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【展覧会レポ】 デイヴィッド・ホックニー展 @ 国立現代美術館

国立現代美術館で開催していた『デイヴィッド・ホックニー展』に行ってきました!会期ギリギリセーフでした!!

※撮影はすべて著者によるものです。

◆公式サイト


デイヴィッド・ホックニー

イギリスの画家で、現在はフランスで活動。アメリカでの居住経験もある。

目の前の世界を「どのように見るか」「どのように描くか」を探求し続けた人。

日本では約27年ぶり大個展で、様々なジャンルの作品が集まりました。大きなものから小さなもの、絵画から映像作品まで。コロナという未曾有の時代を経て、目の前の世界を見つめ続けた、描き続けた一人の画家の生涯を追う展覧会となっています。


主題:身辺にあるもの

彼の主題は"身近にあるもの"。親しい人々、拠点とする地、旅先の風景など目の前にある現実の世界を観察し、描いてきました。三次元の対象をどのように絵画に移し替えるか試行錯誤し、様々な手法を試しています。

ロンドンやロサンゼルス時代などの初期の作品群からは、作品の中に彼自身の葛藤が見られるようなものが多かった印象です。そして、二人の人物を描くダブルポートレートシリーズでは、様々な技法で作品を制作しています。単身の肖像画も数多く展示されており、その多くが版画技法のひとつ:リトグラフで制作されているのがすごいなと感じました。

時代が進むなかで、ホックニーもキュビスムのとりこになったようです。ピカソを敬愛していたことから、関わった版画の刷り師と交流し、彼なりのキュビスムが展開していきます。立体から平面へ、そして色彩までも解放した作品群は同一作家のものとは思えませんでした。

フォトドローイングや映像での作品経験を経て、彼はiPadでの作品制作に力を入れ始めます。そしてその対象は身の周りの風景。

全長90メートルに及ぶ『ノルマンディーの12か月』はiPadにより制作された風景画の1年を描いています。本展ではそのすべてを体感することができます。圧巻です!

芸術という世界に身を置きながらも、自分にしかできないことを模索し、それでいて皆が見えているものを描いた。まさに現代を生きる画家の精神に触れることができる至高の展覧会でした。


最後まで呼んでいただきありがとうございました。

※執筆にあたり、公式サイトや解説パネルなどを参照しています。


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