将星決定戦敗戦記③
皆さんこんにちは。競技マージャンのプロ団体「麻将連合」所属の岩瀨航です。今回の記事は先日行われた将星決定戦の対局を振り返る備忘録代わりの簡易自戦記③です。
面白おかしく書いてある観戦記とは異なり岩瀨のメモ代わりのものですのでクオリティーはお察しくださいませ。
とりあげた各場面にご意見等頂戴出来ましたら幸いです。お時間がある方はぜひ①②も合わせてご覧くださいませ。
3回戦のテーマとして川崎のトップだけは絶対にダメ。4回戦を現実的な差でむかえるためにもこれだけは必須と考えていました。
正直にいえば2回戦を終えて約30pt差なのでこの3回戦を川崎よりも着が上で終われればだいたい20pt差以内で最終半荘をむかえることになるので普通に戦えるなと考えていて、さほどあせってはいませんでした。
東1局ドラ八
大きな加点だけはさせたくない川崎の親。
梅村が平和をヤミテンにして川崎から1000点。
東2局ドラ發
親で平和を立直してツモって1300all。
東2局その2ドラ南
9巡目に役無しカン⑥待ち聴牌、立直はせず。
13巡目に両面聴牌となったところで立直。
立直をかけるか微妙な巡目ではあったが負けている側ということで強気に立直を選択するも結果はよりによって川崎の1000.2000。
私の親立直に②を押した後手出しで發發とまわった後でのツモあがり。開けられた手牌を見た時は2巡でドラ2枚ツモってのあがりかー、良いなーと思って眺めておりましたが見返すとドラドラからの押し→まわってツモでした。川崎らしいあがりでした。
東3局ドラ②
梅村、川崎が仕掛け、親の松山も初牌の東を手出ししてくる煮詰まり方に対して自分は役牌暗刻の一向聴とはいえ愚形揃いのため仕掛けている梅村と親の松山に通りそうな二で受け入れを狭めて5を一旦我慢。その間に松山→梅村の1000点の横移動。放送を見返すと川崎がドラ暗刻の58待ち聴牌。危ない危ない。
それにしても3局連続の川崎のドラドラ以上は羨ましいかぎりだか、それ以上にドラがない手牌でもしっかりあがりに向かって他家に楽をさせない梅村、親番で聴牌を組んでいたが立直を自重していた松山に拍手。良い局だったなと思います。
東4局ドラ①
梅村が親で立直をかけるも流局。
東4局その2ドラ七
梅村の親立直に川崎が押し返し3900点の放銃。
梅村、松山、岩瀨大歓喜。
東4局その3ドラ1
この手牌から②をポンして対々和の一向聴へ。
希望をいえば1か6から仕掛けたかったがそれはそれ。筒子の混一色っぽい川崎からの八や6が捨てられやすいのも少しだけ期待してポンしてみたがこういうのをμリーグの先輩に尋ねると「鳴いても良いけど俺は鳴かないかなー」の返事が帰ってくることが8割くらいの感覚なのだがはてさて。うーむ。
この後親梅村の立直を受けてオリられないので押さざるを得なくなっている内に聴牌。
出て満貫、ツモって跳満ならばと滅多にやらないフルゼンツだと腹を括るも結果は松山の500.1000。
南1局ドラ四
絶対に加点させたくない川崎の親番。
トータルスコアで有利な立場の川崎としてはこの点数なら無理してまで押し返してあがりには来ないだろう、逆にリスクに見合う手牌なら優勝のために早めにリスクを承知で押してくることもあるだろうと考えていた。
欲を言えば2000.3900ぐらいの点数を被せたいが、川崎の下家なので川崎の手牌進行に制限をかけられればそれはそれでよしとする。
もしもプレッシャーをかけても川崎がそれでも押してきた場合には相応の手牌が入っていそうなのでこちらとしては全力であがりを阻止せねばならない。配牌は以下のとおり。
満貫クラスなら萬子の一気通貫か789の三色同順、立直ツモドラ2だろうか。親川崎への牽制込みなら789の三色か。
3巡目で手牌はご覧の通り789三色の二向聴。
そもそもこの点差では川崎ばかりを気にしてもいられない。
自分があがる=他家のあがりを阻止することになるためこの僅差の点棒状況ではあがり自体の価値が高い。
リスクを回避する余裕がある川崎と違って私にはあまり余裕がない。
ということで4巡目の8をチーしてみたがこの判断はどうだったのだろうか。
あがれても2000点、受け入れはカンチャン2種の一向聴。川崎が押してきた場合は決定打阻止のために退くに退けない。
なるべく門前ですすめて打点を意識した方が良かったのだろうか。有識者の皆様ご意見求む。
結果は松山、梅村に追い付かれたもののなんとか500.1000のツモあがり。
南2局ドラ四
この決定戦の敗着になったかもしれないのがこの親番。南北一⑧の対子+順子。
ポポロンなら2900or3900。
一手遅れにはなるが混色なら5800~の手牌。
七対子の二向聴でもあるがそれなら七対子の一向聴になっても対子が鳴きやすい優秀なものばかりなのでポンして対々和ルートにするつもりであった。
混一色になったときのために379の順で索子を捨てて色をぼかしながら進める。
南ポン→北ポンで打中としたがこの巡目なら1500or2000の聴牌ではもったいない。打⑧で聴牌とらずから混一色に向かう方が良かった。
次巡ツモ⑦で待ち変えしたが、前巡打⑧としていたとしてもさらにとらずでも良かった。
⑥⑨があがれぬままの10巡目にツモ七。
そのときはツモ一or六ならはずそうと考えていたがツモってきたのは七。再度聴牌をはずすこともちらっと考えたがツモ切ると次巡のツモが八。下家でドラ1の聴牌をしていた松山が九をツモ切り。
結果論やもしれないが11600点のあがり逃しとなった。勿論私の打⑦⑧で松山が九を捨てないこともあるやもしれないが、この手牌を高得点のチャンスと見れずに進行にしてしまったことが大きな反省点となった。結果は⑥ツモの500all。
南2局その2ドラ七
9巡目にドラのペン七待ち聴牌。
2000allをつもれるととても嬉しいが1000点供託する程の価値があるのか。
流局した場合は手牌を伏せて親を流したい。
片寄った捨て牌の子がいない局だけに押し返されるとよわいのではないか。
上記のような理由から立直をかけず。この判断も弱気だっただろうか。
この局は川崎が役無しのドラ2をツモあがり1000.2000という最悪の部類の結果となった。
南3局ドラ⑤
結果を言えば川崎が松山に12000点を放銃。
私も危なかったかもしれないが、川崎が点差の離れたラス目となったこと、素点を大きく失ったことでトータルスコアはほぼ横並びとなったという私にとってはとてもラッキーな横移動。
この半荘で松山を再逆転できれば最高。
同時にトータルがほぼ並びの梅村よりも上の着順でこの3回戦を終わること、順位点と素点を失った川崎を復活させないことを強く意識した。
南3局その2ドラ一
梅村が②をカンチャンでチー、次巡私が2枚目の發を捨てたことで役牌は全滅。南家の梅村が2巡目にダブ南となる南を捨てていることから手牌にやる気はありそう。但し一色手ではなさそうなのでチャンタ系、三色、一通のいずれか。ドラは一だが複数なくとも打点が高いことがあり得るので要警戒。私の手牌は魅力がないため一向聴で撤退、流局を期待していたところ聴牌した川崎が梅村に放銃。三色ドラの2000点。
南4局ドラ⑨
トップ目松山とは7800点差
3着目梅村とは300点差
4着目川崎とは15100点差
川崎への7700点放銃だけは絶対に許されない、梅村が松山をまくってトップとなるのは嬉しくないが、梅村とは1着順差のままなら4回戦での条件はほぼないようなものなのでよしとする。
そんなことを考えてながら打②で三色、純チャンを目指してツモが良ければあわよくばトップまでと考えていたはずなのに何故か打1…。ギレン閣下もカスと断言するであろう酷い選択である。自戒の為にあえて記す。手拍子の第1打、ダメ絶対。
その後は川崎、梅村、松山3者の空中戦を眺めつつ放銃だけを避ける。
結果は高め116の混一色を聴牌した梅村が川崎に1000点の放銃。このあがりで3回戦が終了。
全員に優勝のチャンスがある接戦の最終半荘をむかえることとなった。④へ続く。
画像引用:Ⓒ株式会社スリーアローズコミュニケーションズ
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