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【ショートショート】#67 王様ゲーム

仕事終わりに居酒屋で一杯飲むことにした。
最寄駅近くにあるチェーン店に入ると
遅い時間にも関わらず混んでいた。


カウンターに案内され、静かに一人で飲もうと
メニューを見ていたら、近くのテーブル席から
大きな声が聞こえてきた。


「王様ゲーム!!」


声がした方に目をやると、大学生くらいの年齢だろうか
男女8人の合コンと思わしきグループが騒いでいる。


最悪だ。せっかくゆっくり飲もうと思っていたのに
治安の悪いゲームが開始されてしまう。
仕方ない。文字通り一杯だけ飲んですぐ出よう。


聞き耳を立てずとも聞こえる大きな声でゲームが進む。
早く終わってくれと願いながらも見てしまう。


「王様だーれだ!」
リーダーらしき男が呼びかけると2人手を挙げた。


「A君は嘘をついています。私が王様です。」
「いえ、嘘をついているのはBさんです。
 僕が王様です。」
「それでは執事役の人は王様だと思う方に
使えてください」


いや、ちゃんとゲーム性あるんかい。

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渡々
物書きになりたいという夢を叶えます