#97 こっち側へ来いよ【書評】新規事業の実践論
◾️はじめに
第1週は人。新年一発目ではありますが淡々と。
やるべきことをやっていこうと思います。(宇宙兄弟の)ビンスさんのように。
◾️要約
顧客と仮説をやりとりしWillを形成し、創業メンバーを適切に選ぶ。そしたら成長へのステージを上がっていくだけ。各ステージには次のステージへの昇格基準があるので、経営陣も焦らずしっかり見極めて組織にプロセスとして根付くようにする。そうすれば企業内でイノベーションが生まれ続ける。
◾️感想
実践編が食べチョクの方だと思っている。
社内起業ではないが、willの形成とあくなきインタビューからの改善をしているから。プロセスは大切だが、その根本のWILLの形成、強さが最も大切だと思う。
〇〇しなきゃ死んじゃう、とまで思えることに出会うか、否か。
今の仕事でもいい。そう思ってしまえということだと思う。
著者の方の話を伺ったことがあるが自信に満ち溢れていた。こっち側(何かを変えて実践できる側)に来たら楽しい、充実しているぞ、と言っているようだった。
◾️要約(詳細)
◆第1章 日本人は起業より社内起業が向いている
日本の労働者は手厚く守られており、優秀な社員は辞めてまで起業しようと思わない。
ならコーポレートベンチャーキャピタルやオープンイノベーション、スタートアップアクセラレーションプログラムといった外と組むことに投資するより優秀な社員が新規事業を開拓できるよう投資した方がいい。
社会を大きく変えることが大企業ならできるから。
※確かにオープンイノベーションとか大企業側の人は(皆がそうではないと思うが)スタートアップのアイデア受けてやると思ってしまい、自らが変える主体にはなりにくいのかも。
◆第2章 社内起業家へと覚醒するWILL(意志)のつくり方
誰でもゲンバとホンバを往復することで社内起業家として覚醒できる。
往復して感じたことを誰かに話し、約束をする。
これだけでいい。
※人に言っちゃいましょう。そこからはじまる。
◆第3章 最初にして最大の課題「創業メンバーの選び方」
創業メンバーは重要だ。
正解はないが王道はある。
人数は三人程度、役割は外部に委託できないものを分担して担うこと。
何が外部に委託できるのか、してはならないのかそれを決める。
これは創業リーダーでしかできない。
◆第4章 立ち上げ期に必ず知るべき新規事業6つのステージ
ENTRY / MVP / SEED / ALPHA / BETA / EXIT
の六つのステージを経て新規事業は成長していく。
それを認識して、必要なサポートをしていく。
◆第5章 新規事業の立ち上げ方ENTRY 期 〜 MVP期
この時期は顧客に仮説をぶつけることを繰り返す。その中で仮説は変わっていくもの。300回を目標に。
会うべき顧客 ヒアリング先をみつけ、アポイントをとり、実際に事実のみを聞くスキルも必要。
さらにMVPの6レベルも意識していかに早く回すかに注力する。
◆第6章 新規事業の立ち上げ期(SEED期)
Primary Customer が世界にたった一人いるはず。そのために走り抜く。
◆第7章 社内会議という魔物を攻略する
今この会議で決議した案件を上司に説明できるか、で考えるので重箱の隅をつつくことになる。そのために準備は万全に。
数値ロジック
顧客の生の声
リスクシナリオと撤退ライン
関連諸法規の提示
社内キーマン、社外権威者のコメント
空気を読んだ戦略図
◆第8章 経営陣がするべきこと、してはいけないこと
社内起業とは個人のWillから始まり大量に顧客と会話をすることを通して生まれる価値創造プロセス。
このプロセスを理解して適切な枠組みで経営陣が受け取って判断することができるようになればきっと連続的なイノベーションが現場から生まれる会社ができる。
そのために権限はなるべく下に落としWillが消えないようにすべき。
◆最終章 社内起業家として生きるということ
社会課題を解決するのは社内起業のほうが影響力も含め独立して起業するより向いている。
後天的に覚醒できる。
キャリアにもマイナスになることなんてない。
◾️アクション
アクションを可視化し、実行する。(何をアクションするかは言いませんw)
◾️読みやすさ
★★
◾️ハッシュタグ
#麻生 要一
#新規事業
#リクルート
#ビジネス書
#SEED期
#霖雨
◾️
「新規事業を立ち上げよう」
「なんで?」
「そうしないと世の中の変化についていけないから。」
「ついていかないとどうなるの?このままがいいんだけど」
「会社組織であれば変わらないとその組織は衰退していく。変わっていく環境に対して提供するものが変わらないと乖離が大きくなるから。結果として従業員を確保できないかもしれない」
「(今の会社に居続けたいと考えているので居れなくなる状況になるということは)困るな。だけど変わるのは大変だ」
「そうだよね。居続けたいと思うこと自体は悪いことじゃない。だけど、その組織は変わっていく必要があり、自分自身もなんらかの変化に対応しないといけない。」
「そうなのか、大変だな」
「だけど今やっている仕事でこうしたらいいのに、とかこういうサービスを提供したらどうか、とかは思ったりするでしょ」
「それはね。けど実行まではなかなか」
「なるほど。まずはそれを実行に移そう。自分で何かを変えていくのはきっと楽しいから。」
「楽しい?」
「うん、楽しんでやれないと大変だ、とばかり思ってしまうよね」
「難しいな。やってみるけど」
「うん、そして何かを変えることが楽しくなると、次は新しいことがしたくなると思う。」
「その範囲を大きくしたくなり、それは何かの改善ではなく新しいことだということ?」
「その通り」
「うーん、そんな風になるかわからないけど、まあ聞こうか」
「新しいことのやり方は大きく二つ。自分で独立して新しいことで起業するか、社内起業するか」
「業を起こすわけであり、社内でやるか外でやるか、ということね」
「うん。で日本人の特性を考えると社内の方があっている、まずは社内からはじめてみよう、というのがこの本。」
「ふーん」
「社内でやるにしてもプロセスやポイントがあって、事業の状態によって”期”があるのでそれを考えながらやっていきましょうと。マネジメントもそれを把握しながらやりましょうと。卵の状態で突いて壊してしまうのは簡単だとそれで”新しい事業が生まれないなぁ”はないでしょと」
「ふーん。新しいことと言っても周りの理解がないとうまくいかないんだね」
「何事でもそうだけど、原理原則は必要だよね。」
「まあね」
「その原理原則みたいなものが新規事業についてはおざなり[どんなものであれビジネスコンテストなどの形式的なもの]になっていると言っているんだと思う。」
「ダメなの、ビジコンだと」
「その企画がどの段階であるのかを理解した上でならいいんだと思うけど。まだ出す段階でないものや、もうすでに動いてて別の手段で資金を獲得すべきものがビジネスコンテストにより必要なことに時間を取れなくなる、や落選により自信喪失してしまうことはあるのかもね。」
「ふーん。物事にはタイミングがあるということか。」
「そうだね」
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