嫌われる勇気、読了

高校生の頃、「鷲尾は幸せそうだねー」と言われてた。

実際悩みもなく、よく笑い、よく騒ぎ、よく遅刻し、高校生らしく高校生をしていた。


仮面を被りだしたのは大学生の頃だったか。

高校の頃のような自由な振る舞いをすると、他人がぽかんとしているのに気づいた。

今思うと難しいポジションにいたなと思う。

大学生はグループを作ってなんぼだと今思うのだが、私は地味な姿をした明るいコミュ障だった。

結果的にグループに所属することなく、根無し草のようにその時々で色々な人といた。


「真面目」とよく言われていた気がする(良いことしか覚えてないだけかもしれない)。

論文を書くのが好きだった。

社会学はなんとなく面白そうで選んだ学科だったが、ドハマリした。


「真面目」ではなかったけれど、好きだったので論文は熱量込めて書いた。

図書館に通って本を読んで論文を書く。

興味ない授業はとことんダメだった(筆記だけのやつとかね)けど、論文を書く授業となれば楽しくてしょうがなかった。


青春らしさも無く、友達と呼べるのか分からない知人ベースな人間関係を築き、論文とコンビニのアルバイトに明け暮れた。

コンビニを選んだのは私が高校時代にコンビニの前でアイスやからあげを食べていたからだ。


コンビニのバイトは多い時で週5で働いていた。

断る勇気が無かったのである。

授業のないときはずっと働いていた気がする。


当時の彼氏に「そんなに働いてるわけないだろう」と言われて振られたのが懐かしい。


めんどくさかったのもあるだろうし、嫌われるのが嫌だったのもあるんだろう。

私はよく知らない相手にもノートを貸していたし、返ってこないノートを2時間近く待ったこともある。

利用されてるなーと感じてはいたけれど、見て見ぬ振りをして耐えていた。


耐えていたと表現したのは、「自己満足の努力ですね」と就活の面接で言われてブチギレてしまったからだ。

当時、バイトに加えて研究室のリーダーも任されて、そのうえ就活が重なって精神がギリギリだった。


特に研究室のリーダーは周りのやる気が皆無だったのを「頑張ろうよ!」となぜか私が励まし続けるところからスタートした。

スケジュールを組んで、リマインドして、行動してくれた人は人一倍褒めて、バイトへ行って後輩のフォローをして、先輩の愚痴を聞いて、誰かの代わりで休日がまた出勤日に変わって。


「自己満足の努力」と言われて、見て見ぬ振りして耐えていたものが爆発した。

私はそのとき、就活を辞めた。


何が悪かったのか。

それともこれが正しかったのか。

どうなのだろうと思う。


もう少しワガママに生きるべきだったんじゃないかと、嫌われる勇気を読んで思った。

とはいえ、すぐにそんな人間は変わらない。


だから私はこれから仮面を付けずに過ごせる友達を作るところから始めてみようと、そんなことを決意した。

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