【堀江愛利&澤円 特別対談】シリコンバレーには何があるのか?時間をかけることの価値とは【第四章】By Hito Institute
2019/8/5開催『シリコンバレー発:未来を創るイノベーティブリーダーシップ育成塾とは? 〜 Global Innovative Leadership Program in Silicon Valley 〜』より
Hito Institute (by Women's Startup Lab) について
第一章 「自分が生み出す側になる」のが重要な時代になっている
第二章 正直、起業はおススメしない。だが起業家のマインドセットは持つべき
第三章 自分のワクワク、ビジョンを掘り当てるには?
【会場】 ではお二人に二つ目の質問です。現在は、シリコンバレーより中国の深圳が注目されていますが、お二人は深圳に対して、どう捉えていますか?シリコンバレー以外の地域で、結構イノベーションが起きていると思いますがそれをどう思われますか?
【堀江】 そうですね。グローバル化っていう意味では、シリコンバレーにトップの人たちが集まってくる中、シリコンバレーが好むものと好まないものっていうのがすごく出てくるわけですよね。
シリコンバレーのお金で(投資されるのは)、セクシーなアイディアで、destructiveでスケールできるもの…っていうところなんです。それに当てはまらないテクノロジーってたくさん実はあって、でも社会を変える、あるいはビジネスとして全然profitableではないビジネスのアイディアってたくさんたくさんあります、と。
そういう意味では、シリコンバレーには行くんだけれども、でも実際地方でどんどん自分たちの社会や社会問題、あるいは新しいビジネスを作っていこうということがどんどん言われてまして、中国てちょっといろんな心配事もあるんですけども、私達の立場から言うと、シリコンバレー云々っていうよりは、そこから今度外に向けて、いろんなところか、いろんなアイディアが出てくる。ちょっと前のシリコンバレーでは、「シリコンバレーに来ないと投資しないよ」っていう企業の投資家さんが多かったんですけど、だんだん「もうね~ユニコーンらしきアイディアって、もう出尽くしてるからもっと外に出て新しいアイディアを見ないといけないね」と皆さんがだいぶ思い始めて。外からの起業家を見始めてるっていう動きがすごくあるように思います。
【澤】 だから、あんまり地域的なものっていうのが…何ていうかね、日本から見ると、代表的な場所ってのは目につくから『シリコンバレーvs深圳』みたいな感じになってるのかもしれないんですけど、実際にはイノベーティブな連中が集まっている地域って世界中にあって。
深圳もそうなんですが、例えば、インドのバンガロールとかね。デリーとか。他にも結構いろいろとこにイノベーティブなことばっかり考えてる連中もいるし。
あるいは、例えばイスラエルも物凄いそういった人たちがいるし、エストニアはそういった意味で見ると、人口が100万人ぐらいしかいないあれだけちっちゃい国なのに、そういうアイディアを実現するってことを実際にやっている人たちもたくさんいるし。
実際にはいろんなところにいるんですよね。
ただシリコンバレーっていうのはその中でも代表格であり、やっぱ成功した人たちがすごく多かった印象を築いている。
【堀江】そうですね
【澤】 でも実際にシリコンバレーで働いてる人に聞いたら、「場所という意識は自分は持っていない。これはマインドセットだ」って、やっぱり言い切っていたんですね。
シリコンバレーというマインドセットで、たまたまそのマインドセットを共有する連中がたくさん集まってるのがこのエリアであってて。
場所っていうところに対して、すごく憧れがあって居続けているわけではない…っていう、そういう言い方なんですよね。
で、たまたまそのマインドセットを持ってる人間が、だんだん世界に飛び火をし始めてるっていうところなのかなぁっていうのと、さっき仰ったように、行かないでも投資を受けられたりとか、あるいは別のお財布が使えるようになっていたりとか(笑)。
たまたま世界の株式総額のTop10の中に今2社、(中国から)テンセントとアリババが入ってますんで、そういった中国の中の資本というのがすごく大きくなってきてるんで、「成功しやすくなっている」とか「後押しを受けやすくなっている」というところはあるかな、と思うんですよ。
【堀江】 結構、女性起業家ってところでグローバルなチャンスを見るため、私もヨーロッパとかいろんなところに行ってエストニアの人とかとも全部話をしてるんですけど、全体的にちょっと中国の方で可能性はあるんだけども、ポリシー的な、プライバシーとかそういうところでの不安はすごく多いみたいで…これからそれが大きな課題なのかなと思いますね。
【澤】 やっぱりそれぞれの地域特有の課題というか、問題点というのはやっぱりあるわけで。翻って日本の話をすればね、日本というのはさっき前に出た話で、正解がある前提で物を考える癖つきすぎちゃってるんで。どっかで「正解があるんじゃないか」「正解が落ちてるかもしれない」と思ってシリコンバレーに行ったりとか深圳に行ったりとかしちゃうけど、落ちてないんですよそんなものは。
自分でつくんなきゃいけないので、だからそれを探しに行ってもないんですよ。
まあ、よくあるよね「自分探しの旅」って。なんで旅に出るんだ、と。自分探すんだったら内側を探しなさいよって話なんですよね。だって自分いるんだから。
【堀江】 (笑)
【澤】 よく最近たとえ話で言ってる話があって、宇宙ステーションってあるじゃないですか。
宇宙ステーションって「宇宙に浮かんでて宇宙のことを調べるためにある」って思うでしょ?あれ、どのくらいの高さのところを浮かんでると思います?
これね、地表から300キロなんですよ。意外と近いんですよね。名古屋に行く途中で、新幹線を縦にしたら届くんですよ。
【堀江】 (爆笑)
【澤】 そんなとこなんですよね。意外と地表すれすれくるくる回ってるだけなんですよ。だからこれって宇宙ってほどのもんでもなく、地球の延長線上ぐらいでしかない。でも翻って地球の直径ってどのぐらいあるか?」っていうと、13,000kmあるんですよね。
で、内側って行ったことないんですよね、誰も。
マントルっていうところまでたどり着いた人はいないわけで、内側にもまだいっぱいわかんないことがあるし、今我々がリーチできる宇宙の謎よりも、深海の謎の方が多いって言う学説があるぐらいですからね。
まだまだ地球ですらそうなんで、ましてやその地球の一部である人間だったらもう内側にまだまだ探索しなきゃいけないものがいっぱいあるっていうたとえ話をよくしてます。
よろしかったら皆さんもですね、自分の中探索するの飽きたら、地底に行っていただいて、地底人を探していただけるといいんじゃないかな~
【堀江】 このセッションを終わる前に、澤さん卒業生なので、なんで澤さんみたいな方でも
【澤】 僕みたいな方だと問題あります?笑
【堀江】あはは笑。(澤さんも)プログラムを受け、その中で思ったこと、皆さんに「どうして受けて欲しいか」と思われる澤さんなりのポイントっていうのがあれば。
【澤】 そうですね。参加者として、僕行きましたんで。ちゃんとお金も払ってきましたからね!(笑)これ何が大事かっていうと、まあまあ、日本国内では目立つ存在になりました、と。
いろいろと、いろんな偉い人からから紹介してくれって言ってくださったり、ありがたい話は、ちょっと買いかぶりすぎなんじゃないのっていう思うところもあるんですが、まあそれは置いといて。
「完全にフラットになって会話ができる場」っていうのを強制的に作ってもらえる、っていうのは、これ非常にありがたいんですね。
フラットになるっていうところが、まずシリコンバレーに行くことによって一回いろんなものを断ち切ってそこに集中ができる、という環境を作ってもらう、というのがまず一点。
それからひたすらやるのがね、自分の掘り起こし。
さっき言ったように自分の掘り起こしですんで、それに集中ができる場を提供されるっていうのも、これもすごい素晴らしいこと。
そして、「自分を掘り起こしている状態を茶化される心配が絶対ない」んですよね。
みんなそれに完全にフォーカスしてやることになるんで、なんかねー日本で普段の生活の中でそれをやろうとすると、「何あんた意識高い系?」みたいな感じで茶化されたりとか、あるいはそれそのものに集中させてもらえないような環境があったりとかすると思うんですけど、それしかすることがないっていう環境が提供されるんで。
そうすると、その4日間によって、向こう何年間かっていうのは、本当に何かを信じて行動するきっかけにできるんですね。違う体験ができてるのは僕だけじゃなくて、僕のカミさんもそうなんですけど、カミさんも(僕の)一年前に行ってますので、そこで「あんたは絶対い行ったほうがいい」って、散々言われてたんで。それでね、その男性版プログラムの第一回に声をかけていただいて行けたんですけど。
【堀江】 (笑)
【澤】 そこに集中できるということ。あとは例えばね、それこそお子さんがいたりとかっていう人たちも、とりあえず、「やったことないけれども1週間子供預けてでも行ってみよう」ってやって。でも日本に戻ったら、もうひと皮もふた皮も剥けたりするんで。
その時間を捻出するっていう、まずそのハードルがあって、それをクリアすると得るものってのものすごく大きい。そういったところかなと。
「時間をかける価値がある」っていうのが、一番僕が伝えたいことですよね。
【堀江】わかりました。
(MC) ありがとうございます。では、こちらで特別対談は終わりにします。
グローバルイノベーティブリーダーシップについて語っていただきました。
◆ Hito Institute (by Women's Startup Lab) とは
◆ GILP / Global Innovative Leadership Program (presented by Hito Institute) とは
◆ Women's Startup Lab Headquarters とは
第一章 「自分が生み出す側になる」のが重要な時代になっている
第二章 正直、起業はおススメしない。だが起業家のマインドセットは持つべき
第三章 自分のワクワク、ビジョンを掘り当てるには?