【デッキ紹介】響けハードロック!墜落する飛行船から、真の竜の力を呼び覚ませ!【遊戯王】
皆さんこんにちは。直江津高校3年生、羽川翼です。
今回は遊戯王のデッキ紹介記事です。なんか久しぶりな気がする。
①デッキコンセプト
今回使いたかったのは、このカードたち。
遊戯王の大インフレ時代として名高い9期のパックに1種類ずつ封入されたテーマ、「真竜皇」。最近の方がインフレヤバい気がするけど
効果は幻竜族の、調整版「征竜」ともいうべきもの。
①の特殊召喚効果でのセルフブレイクにより、他の真竜皇の②効果を起動。サーチ・サルベージ・蘇生・リクルートを行うことで①効果の消耗をリカバーし、さらに①の追加効果によって相手の盤面やリソースを削り、こちらは大型モンスターを展開……というのが基本的なテーマデザインになっています。
大型モンスターを大量に展開し、高い火力を出せる派手な面と、属性を揃えてのセルフブレイクや、相手のカードに触る手段の多彩さといったテクニカルな面を兼ね備えたカードデザインに加え、イラストのカッコよさに惹かれ、ずっと前から「デッキにして使いたいな〜」と思っていたカードたちでした。
ということで、今回のデッキコンセプトは「真竜皇を活躍させる」こと。
しかしこのカードたちには、例によっていくつかの課題がありました。
②真竜皇を使う上での問題
マジで事故る。
真竜皇は自身+コストのモンスター2体が必要になるカードです。要するに3枚初動。重すぎ。
しかも、コストの2枚のうち1枚は、自身と同属性でなくてはいけません。
かつては最強サーチフィールド魔法「ドラゴニックD」および「テラ・フォーミング」が無制限だったため、ドラDでマリアムネを破壊して真竜皇2枚サーチ!とか、バハルストス破壊で真竜皇サーチ&リクルートを同時に!みたいな動きがそこそこ安定してできていたのですが、今やどちらも制限。安定して初手から動くのはかなり厳しいものがあります。
また、初動の着地点も問題。
初手から動けたとして、せいぜい★9X、あるいはチューナーがいれば☆10・11Sあたりが1体立つくらい。かなり上振れればこれらが2体並ぶかな?という程度。
これもかつては最強Xモンスター「真竜皇V.F.D」がいたので問題なかったのですが、今やコイツも禁止まあ残当。
他のランク9は、突破やコンボに使うタイプのモンスターが多く、先行で立たせたいモンスターはハイペリュトンくらい。今だとPHHYに収録されたレイヴァーテインとかもアリですね。ただ、いずれにしても「1体で相手を完封できる」みたいなモンスターではないです。
しかも、1ターン目はこいつらに着地したとしても、次のターンにはまた3枚からしか動き出せないわけです。いくらなんでも無理。
まとめれば、真竜皇をデッキにするには、
⑴展開のための消費が激しすぎて継戦能力が低い
⑵必要な属性を手札・フィールドに揃える必要がある
⑶展開の着地点が無い
という3つの課題を解決する必要がありました。
③解決案とデッキレシピ
その課題を解決した(はず)のレシピがこちら。
まず、⑴展開のための消費が激しすぎて継戦能力が低いについて。
真竜皇の特殊召喚コスト捻出策として、幻獣機というテーマを採用しました。
幻獣機は、トークンの生成が得意なテーマ(大嘘)で、トークンを真竜皇のコストとすることで消費を抑えます。特に「幻獣機アウローラドン」は、風属性のトークンを3体特殊召喚できるので、自身を合わせれば、真竜皇の効果2回分のモンスターを用意できます。
アウローラドンの出力には音響戦士を利用。なんで幻獣機だけでアウローラドン出せないんだよP召喚を絡めて、下級の機械族を大量展開できるテーマです。後続のサーチやリクルート、蘇生方法なども豊富ですし、そもそもP召喚は毎ターン複数体のモンスターを出力できるので、リソース確保の手段としてもかなり適していると言えるでしょう。
次に、⑵必要な属性を手札・フィールドに揃える必要があるという点について。
ここでも音響戦士が活躍します。「音響戦士ドラムス」は、自分の音響戦士の属性を変更する効果を持っているため、手札に引き込んだ真竜皇に応じて、必要な属性を用意できます。
さらに属性変更手段として、☆7Sモンスター「いろはもみじ」も採用。他の属性変更カードと違い、
・EXモンスターなので、必要なタイミングで出しやすい
・2体以上のモンスターの属性を変更できるので、真竜皇の①の追加効果を狙いやすい
・イラストが綺麗
などが長所。
また、ドラDこそ制限になったものの、ここ最近の新規カードで、真竜皇のサーチ手段も豊富になりました。
その筆頭が「龍相剣現」。相剣のサーチ魔法ですが、場にSモンスターがいる場合、幻竜族をなんでもサーチできます。
音響戦士を採用しているため、Sモンスターは容易に用意(激ウマギャグ)できます。
また、ドラD自体も、「竜剣士マジェスティP」の登場でサーチしやすくなりました。
最後に、⑶展開の着地点が無いという問題について。
「置いとくモンスターがいないなら、そのターンで殴って勝てばええやん」という脳筋発想で解決。
そもそも、真竜皇は最上級に相応しい打点を備えている(バハルストス以外)ので、ワンショット力自体は高いです。
そこで、相手の場を吹き飛ばすための「無限起動アースシェイカー」や「星風狼ウォルフライエ」、突破力の高い「天威の龍鬼神」、「フルール・ド・バロネス」、「サイコ・エンド・パニッシャー」などを採用。かなり殺意が高いEXデッキになりました。
④回し方
基本的には、
1ターン目:展開札の用意
2ターン目:全力展開で相手を吹き飛ばす
ことを意識して回します。
1ターン目は、音響戦士を使った動きで2ターン目以降の展開札を用意します。
必要札:「音響戦士ディージェス」、「音響戦士ギタリス」、手札コスト2枚
(1)ディージェスns、ef「音響戦士サイザス」セット
(2)ギタリスPef、ディージェスと自身回収
(3)ディージェスPef①、サイザスリバース
(4)サイザスPef「音響戦士ギータス」サーチ
(5)ディージェスPef②、自身ss
(6)ディージェス+サイザスで「軌跡の魔術師」Ls、軌跡ef「竜剣士マジェスティP」サーチ
(7)ギータス&ギタリスでPsディージェス&マジェスティ
(8)マジェスティPef「ドラゴニックD」サーチ(手札1枚捨てる)
(9)ギータスPefギタリスリクルート(手札コスト1枚)
(10)ギタリス+ディージェスで「音響戦士ロックス」Ss、ロックスefギタリスEXから回収
(11)ロックス+マジェスティで「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム」Ls、ef PをEXへ
(12)エレクトラムefギタリス破壊してギタリス回収(+1ドロー)
(13)軌跡+エレクトラムで「双穹の騎士アストラム」Ls
これで、盤面にアストラム+ハンドにディージェス・ギタリス・ドラDが確保できました。
対象耐性+実質的な戦闘耐性+バウンス効果持ちの強力モンスターで相手に圧力をかけつつ、返しのターンの展開札2枚+真竜皇のサーチ札を確保できます。
ここではディージェス+ギタリスの展開例を示しましたが、音響戦士は2枚初動な代わりに、その組み合わせが豊富で、例えばギタリス+ギータスとか、ディージェス+サイザスとか、様々なパターンで動くことができます。
初手の他3枚次第では、上ではL素材としたロックスを場に残しながらアストラムに行くことも可能ですし、「音響戦士マイクス」の召喚権追加効果を利用すれば「天威の龍鬼神」などを立てておくことも可能です。
2ターン目は、上で示したディージェス+ギタリスの動きにP召喚を絡めて「幻獣機アウローラドン」をLsし、ドラDでサーチした真竜皇や、アウローラドンから持ってきた幻獣機、音響戦士の効果を使い、うまくモンスター数、レベル、属性を調整して展開して、フィニッシュを目指すという感じですね。
サラッと言いましたが、ここがマジで難しいです。サーチするチューナーや、出すタイミングをミスると、相手の盤面に応じたEXモンスターが出せなかったり、場が無駄に埋まって身動き取れなくなったり、悲しいことになります。なんならデッキ製作者の僕ですら未だに上手く回せてない
④その他
その他、メインギミック以外のカードの採用理由などを。
「相剣瑞獣-純鈞」「天威龍-ヴィシュダ」
……「龍相剣現」のサーチの選択肢として採用。どちらも特殊召喚しやすく、☆6・7という点もこのデッキではS素材として貴重。
初動が決まらなかった時にポンと出して壁にしたり、とりあえずでS召喚できたりと、結構ありがたい。
「ゴールド・ガジェット」「シルバー・ガジェット」
……「ギアギガントX」を組むために採用。
ディージェスを出しても良いですが、1番の役目は初手に来てしまった幻獣機☆4連中の有効活用。
幻獣機は基本的に虚無素引きでは効果を活かせないので、そこをケアしつつ、音響戦士をサーチする動きにつなげる札です。
「霞の谷の神風」
……最強。ディージェス&ギタリスの初動に絡めるともう宇宙。ただし、タイミングと出すモンスターはしっかり考えないと、とっ散らかって収拾がつかずに、最終盤面が微妙だったり返された時に何もできなくなったりするので注意。
「電脳堺獣-鷲々」
……風属性・機械族が墓地に溜まるので、耐性・墓地送り効果コストが賄え、強みを十二分に発揮できるので採用。
能動的に音響戦士を除外することで、サイザスの除外ゾーンから音響戦士を出す墓地効果の準備にもなります。
「天威の龍鬼神」「フルール・ド・バロネス」
……上記の通り突破札として使うことが多いですが、実はこのデッキでは数少ない先行1ターン目の置物枠でもあります。
初動が決まらなかった時に、ヴィシュダ+ベーシス→龍鬼神を作ったり、以下の動きでバロネスを置いたり、結構登場の機会は多いです。
手札:「アンプリファイヤー」、ディージェス
①アンプリファイヤー発動、ディージェスns
②ディージェスef、ギタリスss
③ディージェス+ギタリスでロックスSs
④ロックスefギタリス回収
⑤ギタリスefss
⑥ギタリス+ロックスでバロネスSs
突破力という意味では、☆10Sでは「相剣大公-承影」に分がありますが、初動が微妙だった時のケアを考えるとバロネスに軍配が上がります。突破札は他にも色々入ってるしね。
⑤まとめ(お気に入りポイント、改善点など)
このデッキ、真竜皇を使いたいというのがメインテーマだと言いましたが、実はもう1つ裏テーマがありました。
それは「幻獣機をデッキにすること」。
真竜皇と同じく、幻獣機というテーマも昔から好きだったのですが、なかなか形に出来ずにいました。
そもそもトークンを使って1アドを取るテーマなのにテーマ内のトークン生成方法が少ないし、その数少ないテーマ内トークン生成カードの空中補給はなぜか生んだトークンを維持コストにしちゃうし、垂直着陸はトークン使うための幻獣機をリリースしないとトークン生成できない意味不明デザインだし、特殊召喚方法はオライオンとハリアードくらいしか無いのにテーマ内おろまいは無いし、ハリアードはトークン要求だからハリアード+トークン生成カード+特殊召喚先の3枚を手札に引いててようやくランク4が組めるだけとかいう弱さだし、なのにアウローラドン来たせいで強化のアテはしばらく無いし、リンクモンスターがいる関係で気軽にトークン生成カードやテーマを強化できないみたいなとこもあるしホンマ……幻獣機版のホーネットビットや斬機サーキュラーみたいな新規が1枚出るだけでだいぶ違うんだけどなあ、無理やろなあ取り乱しました。
しかし、今回はこの2つのテーマをうまくデッキにまとめ上げることができたと感じています。
エンジンこそ音響戦士が担っており、初動からアドバンテージを稼ぐのは音響戦士ですが、最終的には幻獣機や真竜皇の効果を活用することでこそ、多彩な大型モンスターを展開できるデザインになっているため、決して「音響戦士で介護してるだけ」みたいな印象に(少なくとも使ってる自分は)ならないのは、かなりのお気に入りポイント。
この2テーマの採用枚数も少なめなのに、安定して盤面に出力できるのも良いですね。
一方で、割と初動も安定してて、回れば高確率で2ターン目には相手を捻り潰すパワーがあるという、かなりハイパワー&ハイスピードなデッキになったので、カジュアル環境で気軽に使えるデッキでは無くなっちゃったかなぁ、という感もあり、そこはなんとか出来ないものかと思案中。
既に述べた通り、リソースを食いつぶす真竜皇というテーマの特性上、そもそもロングゲームには向かないですし、ポリシーとしてあえてパワーを落とすことはしたくないので、まあ現状では仕方ないかなあと思ってるんですが。
もうちょっと面白方向に舵を切って何か出来ることを探せないかな〜、それで結果的にパワーやスピードが良い塩梅に落ち着かないかな〜と、常に可能性を探っています。
今のところは、相手がめちゃ強デッキを握ってきた時用の懐刀、って位置付けですかね。
まあ、昨今の遊戯王のインフレを見るに、そのうちカジュアル環境でこのデッキを使うのも普通な時代が、そう遠くない未来に来そうな気もしますが。
このデッキと当たった時は、あなたも最強のデッキで応じてくれると、とても嬉しいです。
デッキ名は【Led Zeppelin】。幻獣機と音響戦士ということで、「墜落する飛行船」を意味する、ハードロックの神様とも言われるバンドから取りました。4人組のバンドなので、1人1人が真竜皇に相当するとお考えください。僕は「Whole Lotta Love」や「Rock and Roll」が好きです。
では今回の記事はこの辺で。
なんでもは知りませんが、このデッキのことは誰より知っています。羽川翼でした。