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『自閉症スペクトラム家族の強いこだわり〜並ぶスリッパ〜』

私の家族は母以外、父、妹、私は自閉症だ。

妹と私は自閉症という診断を受けていて、父は診断を受けていないが自閉症の塊のような人で父も自閉症なのだと思う。

玄関にスリッパを置く場所がある。

母はその場所にスリッパを片付けるように私達(父、妹、私)に毎回のように言ってくる。

だが、その位置には母のスリッパしか置かれることはない。

私達は、こだわりの位置 がある。

それは、母のスリッパ置きのすぐ目の前の絨毯の上。

数センチしか変わらないが、私達はこの絨毯の上に置くというのが自分の中の「ルール」なので変わることはない。

そして、その絨毯の上にまるで正列をしているかのように、縦に

1列目の先頭に父のスリッパ (青)
2列目に妹のスリッパ (黄緑)
3列目に私のスリッパ (オレンジ)

が並ぶ。

ちなみに、水色のスリッパが母のスリッパ。

この順番も特に誰かが決めた訳では無いが勝手にある日この並びができあがった。

私達3人はとくに話し合うことなくともスリッパのように 共通の無言の「ルール」 があったりする。

母はよくわからないようだが、私達を見てよく面白がっている。

母は置かれることはないであろうスリッパ置き場を諦めることなく私達に注意してくる。

なんなら、母が絨毯の上にスリッパを置くようになった方がはやいのではと思う。

母も母なりのルールがあるようだ。

私の家族はよくいえばみんな自分の意思が強くていい家族だなと思った。

悪くいえば頑固だなと思った。

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