ありがとうの重み
ありがとうの一言の重みと家族の思い
そして、介護士はどうあるべきか
ある施設で食事介助を手伝った
その人は、右手で口の近くまでは持っていけるがなかなか思うように動かすことができないので
スタッフが少しお手伝いしたほうがいい方
わりと、簡単な方だなとその時は思った
食事が来る前にその方の娘さん夫婦が来られる
僕は緊張した
ボランティアできてこの方もあまり知らないのにいきなり家族の前で食事介助かと
慎重にやらなければいけないと思った
娘夫婦二人は自分のうしろに座り常に見られている緊張が走った
食事はお好きなその方はスムーズに食べられる。終わった後は僕にニコって笑った。
それをみて僕も安心する
食後は娘夫婦が積極的に話しかけている。
20分ぐらいすると
「そろそろ帰りますね、食事のお手伝いありがとうございました。またよろしくお願いします」
「じゃあ、お母さんまた来るね」
その方は僕が来てから声は出さなかったが
最後の最後でお口を大きく開けて
「あ、、り、、が、、と、う」
と声を一生懸命に出した。
その一言は
元気な人がよくありがとうと言うのはとはまた重みが違うなと感じる。
娘夫婦もとても喜んで帰られた。
「本当にご家族に感謝してたんだろうな」
帰り道僕はそんなことを考えていた。