【自然分娩・初産】出産のはなし(2)
前回のつづき。
渋られたものの、20時に産院へ行くことが決まった。
出産のためのエネルギーを蓄えるために、痛過ぎて食欲はなかったけど、何とかご飯だけ食べた(と言っても、ほんとにご飯オンリー。ふりかけかけただけ。)。
電話では、一度帰宅することになるだろうと言われていたので、入院の荷物は置いて行き、飲み物とか最低限のものを持って産院へ向かった。
ちなみにこの時は徒歩だ。
5分程度の距離だが、一応歩けた。
産院へ着くと、もう時間外なので、外来スペースは誰もおらず薄暗い。
インターホンを押すと、警備員のおじいちゃんが入口を開けてくれた。
そのまま、荷物を持ってくれて、助産師さんのいるところへ案内された。
医者はおらず、助産師さんと私の2人だけだった。
診察台に上がり、モニターを装着された。その頃には、3分間隔で痛みがきていた。
えぇっ!やっぱ病院きて正解だったじゃん!
と突っ込む元気ももはやないくらい、痛い。
とりあえず、LINEで夫に入院のための荷物を持ってきてもらう。
私はそのまま陣痛室へ。
コロナ禍で、産院では付き添いはNGだった。
助産師さんは色々と準備があるそうで、陣痛室は私ひとり。
最初は家族にLINEをして状況を伝える気力くらいはあったものの、もう持参した鞄から、飲み物やリップクリームを取り出すエネルギーはなかった。
(ちなみに口呼吸になると、唇が乾燥するので、持参をおすすめ。そして取り出しやすい場所に入れておくことが大事だと学んだ笑)
そして、痛みからくる吐き気。
陣痛室の隣にあるトイレで、夕飯を全て吐いた。
痛みはどんどん増していく。
狭い部屋に私ひとり。人の気配もない。
呼吸法だけを意識。
もうLINEすらする気力は起きない。
しばらく経って、助産師さんが様子を見にくる。
陣痛間隔がとても短くて、とにかく痛い。
痛みがきている時に、腰をさすってもらったりしたものの、助産師さんもワンオペのためずっとはいられず、基本ひとり。
段々痛みで視界がぼやけてきて、汗が止まらない。
そして、呼吸が苦しく、手が痺れてきた。
幸い、いきみたいという間隔は陣痛室にいる間のほんの最後の方だけで済んだ。
多分23時半とかだったと思う。
その頃には流石に助産師さんが隣にいてくれた。
そして子宮口の開き具合を確認してもらい、陣痛室から分娩室へ移ることに。
ちなみにその時点では、1分間隔で激しい痛みが続き(というかほぼ痛い)、痛みのストレスで片耳が聞こえなくなっていた。
陣痛室はすぐ隣の部屋だったのに、ずいぶん遠く感じた。
分娩台へ移動してからは早かった。
いきみ方のポイント的なことは、本やインターネットで予めリサーチしていた。
(私の場合は、思ったより助産師さんからのアドバイスがなかったので、事前に確認をしていてよかった。)
助産師さんの指示に合わせて、深呼吸して息を止めていきむ。
ひたすらその繰り返し。
途中で破水した。
というか、破水した時の記憶があまりない。
もうそれどころではない。
ところで、この段階くらいでやっともう一人の看護師さんが登場した。
この看護師さんには後半に酸素マスクをつけてもらったことは覚えているが、基本的には助産師さんとわたしだけで9割くらいの時間を過ごしていた。
想像以上のワンオペである。
そして、いよいよ産まれそう!という時に、
「先生早く!」
という声が聞こえたような気がした。
つづく。