「詩集を読んで、モラトリアムを慈しむ」
風呂敷を広げた絵空事の街 台風の目で少女恋する
まる見えで紡がれるものどこか愛 そらで描いた過去から未来
故郷を思い出してた立て膝を崩す 朝 すこし心遠くて
横顔は僕を知ろうとしない父 崖から海へ落ちてく木馬
朝焼けに碇を下ろし加速する夜を尻目に蒸気船ゆく
刑務所の横通り抜ける自転車で息止まるほど遠く角まで
光ってつかみ切れないから風か 母でない君の棘を抜いてく
はだ色だ。手を組むみたいに距離を編む 言い訳なんてあとでするから
髪の毛を伸ばしてたことを告げた口 冷えたのだ何か指 美容師の
ビル群は東京の闇さかさまに婚姻という塔を建たせて
#tanka
#短歌