年末のキッズバトルイベントにて

2018年の年末に名古屋にてキッズを対象としたバトルイベントのジャッジをしてきました。

http://soulcitynagoya.com/featureds/mastarz-2018-6-judges
名古屋のダンスポータルサイトSoul city nagoyaにて、僕の総評が掲載されていますが、これを一部抜粋しつつ、キッズダンスについて少しだけお話ししていきましょう〜。

自分のインタビューを自分で抜粋するのは変ですけどね。
まあでも、未来を担うキッズダンサーのことを話すにあたって、分かりやすく解いていくことは、非常に大切なのでね。
まぁ、とりあえずいきましょう。

キッズシーンに見る、バトルに対しての向き合い方

「バトルに勝ちたい」と意気込んで踊っている人はしっかりと結果を出しているように感じました。普段の練習やレッスン等のときからバトルを意識してからバトルへ挑むべきだと、自分自身も改めて感じることが出来ました。

まずこれですね。
今現在、日本でのキッズのバトルって主にフリースタイルバトルが大半を締めてると思うんです。

今の時代、こんな狭い見解は少しだけ勘違いされちゃうかもしれないんやけど、バトルを土俵としていないジャンルや、レッスンでバトルを意識していない状態であるにも関わらず、「バトルに出る→負ける→悔しい→レッスンはいつも通り(振り付けとか)」の流れは非常におかしいと思います。

BBOY,BGIRLの皆さんは、あんまりピンとこないかもしれないけれども、少なくとも名古屋のキッズダンスシーンに置いては、この状況が非常に痛々しいと思います。

まあでもこれは、前提として、「バトルに出たい」かどうかが重要で、更に言えば「バトルで勝ちたい」と考えている子供かいるとして、そこに携わる大人たちへの疑問であります。

兎にも角にも、バトルで結果を出したいと意気込んでいる子供たちに対して、レッスンやその他の時間ではビジネスが先行して、振り付けやショーケースを徹底して続けている状況は本当に下らないですよね。

バトルへの向き合い方に限らず、もう少し子供たちの気持ちを汲んであげて、その子達がどうやってダンスで楽しみたいのか、なにを目指しているのかを知るべきだし、その「子供それぞれが、やりたいフォーマット」を支えれるような大人のサポートが重要だと思いますね。

そして、そのサポートをもとに、子供たちは自信を持ってバトルやショーケースにチャレンジできることが一番良いですね。

キッズBBOYへのサポートを。

全体の感想でも述べましたが、バトルでの結果を気にするのであれば、バトルに向けての練習は必須だと思います。普段、バトルのことを考えていないのに、当日の運だけで「結果を出し続ける」のは非常に難しいと思います。悔しくて、次は結果を出したいと感じているのであれば、しっかりと次のバトルに向けて対策をして欲しいです。テクニックや、自分の動き(ネタや振り付け)だけを練習して、バトルに望む事自体が悪いことだとは思いませんが、そういった気持ちでバトルに臨む場合は「結果」ではなく「自分が練習したことが出せたかどうか」をしっかりと見つめ直して欲しいです。結果を求めるのであれば、自分の動きだけでなく、音楽へのアプローチやファッション、バトルの仕方も考えてからイベントに向かって欲しいです。

僕は、BBOYなので、BBOYに向けてもう少しエグった話になります。

日本で言うところの「ネタ」という概念は、非常に便利な反面、子供を教えたりサポートするにあたってかなりの確率で弊害にもなっているのが僕の中での実感です。

バトルは、ある程度のゲーム要素が確かにあるんですが、子供たちはそれに翻弄されるべきではないと思います。そもそもそんなもんじゃないですしね。そして、ネタという概念もそれに相応しているんですが、そこに対して割と気軽に考えている大人たちは多いですよね……。

ネタが成功すれば勝てる。これは読み解けば誰にでも分かると思います。そもそもダンスやバトルのカテゴリから離れ過ぎてしまってますよね。
そして「ネタのレベルが低い」、「スキルが足りない」ってのも、僅かに違う。違う訳ではないんだけど、それが主となって指導するのはお門違いだと感じてます。

ダンスは体が動いている部分だったり、そこの可動域や、瞬発性などのフィジカルだけで語れるものではないですよね。そんな簡単なことが分かるのに、なぜネタやテクニックの概念に阻まれてしまっているのか、本当に大人たちの勉強不足や、不感症さが顕著に出てると思います。

日本人特有の勤勉さがアダとなってる所は多いんで、もう少し感覚にまかせてあげたいです。
それが緊張や経験の無さで、体がこわばってしまったとしても、感覚に委ねて踊れることの楽しさを十分に味合わせて行くべきだと思います。

結局のところ。

全く反対の話になりますが、「結果」ではなく「楽しむため or 経験のため」にバトルに出るのであれば、難しいことを考えずに、”笑顔で精一杯楽しく” 踊って欲しいです。バトルで勝てなくてもダンスは続けてほしいし、バトルだけがダンスではありません。ダンスの内容や、結果も大切ですが…どんな形でもみんながダンスを楽しく続けていくことが本当に大切なことだと思っています。

まぁつまり、こうゆうことで。

バトルが乱立する日本のダンスシーンに置いて、自分の立ち位置だっり、東西南北を見渡せるためのコンパスみたいなものが、すごく大切だと思うんですが、子供たちにそれを押し付けることは難しいですよね。

"どうやってバトルに向かうのか"の前に、ダンスをどうやって楽しみたいのかは人それぞれで、それはジャンルレスだし、そもそもダンスの枠に留まる訳ではないですね。

子供たちの感覚とか、その時の感情をもうすこし瞬発的に出せるのがバトルのいいところだし、バトルイベントが沢山あることのメリットだと思いますが、結果に翻弄された大人たちの餌にならないように本当に気をつけていきたいです。

未来を信じて、サポートできる大人に僕もナリタイデス。

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