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海外移住者が英語で困らなくなるまでのはなし②

前の投稿からの続き。

具体的に何を勉強する?

で、発音の勉強って何をやるの?ということになると思いますが、私がした勉強方法や考え方をご紹介したいと思います。

基本的には発音記号(Phonetic Symbol) とフォニックス(Phonics)をを勉強します。
(フォニックスとは発音記号とアルファベットの関係性を説明するものです。)

引用元https://line.17qq.com/articles/hncmkpopv.html

これを勉強したときに心掛けていたのは100%正解の音を出せるようにすることではなく、英語には存在しない音を使わないようにすることです。
これは何かというと、日本語の音で英語を話さないようにするということです。

例えば日本語は常に母音と子音が組み合わさっており、子音だけ発音するということはありませんが、英語ではそれは普通のことです。

これは私の持っている変なイメージですが、ダーツで表現すると分かりやすいかな、と勝手に思っています。

英語発音のルールに従ってネイティブスピーカーに近い良い音が出せたら真ん中のブル、ルールには従っているがあまり良い音でなければ得点の低いところ、ルールに従っていない音(日本語の音)の場合は的に当たらなかったといったイメージです。

得点が低くてもそれなりに的に当たっていたらゲームは成立しますよね。
でも殆ど的に当たらなかったらゲームが成立しない(=コミュニケーションが成立しない)。
まずは低得点で良いので的に当てることを意識して、ゲームを成立させることが大切です。

子音から勉強する!


どうやって的に当てる確率を上げるかというと子音(Consonants)から勉強します。

理由は子音の音は息を吐いてこすれる音や、舌や唇で弾ける音で、発音するのが母音に比べ簡単だからです。

例えばSの音だったら上下の前歯を合わせて、その間からスーと息を抜くだけで、もう発音できています。

言葉で説明するのはちょっと難しいですが、映像で見たり、先生などに実演して貰うと簡単にイメージをつかめます。すぐに発音することができるようになると思います。

子音の発音記号は24個ありますが、1週間もあればなんとなく形にできるのではないかなと思います。

母音と子音は別の音!

注意点は母音を一緒に発音しないように気を付けることです。

私は勉強しているときAustriaを正しく発音できないということがありました。その当時の先生から10分間くらい『発音が間違っているよ、私の口の形をよく見て真似して!』と言われ続けました。

写真のような綺麗な先生だったので、そんなこと言われなくても勝手にじろじろ見ていましたが笑、その時は私は何が違うのかなかなか理解できませんでした。


https://www.denofgeek.com/

結論としてはAustriaをAustoriaと発音していたのが問題でした。カタカナのオーストリアに引っ張られてAustoriaと言っていたのですね。

英語の音と日本語の音とは違うということを理解していないと、こんな簡単に思えることでも、なかなか理解できない、伝わらないという良い実例ですね。

子音の発音はイメージが掴みやすく、すぐに発音できるようになるため非常にコストパフォーマンスが高いと思います。

これを理解すると、相手が発する音で、それまで識別できず捉えることができなかった領域が簡単に減ります。また自分が発話するときは今までより簡単に相手に理解して貰えるようになります。

もしネイティブスピーカーの先生に習っているとかであれば、簡単に身に付きますので、ぜひ試してみてください!

母音を学ぶ!


子音が形になったら母音(Vowels)を勉強しますが、ここが難所です。

母音は子音と異なり音のイメージを簡単に掴むことができないので、形にできるまでに結構時間がかかります。私の場合も少なくとも3カ月は掛かったかな、と記憶しています。

母音は8種類の二重母音と言われるものも含めて全部で20種類あります。
日本語は「あいうえお」の5種類しかないので、そもそも数が多いですよね。

下記の音は英語では全て別の音ですが、日本語では全て「あ」として処理される音かなと思います。なので日本語では似たような音に聞こえる、微妙に異なる音を習得するということになりますが、この違いを理解するのが難しい。

子音の場合は 弾く/叩く/擦る といった音なので、実演して貰ったり、映像で見たりすると、どのように音を出しているか簡単に理解できます。

一方で母音はリコーダーを指で押さえる様に、喉/舌/唇 でその音が出る形状を作り、そこに空気を通して音を発生させることにより発音します。
発音している時の喉や舌の形状は見えないため、感覚を掴むまでに時間がかかります。

また母音を練習する時には声質を作る必要があります。英語ではVoice Qualityと言われますが、これは腹式呼吸で喉から出る声のことを指します。

日本語は胸式呼吸で鼻に掛かった音で話すことが多いので、日本人は練習が必要です。

この胸式呼吸の鼻に掛かった音で英語を話すと、特に男性の場合は不快な音になることが多く、格好悪くなることが多いと思います。スネ夫が「ママーー😭」と母親に泣きつくときに出す声のイメージでしょうか笑、Nasalな音と言ったりします。

女性の場合は声が元々高い方で、鼻に掛けて出していてるピッチの高い音でも柔らかいソプラノの音になる方がいるかと思います。このような方の場合は、鼻に掛けて声を出していてもNasal で不快な音にはならず、流暢に聞こえたりもします。ただ胸式呼吸でしか発声できていないと、やはりカタカナ英語になっているのは分かってしまいます。

母音発音の勉強方法

では、、、これを具体的にどうやって勉強するかというと、

人に習います‼‼😂

なんだ‼ 偉そうに講釈を垂れておいて、お前も人に習っただけかよ‼
おいっ‼🤬🤬🤬と思われるかもしれませんが笑、実はここに難しさがあります。

それは、、、これを一人で教えられる先生がほとんど居ないことです。

これはどういう事かというと、日本人が「あ」と発音するとき、口は日本語の「あ」を発音するための形になっていますが、これが日本人の持つ発音の基準点です。声を出すときに無意識に口の形を作る作業をしています。例えば、英語の「æ」を発音する場合は、基準点である日本語の「あ」の形を意識的に変化させていって、「æ」の音がでるポイントを見つけることにより、発音を習得していきます。

これを教えるには、
①正しい日本語の「あ」の音を知っている、また発声の仕方を知っている ②正しい英語の「æ」の音を知っている、また発声の仕方を知っている 
③「あ」と「æ」がどう違うのか、その距離を説明できる
(私はこれを、言語間の音の距離、と勝手に呼んでいます)
という、3つの要素を理解しており、説明できる必要がありますが、こういう先生は殆どいません。

発音はやはりネイティブスピーカーではない日本人から教わるのは理想的ではありません。そもそも文法を教えることをメインでやっていて、発音は教えられない人が多いと思います。
また、その先生の発音が良くても、本当にそれが英語の正解の音かという保証がなく、生徒の方から発音の能力を評価することも難しいからです。

一方でネイティブスピーカーの場合は、日本語を話せる人が少ないと思います。日本語が話せないネイティブスピーカーは日本語と英語の言語間の音の距離についてのコンセプトを理解していないです。
そもそも英語しか話せない場合は単一言語しか話す能力がないということなので、彼ら自身にこの領域の学習の経験がありません。

じゃあ、どうする!?

では、どうすれば⁉😰 となってしまうかと思いますが、私なりの答えは、、、

ハイブリッド型です‼

上の③の言語間の音の距離のコンセプトを日本人の先生に習い、それを自分で理解したうえでネイティブスピーカーの先生と②の英語の正解の音に近づける作業をします。

私の場合は、自分で発音の勉強をしだしたときに、たまたま見つけた発音を教えている日本人の先生の2日間のセミナーに参加してコンセプトを学び、その後、ネイティブスピーカーの先生とそれぞれの音を出せるようになるまで練習しました。

因みに、その時に1人目に教わったネイティブスピーカーは、あまりにも頼んだことをやってくれなかったので、クビにしました笑。

ネイティブスピーカーの中には母国語である英語でペラペラ話しているだけで金になると思って教師業をやっている不届き者もいるので注意が必要です。

これを実践していけば、TOEICやIELTSでは点が取れるのに英語が話せない😢という状況は必ず脱出できます!

それにも関わらず、(少なくとも私が勉強した当時は)メジャーな勉強方法になっていないのは、教える側の、教えられる人材がいないからマネタイズできない、という痛い領域だからかなと思います。

IELTSとかTOEFLで留学できるくらいのスコアを持っている生徒は、日本人から習うのを卒業しネイティブスピーカーが教えている英語学校に行くことが多いと思いますが、学校側は(教師が対応できる)ネイティブはこう表現する!みたいな細かい領域を教えて、もっとネイティブに近づこう!みたいなことを言っていたりします。

それを趣味でやる分には良いと思いますが、英語を運用して実践的なコミュニケーションを取れるようになりたい、という多くの生徒が持つ普遍的なニーズには応えていないと思います。

〈最後まで書けなかったので、また次回につづく。〉

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