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知ってるけど知らないピングーの話

みなさんピングーをご存知ですか?
存在は知ってるけどよくわからないよという方が多いのではないでしょうか。

ピングーは僕が大好きだと言えるもののひとつです。

全年齢対象ですが、こども騙しではない、子供と大人も楽しめる内容だと思います。


こんな人にオススメ

・長い時間画面とにらめっこするのが苦手だ、あまり時間が取れない。

・頭を使わないアニメーションも見たい。

・小さい頃見ていたような気がするけどよく覚えていない。

・ペンギン、もしくは南極に興味があったりなかったりする。

自分なりに伝わるようこの記事を書きましたので、良かったらお付き合いください。

ピングーに興味が沸いたり、ちょっと観てみようかなと思っていただければ幸いです。

伝えたいことはたくさんありますが、まとめでなんだかいいこと言ってるみたいです。


①Welcome to ピングーワールド


まずは基本情報から。

ピングーと言えばPINGUという作品、または
作品に登場するコウテイペンギンの男の子を指します。

世界一有名なペンギンとも言われていますね。

発音はピングー⤴ではなく、一音目にアクセントがあります。

まぁ細かいことはいいんです。通じれば。
なんたって世界一有名なペンギンですから。

作中でピングー語と呼ばれる、人語ではない言語でコミュニケーションを取っている点が大きな特徴です。

これは作品の発祥がスイスであることが大きく関係しています。

スイスはドイツ、フランス、イタリア、ロマンシュ語と様々な言語が使われている国。そこに住む人々の誰もが物語を楽しめるようにとの想いでピングー語は生まれました。

誰も意味はわからないけど誰にだって想いは伝わっている。
なんだか素敵ですね。

作者はオットマー・グッドマンさん。

1986年に映像化、1992年に日本で初めてテレビ放送がスタート。
世界155か国以上で放送され、世界中で愛されています。

ジャンルはクレイアニメ。
ざっくりまとめると、色粘土人形を1コマ毎に少しずつ動かしカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる手法で作られています。1話5分のショートアニメーション。

スタッフ全員で話し合いストーリーを決め、クレイは全て手作りのため、1か月で生み出されるのが1本5分の物語のみ。

1シーン毎に顔や胴体を変えたりしているので1日で3秒分しか撮れないこともあるそうです。

言葉がなくても伝わるようにと細部へのこだわりが世界中に愛が届いている理由な気がしています。

ピングーの声を担当しているのが声優のカルロ・ボノーミさん。
驚いたのがピングーに限らず作品に登場するキャラクター全てを担当しているということ。

また、ピングーって日本生まれじゃないの?と思われた方、実は半分正解です。

作品はシーズン1から6までとピングー in ザ・シティ(2クール)があります。

シーズン1から4が発祥のスイス、5,6はイギリスの会社、ピングー in ザ・シティに至っては日本の会社と声優が作品に魂を込めています。2017年放送とシリーズで最も新しく、3DCGアニメーションなのが特徴です。
基本情報はこの辺りでおしまい。
次は実際に見ることが出来る配信サイトを紹介します。
ピングー in ザ・シティで雰囲気がガラリと変わって言いたいことがあるみたいです。

②配信サイトの紹介

こちらの公式サイトで各動画配信サイトが確認できます。
網羅しようとするならU-NEXTもしくはAmazonPrime&アニメタイムズの組み合わせです。(2022/12/25時点)
配信範囲が日々ちょこちょこ変わっているので一応ご注意ください。
半年前ならアマプラでシーズン1が見れたんだけどなぁ。

アニメタイムズもよくある申込日を含む初回30日間無料をやっているので上手に活用してみてはいかがでしょうか。年末年始とかいいんじゃないですかね。

Q「どのシーズンから見たらいいですか?」
A「おとなしくシーズン1からがオススメです。ピングー in ザ・シティは少し違うものと考えた方が良いです。」

僕は基本的に「どこから見ても大丈夫だよ~」って言う人をあまり信じていない。シリーズものだとたまに時系列が放送順じゃないやつあるじゃないですか、それです。

なので今回紹介するにあたって改めて一通り見ました。
誤った情報をお伝えするのは忍びないので。
結果、シーズン1からが良いという結論になりました。

で、ピングー in ザ・シティについてですが、
PINGUがピングーを中心にした南極(自然)での日常に対してピングー in ザ・シティは小さな集落から大都会へ引っ越したピングーとその家族の生活を描いています。なにより大きいのが焦点がピングーを通しての様々な職業の紹介にあるところ。

3Dになって挑戦の気概や冷たい印象を与えないように様々な工夫が施されていることを頭では理解しますが、手触り感というか粘土の少し荒い感じや心の動きと共に伸び縮みする体の表現に人の温かさを見ていました。
(ハートウォーミングな狂気がよくってさ。シーズン1~4が好みです。)

そのため見るのは最後がオススメです。2017年10月初回放送の2019年3月最終回が一番新しいものとなっています。


Q「良い鑑賞方法とかあったりする?」
A「動画にある"あらすじ"をはじめは見ないで一度は鑑賞すること。」

事前知識は不要です。
キャラクター同士のやりとりはピングー語のため知識は不要。
キャラクター名すらゲームの取り扱い説明書、関連書籍、Wikipediaではじめて知ることになるほどです。

伏線や話の前後を気にする必要、一切ありません。むしろ良い意味で頭をからっぽにして見ることが大切です。

もちろん倍速再生は無しですよ。1か月で生み出されるのが1話だということを抜きにしても、5分という時間の中での間の取り方、掛け合い、カメラワーク、オチの付け方等見るべきところはたくさんあります。

言葉で伝えるのが難しいですが、2話みたら10分で良さはじゅうぶん伝わるはずです。たぶん、きっと、maybe。

③グッズに見るピングー

グッズはたくさんありますが、いくつか抜粋して紹介します。

まずはピングーのファンブック個人的三種の神器。左から
「ピングー ファンブック」「ピングーからの贈りもの」「Enjoy! Pingu」

内容としてはグッズや年表、世界観が掘り下げられています。
誕生40周年の2020年に日本でも記念の展覧会「ピングー展」が開かれました。その時に発売されたのが一番右のEnjoy! Pinguです。

クマのプーさんさんが1925年、スヌーピーが1950年に生まれたことを考えると1980年に生まれたピングーは新しいほうですね。

2022年9月に発売されたガチャポンのフィギュアシリーズ。
まだ現在進行形でグッズが出てるの凄くないですか?
人気のシーンをフィギュア化したみたいです。

~そこらにあったコウテイペンギンペン立てを添えて~

左下から説明すると

シリーズ1の第1話「僕はピングー」
お野菜を口からリバースしてるシーン。
ピングー検定なるものあれば「ピングーの嫌いな食べ物はなに?」
3級の問題で答えはほうれん草。

シリーズ4 第20話 「ピングーのパン作り」
パンかな?ってくらい体が伸びるピングー。
失敗しても得意げです。

シーズン5 第13話 ピングーとパパのつり合戦
無くしやすいボール付きフィギュア。

詳しくは公式サイトに↓


これがなにかわかった人は間違いなくマニアでしょう。
スイス発行の外国切手です。
サイ○リヤの間違い探しみたいにちょっとした違いがあります。
ちなみにピングー父が郵便配達員という設定が生きています。
違いは荷ヒモにあります。下の切手がわかりやすい。

切手が第1次発行された1999年、スイスの郵便制度改正で小包郵便物の荷ヒモが不要とされたため、同年末に荷ヒモだけを消し去ったデザインの切手が第2次として発行されました。

なんとも細かい違いですが、この第1次ピングー切手は大ヒットで、買えなかった人たちの強い要望に応えるという意味もあって第2次が発行されることになった経緯もあります。

なんとこの4枚で数百円ぽっきりだったのでそんなエピソード込みでおもろいなーと思ってこうして手元にあります。
海外切手なので使うこともないでしょう。



④オススメする5話

なんちゃら賞を数多く受賞していますが、独断と偏見でオススメします。
ほんとはもっとありますがその一部です。

シリーズ1の第8話「ピンガの迷子」
妹のピンガと遊びに出かけるも友人との遊びにすっかり夢中になったピンガはいなくなってしまって……

シリーズ2の第8話
「ピングーのつららで音楽」
洞窟で音楽を楽しむお話。
良いところはタイトルを「かくれんぼ」にして一話。
洞窟で楽しいことをする話を別にしてもいいところを「遊び」の延長線上でたまたま洞窟を見つけて楽しいことをする。
そんなワクワクが詰まってるところに惹かれました。

シリーズ2の第9話
「ピングーのポップコーンづくり」
オチがすき。

シリーズ4の第9話「ピングーと磁石」
おもちゃ箱で見つけた磁石はくっつくものとくっつかないものがあることに気付いたピングーは友人のビンゴにゲームを仕掛けます。
これも粘土ならではのお話。

シリーズ4の第11話「ピングーの夢の国」
風邪の日に見る夢のようなお話。



⑤まとめ

実際に見てもらえばすぐわかりますが、ピングーはいたずら好きで好奇心旺盛な男の子。決して優等生ではありません。

ちょっとしたことで笑ったり、怒ったり、哀しんだり、はしゃいだりします。自分に嘘がつけない。ペンギンらしくて、人間らしくて、そこがなによりピングーらしい。

時には両親に反抗もします。
そんなピングーを両親は心配するし怒りもする。
なにも憎くて怒ってるわけじゃない。
その気持ちが伝わってピングーがごめんなさいすればきっと許してくれる。
これが言葉を通さなくても伝わる。
そこは南極でもきっと心はあたたかいでしょう。

周りが楽しそうで自分が楽しくなかったら
友人相手にムキになったり僻んだりもする。
だってそれも本当の気持ち。

それでも友達が悲しかったら自分のことのように悲しい。
人に寄り添える、寄り添おうとする心が美しいと僕は感じます。

また、ピングーの生きる世界はおとぎ話の世界ではありません。
厳しい自然に囲まれ、少しの機械があって、みんなで協力しながら生活をしています。

その中で最適ではないかも知れないけど子どもたちが自分たちなりに問題に立ち向かう様は微笑ましくもあり、感じたことを行動に移す大切さを教えてくれます。

これらは人類共通の普遍的な事柄だからこそ、世界155か国以上で放送されて愛され、親しまれている理由のように思います。

言葉より前にくる感情がある。
言語を介在させないからこそ伝わるものがある。

素直さからくる、物事を楽しもうとするまなざしが素敵です。

特にそう思ったエピソード5の16話「ピングーの音楽隊」
いろんなところを気が狂ったかのように叩いて音を鳴らすお話。
これもオチがいい。

世界は目新しくて
なにかあったら楽しいし、なにかなくたってきっと楽しい。

心持ちひとつでコロコロ面白い方に転がっていける。
もしかしたら小さき頃は世界が目新しく見えていたこともあったかもしれない。

物事を楽しもうとする素直なまなざしがあれば当たり前は輝いて見える。

「おはよう」朝の挨拶。
「ごめんなさい」謝罪の言葉。
「ありがとう」感謝の言葉。

善意で人に何かやってもらった時には「ごめんなさいより」大きな「ありがとう」がふさわしい。これは大人になるにつれてまっすぐ伝えるのは難しいかもしれません。

言わんとしていることが伝わっていればいいんですけど、
5歳の頃の1年と20歳の頃の1年では体感として、砂時計の流れるスピードが違う。5歳児には共感を20歳児にはどこか懐かしいような気持ちになるんじゃないかと、ふと思いました。

これを見ているあなたにはどう映って、どう感じているかはわかりません。
ピングーの話は南極ですが、現代を生き抜く心のオアシスになれると思います。

この辺りで一旦終わります。






⑥番外編:エピソードロビ

いい感じに話がまとまっていたので心苦しくありますが、ピングー界のジョーカー的存在(?)であるアザラシのロビくんの話をしないと終われない。
ピングーを軸に見ると、家族、友人、先生、ご近所さんがこの世界を取り巻く登場人物であり、みなペンギンなんですよね。

シーズン1のエピソード3で妹のピンガ誕生、エピソード4と初期に登場してからロビくんだけが例外でアザラシ。家に写真が額縁で飾ってあったりするほどの友人。他にペンギン以外の友人はいない。

ピングーの一番の仲良しでありながら家族も住んでる所も謎。
ついに40周年記念のファンブック、Enjoy! Pinguでも「住む場所や家族のことはピングーも知らない」と明言されていました。
少しミステリアスなところも魅力でしょうか。

日本発祥の作品だったら間違いなくロビを掘り下げたエピソードロビが展開されていただろうなと思います。

調べ方が良くなかったのか、ロビくん登場回のまとめが見つからなかったので視聴ついでにまとめました。頭をからっぽにしすぎて漏れてるかも知れないので参考程度に。

シーズン-話数で表記
例)1-4、ピングーの魚釣り
この場合シーズン1のエピソード4を指します。


ロビの登場回
1-4、ピングーの魚釣り
1-7、ピングーの雪合戦
1-9、ピングーの魚でテニス
1-10、ピングーのケガ
1-11、ピングーのアイスホッケー
1-20、ピングーの学校
1-22、ピングーのサーカス

2-4、ピングーのアイスサーフィン
2-6、ピングーのカーリング
2-8、ピングーのつららで音楽
2-11、ピングーとカメラ
2-15、ピングーとバースデー
2-18、ピングーのボーリング
2-23、ピンガの幼稚園
2-26、ピングーの雪だるま

3-2、ピングーの美術館見学
3-6 、ピングーは芸術家
3-7、ピングーの洗濯物
3-8 、ピングーとおかあさん鳥
3-9 、ママのおしおき
3-18、ピングーと大きな魚
3-20、ピングーと宝くじ 
3-24、ピングーの見つけもの

4-1、ピングーのかくれんぼ
4-6、ピングーの雪かき
4-18、ピングーとタワー
4-24、ピングーの優勝カップ

5-4、ピンガのたいせつなもの
5-6、ピングー空をとぶ 
5-9、ピングーはスノーボーダー
5-11、ピングーのキャンプ
5-12、ピンガのしゃっくり
5-14、ピングーの氷のコンテスト
5-17、ママの編み機
5-22、ピングーの曲芸
5-25、おさわがせピングー

6-1、ピングーとホース
6-4、ピングーとごみ
6-13、ピングーは飼育係
6-16、ピングーと魔法の笛

この中からオススメを5つ選びました。

1-4、「ピングーの魚つり」
ロビとはじめての出会い。粘土ならではの温かさ、しなやかさとテンポ感が◎たまに見たくなる。

1-11、「ピングーのアイスホッケー」
試合の勝ち負けより大事なものがあったみたいです。

2-11、「ピングーとカメラ」
写真撮るときに伸びるピングーがかわいい。

4-18、「ピングーとタワー」
本に載っていた塔を見て同じものをつくろうとするみたいです。

6-4、「ピングーとごみ」
社会風刺の思想が強い珍しい回。

今年10月のことです。
ピングーのモデルとなっているコウテイペンギンがアメリカ内務省傘下で野生生物の保護管理を担当する魚類野生生物局(FWS)によって絶滅危惧種に指定したと発表がありました。

「気候変動がこのまま継続した場合、コウテイペンギンの群れは2100年までに98%が消滅し、個体数は99%減少する」という研究結果も報告されました。

そういった現実も含めて今回ピングーを紹介させていただきました。

あなたなりのピングーを見つけてもらえたら僕は嬉しいです。

今度こそこれで終わります。

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