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【展覧会レポ】ハニワと土偶の近代 @ 国立近代美術館
こんばんは。
国立近代美術館で開催されている『ハニワと土偶の近代』展に行ってきました!
◆公式サイト
上野の東京国立博物館(以下、東博)で開催されている『はにわ』展と合わせて鑑賞すると、いろいろと楽しめると思います!以下は私のレポですのでご参照ください。
東博の『はにわ』展は、当時の古代日本における本物の"はにわ"に焦点を当てていますが、国立近代美術館の『ハニワと土偶の近代』では、それら過去の遺物としての"ハニワ"が、時代の中でどのように受け入れられてきたのか、注目されてきたのかを特集しています。同じ"はにわ"でも切り口が違うんですよね。そんな展覧会をレポしていきたいと思います。
原始の美
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戦後、岡本太郎やイサムノグチが考古ジャンルからはにわや土偶を、原始の美として見出しました。この展覧会では、明治から現代にかけての、ハニワや土偶に向けられた、出土モチーフの系譜を追いかけていきます。
こうした文献資料から始まり、ハニワや土偶は時代とともに研究の対象とされてきました。
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こうした資料で取り上げられるハニワの実物は東博で観られるのも、すごいタイミングですよね!
そして、ハニワはやがてアートの対象となり、雑誌の表紙や、展覧会のテーマ、芸術的作品へと変貌していく過程を見ていくことができます。
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戦時中、ハニワは、国民の士気を高める、癒しの存在でもあったようです。近代において、ハニワや土偶がそういった国民意識の中に根付いていたことは知りませんでした。
時代とともに、ハニワや土偶は、いわゆるサブカルチャーの性格を担うようになります。
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こうした文化的な側面までを含めて、ハニワや土偶などの原始の美を、時代とともに追いかけていくことができるのは、個人的には初めての切り口でとても面白かったです。そして、東博の『はにわ』展にももう一度行きたくなりました。
知っているようで、知らなかったハニワや土偶の世界に、ぜひ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
展覧会は、12月22日まで国立近代美術館で開催中です。
※執筆にあたり解説パネルやチラシ、公式サイトなどを引用、参照しています。
※記載の考察や感想は個人によるものです。あらかじめご容赦ください。