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【展覧会レポ】ヴァロットン-黒と白展 @ 三菱一号館美術館

こんにちは、whipです。

三菱一号館美術館にて開幕中の『ヴァロットン-黒と白展』に行ってきましたので、レポしていきたいと思います。

◆公式サイト

※執筆は咀嚼した私の認識や言葉で表現しています。一部誤りや認識の違いがあるかと思いますのでその点はご容赦いただけますと幸いです。

※撮影は著者によるものです。撮影可能なエリアのみで撮影しています。


【ヴァロットンって?】

今回の特集展は、ヴァロットンという画家が主人公です。彼はスイスで生まれ、フランスで芸術を学び、生涯を通じて作品を作り続けました。

木版画やナビ派(自分たちが芸術の新時代を築く預言者だ!)などの経歴を持つ彼ですが、今回の特集では、その生涯で最も創作した"木版画"をフォーカスしています。特に黒を基調とした印象的な作品群がたくさん観られる展示となっています。そのほとんどが三菱一号館美術館の所蔵品であるのも驚きですよね!

撮影可能な展示室もあります。

展示会は彼の制作過程と同様に構成されています。

初期は基本的な版画:ドライポイントやエッチングでの肖像画制作から始まります。

そして、木版画に出会い、当時の言わゆる「複製のための版画」ではなく、「創作としての版画」を極めていくことになるのでした。それを印象づけるのが、通常残しておく版木という原作品を一定期間後に自ら廃棄していたということです。安易な複製を拒んでいたのだとか。ほんとに、創作版画としての意味合いが強くなるエピソードですよね。

また、彼の作品は構図も大胆なものが多く目をはります。それらは、当時パリで流行していたジャポニスムによる平面や構図からの影響が大きいものかもしれません。そうした点に着目すると、まるでスイスやフランスにおける浮世絵をヴァロットン流に描いているようにも見えてきます。

彼が好んだテーマは「群衆」「死」など。特に黒の作品を意識させるのは、「死」のテーマシリーズです。

『暗殺』

私のお気に入りはこちらの作品。あるいち場面を描いているのですが、全てを見せないところがドラマチックさを演出しているようです。

他にも「群衆」の暴動や、ル・ボン・マルシェという現在も人気の高級百貨店を描いた作品群など様々な作品が展示されていますのでぜひお気に入りを探してみてくだしい!

【アンティミテへ】

その後、ナビ派と共に版画集への参加や、連作シリーズの制作を重ね、名声を手にしていきます。その中で、彼が制作したのが『アンティミテ:親密』という10の連作シリーズです。それらを一挙展示しているのも凄いです!次第に広くなる黒の領域にも注目してみてください。


明確な主題の中で、鑑賞者にその解釈を委ねる作品と大胆でデザイン的な構図。現在私達が目にしているデザインの礎を感じさせる本特別展、ぜひ訪れてみてください。

展覧会は1月29日まで、三菱一号館美術館で開幕中です。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

※執筆にあたり、公式サイト、チラシ、解説パネルなどを参照しています。


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