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M八七 / 米津玄師 のMV撮影方法の分析

 このMVでは、シュルレアリスティックな世界を映した短いカットが続いていきます。どこで・どのように撮影を行っているのでしょうか。カットごとに調べてみました。

撮影場所まとめ

Google マイマップでまとめてみました。聖地巡礼にご活用ください。不法侵入はダメですよ。

著作権について

 主に引用の形でスクリーンショット等を使わせていただきました。詳細については、ページ最下部に記載しましたのでお読みいただけると幸いです。


~0:35 大手町のビル

公式MVより。前半の背景ボケが綺麗、どんなレンズ使ってるんでしょうか

 コンクリート的な構造物の角に座る米津さんを中心に、カメラがだんだんと後ろに下がり背景を写します。

撮影方法

 グリーンバック等で構造物に座る米津さんを撮影し、別撮りした背景と重ね合わせていると思われます。

撮影場所

 米津さんの左側に特徴的な鉄塔が見えます。あれは東京消防庁本部庁舎の屋上に建てられているものです。
 このことと、画角を踏まえた背景のビルを勘案すると、毎日新聞本社の入る「パレスサイドビル」の屋上から撮影していると考えられます。皇居の北側、東西線竹橋駅の向かいに位置しています。

地図データ @2024 Google
Google マップ Web版よりスクリーンショット
同じ場所からの景色。Google Earth Studioにて作成


0:35 コンクリートの壁

公式MVより。

撮影方法

 左側から日光or照明が当たった状態で影だけを撮影しているようです。

撮影場所

 情報量が少ないため断定はできませんが、ロケ地の傾向からして武蔵美ではないかと思います。


0:36 たなびく白い布

公式MVより。

撮影方法

 縦構図で撮影した映像を、左側に90度回転させたものと思われます。
(本来は左側が上)

撮影場所

 背景に映っているのは、先程のシーンでも出てきたパレスサイドビルの白い構造物の壁面だと思われます。


0:41 ビル群の空撮

公式MVより。とても非現実的な映像に見えます。

撮影方法

 ヘリ等で上空から望遠レンズを用いて空撮した映像を、右に90度回して使っているようです。
 ビルの高さによる飛行可能高度との兼ね合いで、上空550m~の高さで、35mm判換算で600mm前後の望遠レンズで撮影しているようです。

撮影場所

 このカットとその前後をよく見てみると、画面奥側には森のような場所が見えます。東京都心で森があるところは少ないため、この条件でかなり数を絞ることができます。
 また、後述の理由で、このMVは夕方に撮影されたものだとわかります。
西に夕日が沈んでいると考えると、ビルの屋上の太陽光パネルが夕日を反射しているため、(大まかにではありますが)奥側が西であると推測できます。

 西側に森・手前側がビルという条件で探すと、東京駅南側から皇居を見た景色がピッタリマッチしました。

Google Earth Studioにて作成。90度右に回転させました。

 中央のヘリポートがあるビル(丸の内北口ビルディング)からは直線距離で2.5km~3kmほど離れた地点から撮影しているようです。


0:43 清水建設周辺と首都高

公式MVより。この色味めっちゃ好きです。

 ゆっくりとカメラが動いていきます。

撮影方法

 ヘリコプターからの空撮と思われます。他のカットよりは広角になっています。

撮影場所

画像 @2024 Google、画像 @2024 Airbus、Maxar Technologies、
地図データ @2024 Google
Google Earth Web版よりスクリーンショット

 東京駅の東側(八重洲口方向)の少し東側にある、首都高速都心環状線の上空のようです。
 MV内の映像を拡大すると、路面に「出口」とありますが、これはこの先にある京橋JCTのための標識です。画面右下のヘリポートのあるビルは、清水建設本社ビルです。


0:44 ガスタンク群

公式MVより。

撮影方法

 空撮のようです。

撮影場所

 丸善石油科学の千葉工場です。

画像 @2024 Google、地図データ @2024 Google
Google Earth Web版よりスクリーンショット

 この周辺にはガスタンクが多くありますが、MVに使われているのは
35°32'08.0"N 140°03'20.6"Eのあたり。カットの後半に出てくる船と船着き場は、もちろん民間用ではなく工場の業務用のもののようです。


0:55 武蔵美10号館

公式MVより。

 言わずとしれた有名な建造物、武蔵美10号館。

撮影方法

 縦構図で撮影し、あとから人物と照明の部分を合成したと思われます。

撮影場所

 武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス 10号館です。


0:58 丸の内センタービル(の壁)

公式MVより。

 ビルの壁に横向きに座る米津さん。

撮影方法

 ビル壁面を下から望遠レンズを用いて撮影し、同じパースでグリーンバック等で座っている米津さんを撮影し合成したものと思われます。

撮影場所

 丸の内センタービルです。

画像 @2024 Google、地図データ @2024 Google
Google Earth Web版よりスクリーンショット


1:14 工業地帯

公式MVより。

 パイプが多く通る工業地帯の空撮。

撮影方法

 上空からの空撮のようです。

撮影場所

 出光興産 千葉事業所です。

画像 @2024 Google、地図データ @2024 Google
Google Earth Web版よりスクリーンショット

 ちなみに、先程登場した丸善石油化学のガスタンク群からは直線距離で6kmほどです。

1:15 ビル群

公式MVより。

撮影方法

 空撮のようです。

撮影場所

 中心に大きく映るビルはホテルメトロポリタン丸の内です。

Google Earth Studio上での再現

ちなみに、Google Earth上でこのカットを再現してみると、(大雑把ですが)

  • 焦点距離は35mm判換算で約950mm前後

  • 撮影場所はおそらくこのあたりの上空

  • 撮影高度はおそらく510m前後

と算出できます。

1:18 武蔵美

公式MVより。

撮影方法

 普通のカメラで撮影されているようです。50-100mmぐらいですかね?

撮影場所

 武蔵野美術大学 鷹の台キャンパスです。


1:19 ビルの屋根の上①

公式MVより。

撮影方法

 ビルの真横を走る道路で、カメラを乗せた車を走らせたんじゃないかという気がします。

撮影場所

 新宿住友ビル(通称三角ビル)です。

画像 @2024 Google、地図データ @2024 Google
Google Earth Web版よりスクリーンショット


1:21 屋上テラスから見下ろす米津玄師

公式MVより。

 強そう

撮影方法

 通常と変わらない普通のカメラのようです。

撮影場所

 新丸ビルです。

画像 @2024 Google、地図データ @2024 Google
Google Earth Web版よりスクリーンショット


1:21 さかさまビル群

公式MVより。

撮影方法

 先ほどと同じように、空撮で撮影しているようです。ドリーズームアウトが用いられています。

撮影場所

上の画像を回してみます。(上下反転ではなく180度回転でした。)

建物などから考えると、

  • 焦点距離は35mm判換算で約950mm前後

  • 撮影場所はおそらくこのあたりの上空 となります。

Google Earth Studioで再現


1:24 武蔵美10号館②

公式MVより。

撮影方法

 逆さまで撮影し、米津さん部分を合成したようです。35mm判カメラで約20mm前後でしょうか?

撮影場所

 武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス 10号館です。


2:07 パレスサイドビルの円柱

公式MVより。

撮影方法

 足元を写さないようにし普通のカメラで撮影されているようです。

撮影場所

毎日新聞本社の入る「パレスサイドビル」の屋上で撮影しているようです。

ちなみに、1.の「大手町のビル」カットはここから丸の内方面にカメラを向けて撮影されています。


2:11 武蔵美③

公式MVより。

撮影方法

 普通のカメラで撮影されているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。


2:13 武蔵美?④

公式MVより。

撮影方法

 普通のカメラで撮影し合成を行っているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。


2:26 東京タワー

公式MVより。

撮影方法

 普通のカメラで撮影されているようです。20mm前後でしょうか。その上に米津さんを合成しているようです。

撮影場所

 東京タワーです。


2:28 武蔵美⑤

公式MVより。

撮影方法

 普通のカメラで撮影されているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。


2:28 武蔵美⑥

公式MVより。

撮影方法

 普通のカメラで撮影されているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。


2:36 有明上空の夕日

公式MVより。

撮影方法

 空撮されています。ドリーズームアウトが使われています。

撮影場所

Google Earth Studioにて作成


2:41 右上から光が差す

公式MVより。

撮影方法

 通常のカメラで撮影されているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。画面右奥の白い照明が特徴的です。


3:02 森の中を歩く

公式MVより。

撮影方法

 通常のカメラで撮影されているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。

 

3:03 見上げる米津玄師

公式MVより。

撮影方法

 通常のカメラで上から撮影されているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。


3:04 有明上空の夕日+飛行機

公式MVより。

撮影方法

 空撮されています。ドリーズームアウトが使われています。

撮影場所

 飛行機が飛んでいます。これをCGでなく実際に飛んでいたとすると、新宿・池袋上空を飛んでいるようです。
これはつまり、羽田空港への新空路上を飛んでいると考えられます。

国土交通省HPより。

羽田新空路は、運用に条件があります。

年間約4割吹くとされている南風時は、15時~19時のうちの約3時間程度運用しております。

国土交通省「羽田空港のこれから

つまり、撮影は15~19時に行われた、と考えることができます。


3:40 屋根の上

公式MVより。

撮影方法

 通常のカメラで撮影されているようです。

撮影場所

 武蔵美のようです。


3:43 ビル群

公式MVより。

撮影方法

 空撮のようです。

撮影場所

 大まかではありますが、有明・東雲上空から撮影されているようです。

Google Earth Studioにて作成

左に映る赤いタワーは東京タワー、そのすぐ右側にある建設中のビルは麻布台ヒルズ(2023年6月竣工)、右奥にシルエットで映る尖った建物はNTTドコモ代々木ビルです。

ちなみに、NTT代々木ビルは、首都高速4号新宿線の上り方面の代々木PA手前から見ることができます。格好良いですよね。


あとがき

お読みいただきありがとうございました。僕はやはりこのMVが好きです。

ほぼすべてのシーンの場所を特定したのでめちゃ疲れました。丸二日ぐらいで一気に調べて書いています。最後の浮いているシーンがどこ撮影なのかわからなかったのが心残りです…。

これは 1日中目を皿にして探したのに 自分では見つけられなかったカットを
知り合いが一瞬で見つけてきたときのDM


著作権について

この記事では、主に次の3つの著作物を引用しています。

①米津玄師氏「M八七」ミュージックビデオ (公式YouTubeより)
②Google社「Google マップ」
③Google社「Google Earth」・「Google Earth Studio」

①の引用については、著作権法を素人なりに読んだ結果、

a.「公表された著作物」であること
b.「引用」であること
c.「公正な慣行に合致する」こと、また「報道、批評、研究その他の引用の
 目的上正当な範囲内で行なわれる」
こと
d.「著作物の出所を明示する」こと(出典の明示
e.引用したものを改変しないこと

と解釈しました。そして、
・aはMVとして公表されているため○、
・bは引用部分が分かるようにすること、引用の主従関係に気を配ること(引用が主とならないように)を満たしているので○、
・cは批評の範囲内であると考え○、
・dは明示しているので○、
・eは改変していないので○、と考えました。

著作権侵害の疑いがある場合などはご連絡ください。速やかに公開を取り下げさせていただきます。

ご連絡は、X(旧Twitter)のDM等でお知らせいただけると助かります。何卒よろしくお願い申し上げます。

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