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【展覧会レポ】ゲルハルト・リヒター展 @ 東京国立近代美術館

皆さん、こんばんは。

東京国立近代美術館で10月2日㈰まで開催中の『ゲルハルト・リヒター展』に行ってきました!

本当はもっと早く行く予定だったのですが、アイドルに現を抜かした夏、なかなか予定が合わず会期ギリギリになってしまいました(笑)!

なかなか混雑していますが、観に行く価値のある素晴らしい展覧会でしたので、ぜひ迷っている方は週末に足を運んでみてください。


【ゲルハルト・リヒター】

リヒターはドイツに生まれました。ちょうど東西対立をしていた時代に、西の自由な風土に憧れて土地を離れます。フォトペインティングから出発し、様々な技法を生み出した彼の16年ぶりの大回顧展です。今年で生誕90歳にして、まだまだ画業を続けているというのだから凄い!!

本展覧会では、学芸員さんのほか、なんと御本人自ら構成を考えたんだとか!作品一点だけでなく、空間そのものを芸術作品とするまさに現代アートの手法をとっています。

会場内に順路は無く、解説も少なめです。だからこそ、ぜひ音声ガイドを借りることをオススメします!!私も事前にTwitterでエゴサした際にそうした意見が多数あったので借りることにしました。結果、大正解でした!!もちろん、作品のみでもリヒター展は圧倒されます。しかし、解説があることでどうしてこの作品を描いたのかなどを知ることができ、本当に理解が深まります。鈴木京香さんのナレーションもマッチしています!ぜひ音声ガイドをお共にしてみてください!!

ここで、いくつか気に入った作品やハイライトをご紹介します。

撮影:著者

『グレイ』シリーズと言われる灰色をめいいっぱい描いたシリーズ。音楽家ジョン・ケージの想いに共感して無の明示とした作品は、じっくり見ていると吸い込まれそうになります。よく見ていくと、筆使いが残されていて、どんなふうにリヒターが作品を制作したのか思いを馳せることもできそうです。会場内にはいくつかのグレイがありますので、お気に入りを探してみてください!

撮影:著者

『ビルケナウ』は、アウシュビッツ強制収容所を題材とした作品。当初はフォトペインティングで具象的(リアル)に描こうとした本作は、彼が作品を創るうちにそれを断念。抽象画として完成します。会場内には実際の作品と写真で複製したもの、そしてグレイ地の鏡によって空間ごと演出されています。ここには、繰り返される歴史への警鐘の意もあるのだとか。見つめるうちに自身の中に芽生える感情があるかもしれません。。。

撮影:著者

フォトペインティングの話が出ましたが、実はリヒターさん超絵が上手いです(笑)というか具象画めっちゃ得意です!だからこそそれを崩して自らの作風をたくさん生み出したのかと思うと凄いという感情しか残りません。。。この『ヴァルトハウス』という風景画はわざとぼかし風に仕上げられています。彼はこの、ぼかし技法を自らの作品に広く多用していて、通常の絵画よりも朧気な世界観の演出に成功しているように感じます。

撮影:著者

人を被写体にもしています。もちろんぼかしてます(笑)。絵画とはなにか、それを問い続けた彼なりの結論なのかもしれません。

その他にも多彩な技法を生み出しています。

撮影:著者

アブストラクトペインティングは、自作のへら(スキージ)で偶然の色の混じり合いで創出したもの。そうして、映像のような絵画を創り上げたのです。

撮影:著者

カラーチャートは、レディメイド(既製品を美術に応用する)を用いた作品です。色の決まった既製品パネルを無作為に組み合わせいくつものバリエーションの作品を生み出しました。展示方法によって11通りものパターンがあるようです。


撮影:著者

約10mにもおよぶこの、デジダルプリントを活用した『ストリップ』という作品は、自ら作成したアブストラクトペインティングをデータ化して、その断片を切り出し、そこから偶発的に得られた模様で構成されています。まさに、彼の技法を駆使した大作!レディメイドであり、カラーチャートの偶然性を活かした作品になっています。

偶然を操作する。それをモットーにした彼の作品群はまだまだたくさんあります。ぜひ会場でリヒターの想いに触れてみてください。

撮影:著者

御年90歳になっても、まだまだ創作を続けています。往年から現在に至るまで、ゲルハルト・リヒターとその創作の意味を感じられる素敵な展覧会です。会期は残りわずかですが、ぜひ訪れてみてください!そして、音声ガイドも(笑)

◆公式サイト


最後まで読んでいただきありがとうございました!

※執筆にあたり、解説パネル、チラシ、音声ガイドの内容を参考にしています。

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