【ヲタ活レポ】第146話「推しから同志へ」〜雪解けHORIZON篇
■今回のテーマソング
■第146話「推しから同志へ」
ことの始まりは、ひとつのリプライだった。
EMANONというバンドで活動する、元Pimm'sの郡司英里沙さん。その1周年を迎えるカウントダウンライブが渋谷のeggmanで3月7日の23:45から日を跨いだ3月8日にかけて行われた。
彼女が新しいバンド活動をすると知り、両国のライブハウスに向かったのがつい昨日のことに感じる。
深夜帯、しかも木曜日ということもあり、仕事のことなどを鑑みてライブに行くことを断念していた。。。そんな時に郡司さんから貰ったのが先のリプライだった。
こんなことを言われたら、心が動かされ後先考えずに行動せざる得ない(笑)。気がつくとチケットを購入している自分がいた、チョロい(笑)。
叶えられなかった夢
ライブ当日、振り始めた冷たい雨から逃れるように僕はeggmanに辿り着いた。いつぶりにこの場所に来たのか、それすらも曖昧な記憶である。
50人強くらいだろうか。EMANONの門出を祝うために集まった人たちがライブハウスを埋める。
ライブが始まり、メンバーが登場。会場の約1分遅れた時計でカウントダウンをして、無事に1周年を皆で祝った。新曲を含めたEMANON楽曲が披露されるなか、様々な発表もあった。新衣装、新ロゴ、新SE、新曲、そして生誕祭ライブや五大都市ツアーの開催などなど、、、。勢いを増すかのように彼女たちが2024年も活動していくことを肌身に感じた。
何よりも、かつての推しが、楽しそうにステージでパフォーマンスをする姿に見惚れていた。これまでのどのステージでも、郡司さんは全力かつ感情を込めたライブをしてくれた。だからその強弱を感じたことは正直ない。しかし、この日の彼女の笑顔や表情は、今までのそれとどこか違って見えた。気のせいかもしれないが、僕にはそう感じさせてくれた。
やりたいことを、最高の仲間(バンドメンバーやスタッフさん)とともに自由に表現している。
そんな風に思って、郡司さんがやっと辿り着いた境地なのかもしれない。
そう感じさせたのにはもう一つ理由があった。。。
僕の物語で、何度も話題にしている2019年12月23日のあの日。実はこのライブには秘められたエピソードがあった。
EMANONライブの終盤、アンコールで2つのカバー楽曲を披露した。それがこの2曲だ。
①Kimi to boku
②夜明けBrand New Days
元々人前で歌うことに自信がなく、アイドルに偏見もあった郡司さん。それを変えてくれたのが『夜明けBrand New Days』という楽曲で、そこから追い求めるアイドル像に出逢ったという。そして、アイドルを続ける中で自らのグループで『Kimi to boku』という大切な曲に出逢うこととなった。そんなストーリーを話しながら、彼女は叶えられなかった夢について話し始めた。
本当は2019年12月23日のあの日、バンドスタイルで『Kimi to boku』を披露する予定だったらしい。
僕の中で、「だからバンドだったのか?!」と即座に回答が見つかったようだった。アイドル活動を終え、クラウドファウンディングでガールズバンドを結成した時、もしかすると、この叶えられなかった夢が最終的な目標のひとつだったのかもしれない。その後、アイドルというステージにもう一度帰ってきた時に、EMANONとして活動していたことも、この日のためだったのかもしれない。郡司さんのバンド活動に対する軸を垣間見た気がした。
そんな2つの大切な楽曲を念願叶って、最高の仲間とステージで披露したのだ。ステージ上で涙する郡司さんの姿は、涙ながらにどこか嬉しそうに見えた。これが彼女のやりたかったことなのか、と感じるだけで僕も目頭が熱くなり、この場所に立ち会えたことを誇りに感じた。郡司さん、本当にありがとう。そして、『Kimi to boku』が僕にとってさらに大切な楽曲になった。
この日、きっと郡司さんにとって、叶えられなかった夢が夢じゃなくなる瞬間だったのだろう。
アイドルヲタくなら、誰しもが一度は耳にする歌がある。この曲は、僕にとって、そして多くの人にとってのアンセムソングであり、アイドルだった彼女たちにとってもそうだったのだ。
アイドルとしてのステージと、バンドでのステージを経験し、それらを融合した存在になること、EMANONとしての活動がそうなることを目指して、これからも彼女たちは歩み続ける。
推しから同志へ
チェキを撮り終え、開口一番にそう話す彼女。まったくもってそのとおりであった(笑)。
ライブを観てほしかった、そんな意味で伏線回収と言ったんだと思う。しかし、この歌詞にあるように、僕にとっては違う意味で伏線回収を成し得た。
僕が自分のヲタ活やそこで起きる出来事をこうして語っていくことも、君がいるから、なんでもない世界が物語になっているんだと感じた。このWhip Wotaku Universeにおいて、"推し"という存在は必要不可欠だ。時代とともに変遷していくその存在は、決して途絶えてしまう訳では無い、郡司さんの場合もそうだ。いつの日か、彼女に言われた言葉を思い出す。
そう、彼女はもう推しではない、今は"同志"なんだと。自分のヲタ活という物語に、郡司さんがまだ登場してくれていることがとても幸せだ。
そう、これは"終わらない物語"なんだ。時代や心境とともに変わっていくストーリー。
以前に持っていたこの特典券をこの日使わなかった。ワンピースに登場するビブルカードのように、このチケットを持っていることで、僕はまだ郡司さんとこの先も惹き寄せられる、そんな気がしたから。
始まりはアイドルだった。そんな彼女が、自分なりに自由に表現やパフォーマンスができるようになれる場所、自分を見つけた。郡司さんにとっては、それがこのバンド活動なんだろうと感じた。まさに、郡司さんは"自由"になった。まるでワンピースのニカのように。
アイドルとヲタくとして始まったこの関係性が、これからも同志の二人として語れることを嬉しく、そして誇りに思う。そんな新天地、それこそが【雪解けHORIZON】の目指すべき場所なのかもしれない。
最後まで読んでいただきありがとうございました。またどこかの現場でお会いしましょう。
※本記事は、筆者の体験を元に主観で執筆したものとなります。あらかじめご了承ください。何卒。
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