『自閉症スペクトラム家族の中で1人だけ普通の母』
私の家族は、父、母、妹、私と犬を1匹飼っている。
私と妹は姉妹そろって自閉症と診断された。
父は小さい頃から私達にあまり興味がなく、自閉症の特徴が全て当てはまるというくらい典型的な自閉症だ。
診断がでている訳ではないが父は自閉症だと思う。
母はその中で唯一 「 普通 」 だ。
普通だと言うと私達には違和感がある。
私達自閉症家族からすると母だけが 「 違う 」 のだ。
悪い言い方をすると 「 仲間はずれ 」
私達、父、妹、私の3人の時は一言も喋らないことが多い。
同じ空間に何時間も一緒にいるが、お互い個人的に集中してるものがあるので特に話すことはない。
私達にとってはそれが居心地がいいのだ。
母はそれにストレスを感じているよう。
母は1人でよく喋っている。
私達はイヤホンをしたり、無視したり、母の会話に返事をする人はいない。
1人で話続ける母は耐えかねたのか私によくちょっかいを出して気を散らせてくる。
私は「ほっといて、気が散る」と嫌な顔をすることが多い。
妹はちょっかいを出せないほどに集中して絵を描き続けているので完全に一人の世界が形成されている。
父は完全に無視。
私がまだ自閉症家族の中では話しやすい方。
私達は、母の事が嫌いな訳では無い。
なんなら、母がいなかったら私達は生きていけないだろう。
私達は、自分だけの事を考え生きてるので自分が困るまでは何もしない。
母がいなかったらきっと、
・ゴミを捨てに行かない
・日用品が無くなっても買いに行かない
・食事も食べない
・風呂も入らない
・朝起きない
・洗濯物も洗わない
・誰か家族が死にそうでも気にしない
家族として終わってしまっていただろう。
母は、諦めない。
私達の中で1人強く戦っている。
毎日諦めず私達に話し続けて私達を叱り続けてくれている。
そのおかげで、できることも増え変わることが出来た。
私はちゃんと食事を食べるようになったし、家事も今は私が担当している。
そして、私の考え方さえも変えてくれた。
自分が人と変わってることが悪い事、劣っていることではない。
自閉症だからってできない事はない。
人が嫌だと思う事をしてしまったら叱ってくれるので今度からしないようにしようと学ぶことが出来た。
私は母のおかげで成長している。
私だけではなく妹や父も母に影響されて変わった所が沢山あると思う。
私達家族には母は絶対に必要なのだ。
ただ、きっと母は自閉症の家族の中で1人生き続ける事それは大変だろうと思う。
そんな母には感謝している。
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