあるべきでしょうか?
地域の看護へのニーズが多様化する現在、どんなに経験を積んだ看護師でも、独りの知識や経験だけで利用者や家族、地域に看護を提供することは難しくなってきたのではないかと感じる場面が臨床には多くあります。
また、訪問看護事業所は常勤が5人以下の事業所も多く、多様性の乏しいチームも多く存在します。
そこで病院と同じように、ベッドサイド(自宅)に行くのは1人でも、多くの看護師や専門家と一緒に悩み、相談し、考えながら看護を提供できるようにとオンラインコミュニティを立ち上げました。現在東北~沖縄まで6か所の事業所、100人以上の看護師やリハビリ専門職、事務などが参加しています。
「全ての人に家に帰る選択肢を」提供するために、より多くの事業所や訪問看護事業所のスタッフと繋がり、支えあい、看護を提供していきたいと思っています。
オンラインコミュニティへの参加に興味のある方は上記サイトよりお問い合わせください。
※現在Talknoteというサービスを使用しているため事業所単位での参加、有料となっています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?