遊戯王カジュアル環境の「ライン」について思うこと

全地球100億人の猫カッケーみなさん、コンバトラー!
直江津高校3年生、羽川翼です。

タイトル見れば分かると思いますが、今回は物申す系の記事です。

遊戯王の、いわゆる「カジュアル」と呼ばれる環境には、永遠の未解決問題が存在します。
それは、

「カジュアル」って、結局どこからどこまでが「カジュアル」なの?

というもの。

「カジュアル環境」という言葉、なんとなく「ガチで大会で勝つためじゃなく、もっと気軽に遊ぶのがカジュアル」みたいな認識は共有されていると思いますが、
じゃあ具体的にどんなデッキ、どんなカードで遊ぶのがカジュアルのラインなの?となると、これは本当に十人十色、千差万別の答えが返ってきます。

ゴリゴリのTier.1デッキだろうと、友達と気楽に遊んでるならカジュアル!🥳って人もいれば、
環境にいるデッキに入ってるカードが1枚でも入ってたらカジュアルじゃない😡って人もいて、まぁ統一的・普遍的な解答を用意するのは無理ってもんです。

しかし、この問題に解答が用意されていないことで、「カジュアルの交流会行ったけど、デッキパワー違いすぎてボロ負けし続けて楽しめなかった」「カジュアルのつもりで持ち込んだデッキが強すぎてなんか気まずくなった」「このデッキに環境入りしてるギミック入れたいけど、ライン超えてないか不安……」など、決闘者たちの煩悶は尽きるところを知りません。

さらに言うと、この「使うデッキや採用カードのパワーライン」の認識がある程度揃った友人間であっても、理想的な「カジュアル環境」を作るのは難しかったりします。

遊戯王のベースラインがインフレしている昨今、「別に環境クラスのデッキでもないし特に禁止制限かかるようなギミックも無いけど、なんかめちゃ強いデッキになっちゃって、友達のカジュアルデッキとやると一方的に勝ちまくっちゃう……」みたいな現象、そこまで珍しくはありませんよね。

気心知れた友人なら、まぁそこまで険悪にはならないでしょうし、「なんかこのデッキ強すぎるし使わんとこ……」とか気を遣えばその後も普通に仲良くいられるでしょうから、そんなに気にしなくても良いのでしょうが、それにしたって気まずい瞬間は少ない方が良いはずです。

この「カジュアルのライン問題」の解決策は、日々新たなカードが生み出され続ける中では明確な基準を作ることが事実上不可能なため、結局は個人個人の価値観と、それをお互いに擦り合わせる作業に委ねられています。

今回は、とりあえず僕はこう考えてますよ〜という基準を示しておくことによって、
今後生じるであろう、カジュアル環境ライン摩擦問題の負担を、少しでも軽減できれば良いな〜という記事です。
もしあなたが、カジュアル環境ライン摩擦問題に苦しんでいるなら、その参考になれば幸いです。

今回の話、ちょっと似たことを以前記事にしているので、そっちも読んでくれると嬉しいです↓
https://note.com/wwing_3/n/ne231baa629d4


「それだけで勝てる」カードやギミックを使わない

自分が第一に考えてる「ライン」はこれです。

現代遊戯王は非常に優秀なカードが多く、少ないパッケージで安定してアドバンテージを生み出すギミックが和多く存在します。
いわゆる「出張セット」とか「汎用初動」的なやつですね。
また、少ない消費から簡単に繋げられる強力なカードも数多く存在します。

反面、あまりにも優秀すぎて、「その出張セットだけで動いてた方が強くね?っていうかそれだけで勝てるんじゃね?」みたいなギミックも存在します。
分かりやすい例が【デモンスミス】ですね。
永遠の淑女ベアトリーチェ」という、墓地肥やし性能に関しては圧倒的汎用性を誇るランク6の存在から、カジュアル環境でもしばしば目にしたカードたちでしたが、その安定性とリソース量、さらについでに飛んでくるバーンダメージは、「メインギミック回さなくても、コイツでランク6連打してれば勝てそうじゃない?」と思わせるのに十分な強さではないでしょうか。

あるいは、「メインギミック以外で簡単に出せる超強力カード」なんかもこれにあたります。

最近話題になったところで言えば、「超魔導竜騎士 ドラグーン・オブ・レッドアイズ」なんかそうですね。「真紅眼融合」はもちろん、融合の手段も豊富な現代では、出すこと自体に苦労することは無いでしょう。こういったカードは、メインギミックの動きのついでに添える、みたいな使い方も可能になります。
しかし、その制圧力があまりに高ければ、「そいつだけで良いじゃん」と思われますし、メインギミックで出したカードやコンボの必要性は薄れます。


私の中の「カジュアルデッキのライン」として、こういう「『それだけで勝てる』カードを使わない」というのが第一に来ます。

もちろん、デモンスミスにしろドラグーンにしろ、実際にそのカードだけでデュエルに勝っているわけではないですが、そこは言葉のアヤ。
より正確に表現するなら「勝利への直接的貢献度が(意図する・しないに関わらず)過剰に高いカードを使わない」となるでしょうか。

カジュアル環境のデッキでも、基本的には勝利を目指すものです。自分しか使っていないカードやコンボを使う、その先には、最優先事項でなくとも「勝利」という目標が存在している、というのが僕の考えです。
どんなに使いにくいカードや、要求値が高く重たいコンボをデッキにするにしても、最初から負ける前提でデッキを組む人はまずいないでしょう。

しかし、だからこそカジュアル環境で遊ぶ私たちは、「勝つために使うカード」の選び方に慎重である必要があります。
「このカード・コンボで勝ちたい」というこだわりを捨てるのであれば、わざわざカジュアルデッキなんぞ組まず、大会環境Tier1デッキを使う方が話が早いですからね。

このこだわりを守るために、メインギミックより「強い」ギミックやカードを使わないという選択は必要になると思います。
その裏返しとして、私は「多くのデッキでメインギミックより強くなりがちなカード」を、そもそもメインギミックとしても採用しないことも多いです。そういうカードを採用するのは、明確に強めのデッキとして組む場合くらいですね。相手がそういうカードを使ってきた時に抜くための懐刀として組むようなデッキ。

そうでないデッキの時は、そういうカードが最適解になってしまうと分かった時点で「もういいや」になることも多いです。

手札誘発は「ライン越え」か?

「カジュアルのライン」として、よく槍玉に挙げられるのが、手札誘発カードたちです。
オフ会などで「デッキパワーどんくらいですか?誘発とかは入ってます?」みたいなやり取りを見かけることもしばしば。
それだけ、手札誘発採用の有無がデッキパワーの指標として共有されており、手札誘発を採用するデッキは相当に強力なデッキだという認識が広がっている、ということでしょう。

しかし、私は手札誘発は全くカジュアルにおいてライン越えではないと思っています
なぜなら、①で述べた「それだけで勝てるカード」に当てはまらないからです。

手札誘発カードは基本的に単なる1妨害です。
しかも、「バロネス」などのように打点や展開を広げる効果も持たないものがほとんど。
もちろん、カジュアル環境ではガチ大会環境よりも1妨害の影響は大きいため、その1妨害を先攻1ターン目に飛ばしてくる手札誘発は強力なカードであることは間違いないですが、じゃあその1妨害だけで勝てるかっていえば、正直そんなことはぜんぜんありません。

ちょっと考えてみてください。あなたが先攻を取って、1妨害の盤面を作って相手にターンを渡しました。この時点で勝ち確だと思いますか?思わないですよね。
今時、カジュアル環境でも1妨害を越えられて負けるなんてザラです。
そういう意味で、手札誘発は決して「それだけで勝てるカード」ではないのです。

例えば、このデッキをみてください。

手札誘発の代名詞「灰流うらら」が3枚採用されています。
しかし、じゃあこのデッキはめちゃ強いのか、と言えば、そんなことはありません。というか、オフ会での戦績的にはボロボロです。

このデッキ、めちゃくちゃ重たいコンボを通すデッキなのですが、
・準備に3〜4ターンかかるため、カジュアル環境でも遅い部類に入る
・そのため、相手の初動を挫いてデュエルのテンポを落とす必要がある
・しかしコンボの都合上、盤面はある程度空けておく必要がある
・コンボパーツを揃える過程で手札入れ替えを大量に行う
・コンボ上、☆4以下の炎属性が必要
あたりの理由で、うららが採用されるに至りました。
何度もうららを投げましたが、投げれば返しのターンでコンボ通して勝ち!なんてことには全然なりません。

あるいはこちらのデッキ。

手札誘発「増殖するG」を採用しています。
採用理由としては、
・後攻デッキだが、強力な捲りはできない
・ドローで手札を増やすことが重要
・ランク2を組みたい
あたりが理由です。

増Gは相手の行動への抑制力や手札を大量に増やす可能性から、手札誘発の中ではかなり「それだけで勝てるカード」寄りだと思っているのですが、このデッキの場合、増Gを投げて手札が増えても、基本的に召喚権から動くので、行動量に直結しないんですよね。
そのため、増G投げられて何もできずエンドした相手に、増やした手札でひたすらマウント取る、みたいな展開にはなりません。
「時を裂く魔瞳」の存在や、1枚採用という部分も含めて、デュエルの趨勢を決め切ってしまうほどの影響は出ません。

あと、手札誘発と合わせて語られることの多い「墓穴の指名者」についても、別にカジュアルなら良くね?と思っているタイプです。

「指名者」が強力なのは、「手札で発動して直接墓地に送られるため、無効などで弾きにくいという手札誘発の強みを打ち消すことができる」「それによって先攻側の安全な制圧盤面=勝利に直結する展開を引き出す確率を高める」というポイントであって、
そもそも手札誘発の採用自体が少なく、先攻で制圧盤面を敷くことも少ないカジュアル環境では、割とシンプルな墓地メタカードくらいの役割しかありません。
一応、同名カードが次のターンまで無効という長めの制限が刺さることはあるので、弱いとは言いませんが。

手札誘発やその対策を入れているかがデッキのパワーラインの指標となるのは、「誘発が必要なレベルの先攻展開をされる対面デッキを想定している」「誘発を沢山積んでも動ける安定した初動がある」といった、別側面からのデッキパワーを間接的に知ることができるからであって、手札誘発自体が直接デッキパワーを上げるわけでは無いんですよね。

そんなわけで、カジュアルデッキのパワーラインを知る時に「誘発入ってます?」と聞くのは、あんまり効果的じゃないんじゃない?と思ってますし、私は相手に手札誘発を使われても「グワー妨害きつ〜」くらいにしか思いません。デッキに噛み合うのならば、誘発だろうとなんだろうと好きに採用すれば良いと思ってます。
正直、誘発1枚よりエゲツない妨害や制約を課してくるカジュアルデッキなんてゴマンとありますしね。


それってあなたの感想ですよね

これはその通りです。
ここまで書いてきたことに対して、
いくらそれだけで勝てるくらい強くたって、噛み合いがあるなら使えば良い!
そもそもリミットレギュレーションさえ守ってればカジュアルだろうと好きなカード使えば良い!
誘発も指名者もク○カード!使うやつは全員ライン越え!
などなど、反対意見を持つ人もいることでしょう。

ここまで書いてきたことは、あくまで私の中の「ライン引き」であって、普遍性や客観性を担保した議論ではありません。そういう意味では、ただの感想です。

しかし、それと全く同じで、私のこの意見への反対意見も、その人の感想でしかありません。
最初に書いた通り、今回の記事はあくまで「私はこう思うよ」という意見表明であって、「これから私とデュエルする人たちは、私がこういう考えでカジュアルのライン引きをしていることを知っていてほしい」という希望のもと執筆しています。
それによって、私にとって心地良いカジュアル環境が広がったら幸せだな、という、自己中心的な動機から書かれています。悪しからず。

まとめ

今回は私の思う「カジュアルデッキのライン引き」について、ぐだぐだと語ってきました。

繰り返しになりますが、今回はあくまで
私の中のライン引き」という話であって、これを読んだあなたがどんなライン引きでデッキを組もうと、それを非難する意図は一切ありません。
ただ、いつかあなたとデュエルすることになった時、「あぁ、この人はこういう風にカードを採用してる人だな」と頭の片隅に置いてくれたら、それによって「誘発入れてるのはライン越えだろ!」みたいな本質的でない争いが避けられたら、この記事を書いた意味があったかな、と思います。

ぜひいつか、その日が来たら、楽しくカジュアルに、デュエルを楽しみましょう。

それでは今回はこの辺で。
何でもは知らないけれど、この記事を読んでくれたあなたのことは知っています。羽川翼でした。

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