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フィリピンでワーケーションやってみた
10日間ほどフィリピンでワーケーションをやって来た。
子供の頃から南国バカンスに憧れていた私にとっては、念願のフィリピン。期待に胸が膨らみまくっていたわけだが、そんな期待も虚しく、空虚な日々を過ごしたワーケーションとなった。
今回はそんな残念な思い出となったワーケーションの振り返りログである。
旅立ちの日に
思い立ったが吉日。
日本の各地で定期的にワーケーションを行なっている私にとって、ワーケーションとは日常。No Workcation No Life. 近所のコンビニに無意識に行くかのように、ノープランで旅立つ。
しかし、今回はなんと言っても初の海外ワーケーション。さすがに出発前に計画を立てることにした。
1~2日目: マニラ観光
3~4日目: セブシティに移動し仕事
4~8日目: 仕事
9~10日目: 海を眺めながら自分探しを行う
ざっとこんな感じに見繕った。IT企業で培ったプランニング力。完璧な計画だと思われたが、実は作戦を立てた段階で雲行きはかなり怪しかった。
まず、飛行機のミス。
フィリピンといえば海、海といえばセブ。当初セブのみを訪れる予定だったが、飛行機を取る時期が遅すぎたため、セブへの直行便が取れなかった。
仕方なく海がないマニラを経由しててからセブへ向かう羽目に。ただ何もせず経由するのは負けた気がするので、興味はないがマニラ観光をねじ込むことになった。
後述するが、マニラはお勧めしない。客引きがうざい上にぼったくりが横行している。加えて平気で嘘をつく。さらに、少し観光地から外れて散歩しようものならストリートチルドレンにたかられる。
次に、フィリピン=南国ビーチというイメージとの乖離。
実際に私が思い浮かべていた南国のビーチはセブの「マクタン島」の南端に集まるリゾート地を示している。
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このリゾート地、コワーキングスペースがない上に、ホテルの WiFi もかなり不安な環境。そして、なんといっても高い。¥7,000~以上は当たり前にするし、 wifi が確実な環境を求めるなら尚更お金を積む必要がある。
体の8割がケチでできている私には当然そんな選択肢があるわけもなく、おとなしくビジネスの街、セブシティのホステルに泊まることにした。
1泊脅威の1000円である、安さは力だ。
この格安ホステル、セブの中でも治安が悪いとされるコロンストリートにあることを後に知ることになる。
私は大きな学びを得た。旅立ちの前に勝負はついている。
フィリピンでワーケーションをする際はセブへの直行便と安全な場所(ITパークなど)にあるホテルに泊まることをお勧めする。
また、タクシーにぼったくられないためにライドシェアアプリ Grab も入れて日本で初期設定までやっておいた方が良い。
Day1 マニラの洗礼
期待に胸を膨らませながら関空に向かう。
機内に持ち込みできるものを把握しておらず、化粧水などいくつか捨てられてしまったが、パソコンがあれば問題ない。
行きのチケットは Jetstar で2万円で購入。
日本から4hのフライトであった。
私は飛行機が苦手である。どうやら小さな頃に見た墜落ニュースが常に脳裏によぎるのである。緊張のフライト、神経を尖らせ続けて意識が朦朧とした頃、ようやくマニラについた。
マニラについてやることは入国審査(eTravel)、sim購入、両替である。
入国審査はeTravelさえやっておけば他は何もやらなくて良い。入国3日前から申請できるようなので出発前にやっておくとよい。
sim購入は現地では行わず、eSIMというデジタルで申請さえすれば通信ができるSIMを使った。eSIMの存在は知らなかったが、申請~設定まで10分ほどで完結するのでなかなか便利だと思う。私はworld esimというesimを使い、10日5GBで3000円ほどだったと思う。コスパが良いかはわからない。
simの設定自体はwifi環境下で行う必要があるので、こちらも出発前にやっておくと良いだろう。
最後に両替。フィリピンでもデジタルPayやカードも普及して来てはいるが、まだ現金は必須だろう。1円2.5ペソほど、物価は日本より少し安いぐらいで豪遊はできない。
物価の物差し、ダブルチーズバーガーのセットは500円ほどだった。
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拙い英語で両替を終えたあとはようやく空港を出る。
空港のゲートを出た瞬間からそこは戦場である。覚悟がないものは空港から出てはならない。声をかけてくるやつは全員敵。いかにも空港職員みたいな名札を首から下げている奴も敵。気さくに話かけてくる現地民も敵。こんにちはとか日本語で油断させてくる奴も敵。
ぼったくられることに快感を得る変態以外はGrabを呼ぶべきである。
聡明な私はもちろんGrabを呼んだ、が、過ちを犯してしまった。
妻が日本人だという優しそうな男が話しかけてきて「Grabの乗り場はここじゃないから案内してあげる」などと言われついて行ってしまった。痛恨のミスである。
怪しいとは思いながらも常に話けけてくるので、ホイホイと10分ほど歩かされた末に、謎の狭い路地に止めてあるタクシーに乗るように言われた。
完全に嵌められたのである。即座に断って元いた空港に戻ったがGrabの待ち時間を過ぎてしまい時間と金の無駄に終わった。
まじで◾️◾️。◾️◾️◾️は◾️◾️◾️◾️っ!!!!。
※平然と嘘をつくやつはカスだがそれも文化なのである。異国の地では本来の弱肉強食の姿をした人間社会を見ることができる。騙される奴が悪いのだ。
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再度Grabを読んでようやくホテルに。
一日目はLub d Philippines Makati というドミトリーに泊まった。綺麗な上に1500円ほどだったのでなかなかコスパが良い。
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夕食は徒歩で行けるフィリピン料理屋に行った。店名を忘れてしまったのだが、店主がよく話しかけてくれて楽しく食事をできた。9割は聞き取れなかったが、、
ちなみになぜコロナビールを飲んでいるかというと、フィリピンで有名なビールを全く調べていなかったので適当に選んでしまったのである。ぜひ有名なビールぐらいは調べていこう。
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Day2 イントなんとか
昨晩ご飯を食べて店の店主から唯一聞き取れた単語イントなんとかを手がかりにマニラ観光に繰り出す。
ちなみにマニラの観光地はイントラムロスしかないのでほぼここで間違い無いだろう。
スペインが統治していた城塞らしく、第二次世界大戦中は日本軍の拠点にもなっていただとか。歴史の嗜みがない私にとっては正直、観光にくる価値は見出せなかった。
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ちなみにイントラムロスも客引きとぼったくりが横行しているので戦場の心得を守ること。いちいち疲れる。
マニラ観光は程々にしてようやく南国のリゾート、セブへと足を運ぶ。
客びきの心労を癒すためにラーメン屋に行ったが、却って日本に帰りたくなった。
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セブの滞在は先述のように仕事環境を優先してセブシティに泊まった。
宿は Cebu Backpackers Hostel という1000円で個室、朝食付きの破格の宿にした。WiFiが繋がらない以外は良かったのだが、治安が悪い(らしい)ので、ITパークあたりで宿をとった方が良かった。
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Day3~7 シゴトォォォオ
素晴らしいモーニングを食べたあとは仕事を行う。
ワーケーションと言っている以上、仕事は全力で行う。
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部屋からWiFiが繋がらないというクソみたいな悪条件ではあったが、近くにコワーキングスペースがあったのでなんとか仕事ができた。
ちなみにこのコワーキングスペース、個室1日使い放題(~翌日8時)で1000円ほどとかなり安かった。飲食持ち込み自由。
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セブシティにはコワーキングスペースがいくつかあるので事前に調べておいた方が良いだろう。
フィリピンのご飯は米と肉ばっかである。
ベジタリアンは生きて帰れないだろう。
現地の文化が色濃く残るナイトマーケットもおすすめ。
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Day8 ジンベイザメ
平日のWorkを乗り越えればようやくバケーション。
「セブ 観光」と検索すると一番おすすめに出るくるのがジンベイザメと泳ぐツアー。一点の迷いもなく即決した。
ジンベイザメは移動込みのツアーを組むと1~2万円ほどかかるが、ツアーを使わず現地で申し込むことも可能。4000円程度で済むため、少しでも旅費をケチりたい私は自力で行くことにした。
ジンベイザメと泳げるオスロブという地域にはセブからバスで4hほど移動する必要がある。
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早朝3時、South Bus Terminal へ向かう。日本ですらまともにバスに乗れないほどのバス音痴ではあったが、受付で「To Oslob」「Air conditioned bus」と伝えるだけで簡単に乗ることができた。エアコンなしのバスもあるがジンベイザメを拝む前に死にたくなければエアコン付きを選んだ方が良いだろう。
ちなみに、フィリピンはバス停でなくても手を挙げればバスに乗り込むことができる。こういったノールールな面や車の運転の粗さは東南アジアらしさを感じることができた。異国の地で一人バスに揺られる自分が、少し人間としても成長したような感覚に浸った。
さて、ようやくオスロブについた。座席から出ようとする私を横目に座席から全く動こうとしない男を押し除けながらバスを降りた。
天気は豪雨。中止を伝えられる。途端に膝から崩れ落ちる私。
後から知ったのだが、台風が直撃していた。
この後の記憶はない…
Day9 ウミガメと泳げると聞いて
前日の記憶を失った後、ウミガメと泳げるというリゾート地、Moalboal に移動していた。オスロブの案内人が1500ペソで送ってくれるという話で正直かなり渋ったのだが、豪雨の中バスを待つ気力がなかったので了承した。
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ホテルは少し奮発して Beyond Island Hotel という3000円のホテルにした。夜間にかけて水が出ないという壊滅的な事故が起こっていたが、綺麗な部屋だったのでまぁ許せる。
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全ての不幸は忘れよう。ウミガメと泳げるという美しいビーチ、ここで旅を締めくくろう。そう思っていた。
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これが現実。
状態が良い日の大阪湾の方が綺麗まである。この後の記憶はない…
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Day10 旅の果てに
バイクタクシーでMoalboalのバス停まで送ってもらい、そこからセブへと戻った。バス停では受付はなく、To Cebu と書いてあるバスに乗り込めば良い。
セブでは一応観光名所を巡ったが、もう来ることはないだろう。
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一通りの観光を終えたらアヤラモールでお土産を持って帰路に着く。
帰りのフライトも行きと同様にマニラを経由することになっていた。
帰りはただの経由として使うだけなので何も問題は起きないと思っていたら再度マニラの洗礼を浴びせられることに。
国内便の到着地であるTerminal 1から国際線の出発地であるTerminal 3へは距離があるため、車を使う必要がある。基本的に空港が運営する無料のシャトルバスを使えば良いのだが、どうやらこのバスの運行が行われておらずタクシーを使うしかないと吹っ掛けてきた。こいつら本当に悪い。
人間、不安を煽られると弱い。一瞬信じてしまったのだが、たかがターミナルの移動で3000円もすると言うので嘘だと気づくことができた。
24時間30分ほどの間隔で運行しているので、マニラで乗り換えをする際は気をつけてほしい。無事シャトルバスに乗り、ターミナルに到着、日本に帰ることができた。
最後に
さて、私の残念なワーケーションはいかがだったろうか。
私が思い描いていた南国リゾート体験は何一つうまくいかなかったが、こういった予想外の出来事が起こるのも旅の醍醐味ということで自分の平静を保っている。
総括としてワーケーション先にフィリピンはあまりお勧めできない。
当たり前だが、リゾート地は働く場所として最適化されていない。仕事をする場所には海はなく、治安や清潔面でも日本より劣る。
海を拝みたいなら沖縄で十分だろう。
一方で観光としての側面はかなり良い所感を得た。食事は日本人にも合う味付けで、物価も日本より低い、さらに晴れならビーチは最高だと思う。
フィリピンは雨季と乾季があるので、次は乾季に観光としておとづれたい思う。
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