【展覧会レポ】エゴン・シーレ展 @ 東京都美術館
こんばんは、whipです。
東京都美術館で開催中の『エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』に行ってきました!
本展はオーストリアのルドルフ・レオポルド氏のコレクションを収めたレオポルド美術館からの展示作品で構成されています。タイトルに『エゴン・シーレ展』とありますが、クリムトはじめウィーンの画家たちが集結する内容となっています。
世紀末の激動の時代、世界情勢ととに芸術の世界も様々な表現方法や思考が広がっていきました。"前衛的"と称されるこれらの動きは、既存の決まりきったアカデミズムを否定し新しさを常に求め続けた芸術運動です。ウィーンでも、ウィーン分離派という名で多くの芸術家が活躍しました。エゴン・シーレはまさにその中の一人なのです。
若き天才の人生
エゴン・シーレは幼少期からその才能を認められ、グスタフ・クリムトに弟子入りします。初期の作風にはその筆致が見てとれます。
本展では様々な画家の紹介パートを踏まえながら、時代とともに変遷するシーレの作風の変化を感じることができます。ぜひ注目してみてください!
本展を通じてわかった、エゴン・シーレの主なモチーフと特徴的な技法を記載しておきます。
◎モチーフ◎
・母と子
・母親の故郷クルマウの風景画
・裸体
・自画像
◎得意技法◎
・ドローイング
・薄めの色、褐色
・筆使いによる表現
・余白の使い方
特に面白いなと感じたのは、自画像についてです。彼は自画像を通じて自らの内面を探求し表現したそうなのですが、ここまで鑑賞者側にその様子を表現できることに感服しました。時には、他
の人の肖像画に自らを投影し、人物の属性を入れ替える(例えば自分と相手の髪の色などを逆にする)ことで境界を曖昧にし、他者の中に自己を模索する試みもとても面白いなと感じました。ぜひこうした点にも注目してみてください。
また、ドローイング、いわゆる下描きがそのまま作品になるくらい素晴らしいのもポイントです。一本の線でそのアングルや動きのある仕草、表情を表現できるのかと圧巻しました。
まさに天才と言われる所以なのかもしれないと、作品を観て進む度に気付かされます。
彼が描いた作品の中を、その想いや葛藤、自らのアイデンティティーを模索するような探求の旅路となる展覧会でした。ぜひ訪れてみてください!
展覧会は4月9日まで東京都美術館で開催中です。
◆公式サイト
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※執筆にあたり、解説パネルやチラシなどを参照しています。