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海外移住者が英語で困らなくなるまでのはなし③

このトピックの最後の記事です。

発音を勉強するときの注意事項

母音を勉強する時には注意点があります。それは一人の先生から習うようにするべきということです。

Waterの発音なんかが有名ですが、母音はアメリカ英語とイギリス英語で音が全然変わってきます。また個人レベルでもバラツキがあります。
(子音にも母音程ではないですがバラツキはあります。)

どの発音が正しい、間違っているということは無いですが、色々な先生から学ぶと軸がぶれてしまうので、原則一人の先生から学ぶべきだと思います。

余談ですが、非ネイティブスピーカーの場合は、このバラツキはその人の母語からの影響を受け、母語や国ごとに傾向がでます。これが所謂、訛りという意味でのアクセントと呼ばれるものですが、自分の中に音に対する軸ができると、この違いを聞き取れるようになります。

例えば、フランス人が英語で話しているのを聞いたら、国籍を聞かなくてもその人がフランス人と分かるようになります。正直フランス人の訛りはかなり特徴的でわかりやすいですが笑、これが中国人でも香港人でもポルトガル人でも、一度その国の人と話した経験があれば、アクセントの傾向からどこの国の人というのが分かるようになります。もちろんアクセントを根拠に断定するのはよくないですが。

Schwaはめちゃ大事!

本題に戻りますが、母音の中には強調するという意味のアクセントと密接な関係にあるSchwa(シュワ)という音があります。日本語では曖昧母音と言い、「ə」という発音記号で表現されます。その名の通り、曖昧に発音する母音となり、日本語で例えるなら、「あぁ」とか「おぉ」とかの、小さい「ぁ」や「ぉ」に相当するかなと思います。

英語ではアクセントとが置かれていない母音の部分はこのSchwaで発音するというルールがあります。

例えば、形容詞のSeparate〔sép(ə)rət〕は、第一音節の「e」にアクセントがくるため、第二、第三音節の「a」はSchwaで発音することになり、カタカナで表すと一般的に日本人が認識している「セパレイト」ではなく「セプルット」のように発音します。

Schwaの部分については、最初はSchwaで発音するというよりは、子音だけで発音して補助的にSchwaの音を入れる、という感覚で理解すると分かりやすいと思います。

実はSeparateは形容詞(名詞)と動詞でアクセントが異なることで有名な単語です。

動詞のSeparate 〔sépərèɪt〕では第一音節と第三音節にアクセントが来て、それぞれ母音を発音し、第二音節はSchwaで発音します。そのため発音は「セプレイト」とのようになります。

横道にそれますが、アメリカのバンドJourneyの往年の名曲「Separate Ways」は、「セパレイト ウェイズ」ではなく、実は「セプルット ウェイズ」ということになります笑


単語のアクセントは一般に名詞、形容詞であれば第一音節、動詞であれば第二音節、もしくは第三音節にくることが多い傾向がありますので、この傾向(ルールではない)とSchwaのルールを覚えると、発音が大きく改善します。

文章にリズムが生まれます

そしてこれが出来るようになると文章にリズムをつけて読むことが出来るようになります。よくSpeakingの練習などで名詞、動詞、目的語などの文章の中で重要な部分を強調して読みましょう!と言われると思いますが、これはSchwaの概念を理解していないと残念ながら意味がありません。

重要な部分はもとから母音をしっかり発音することで強調されており、その他の部分がSchwaで弱く読まれているのです。

下記は簡単な例文ですが、文章の中で働きが大きい単語は母音(赤)、そうでない単語はSchwa(青)になっていると思います。しっかり読む赤の母音と青のSchwaのコントラストで文章にリズムが生まれます。

これをある程度自分で発声して読めるようになると、他人の英語を聞いていてもリズムが聞こえてくるようになります。私の場合は基本的にはこのリズムを聞いていて、全ての単語を正確には聞いていません。
そしてSchwaによって弱く発音される部分は重要な意味を持っていないので、聞き逃しても会話について行けなくなることはありません。

おしまい!

ここまでやると、TOEIC900点なのに英語が話せないよ😫、という悩みは完全に無くなっていると思います!

これまで自分が英語を勉強してきて感じていたことを纏めてみたくて記事にしました。思っていたより長くなってしまいましたが、このシリーズを通しての私からのメッセージは主に2つです😄

1.発音を勉強することは英語力を大きくレベルアップさせます。

2.発音はよく言われるセンスではない。ロジカルに積み上げができる技術です。一音ずつコツコツ身に着けることで、誰でも良い発音を手に入れることができます。

IELTS, TOEFL、TOEIC等である程度のレベルまで来ると、その先へ進むための有効なカリキュラムが見つからなくなり、同じような所をうろうろして、なかなか成長を感じられず、辛くなってしまう時期があるかと思います。

そんな時に勉強のためのヒントとして貰えたら、とても嬉しいです!

〈終わり〉




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