地方自治体のリアルなお話
先日のこと。
国際交流事業について、ある自治体担当者から相談を受けた。
某国からインターンシップを役所で受け入れることになり、措置された予算が無いので、使えるお金、つまり活用できる国の補助金やスキームが有れば教えて欲しい、という内容。
もともと自治体国際化協会ってとこがJETプログラムってのを運営してて、その中で国際交流員って職種があるんだけれど、そのスキームに載せるのもちょっと難しそうだった。
だから僕のところに相談に来たらしい。ほかに何か有ればってことで。
彼は以前県庁に出向に来ていて、今は役所でインバウンド事業、観光PR、はては公共不動産をどうにかする事業まで担当しているらしい。
観光については、役所がお金出してまちづくり会社をつくってて、それを活用するべく努力しているんだとか。
役所が直接雇用するんじゃなくて、まちづくり会社が雇用する形にすれば色々やりやすいんじゃない?って聞くと、
「いや、まちづくり会社と地元の人たちがあまり上手くいってなくて。役所にお金だしてもらってるくせに、自分たちでやりたい放題やってるって声があって。まちづくり会社が雇用した形になると動きにくくなるんだよ」とのこと。
よくよく聞いてみるとまちづくり会社の方は当初の事業計画だけじゃ収支が厳しいので、色々なイベント企画したり運営したりしてどうにかお金を回そうと必死になってるってことだった。
それって至極健全なことで、当初の計画なんてどんどん変更していいんだし、そもそもお金を稼がないと会社は存続しないんだから、どんどんやればいいんじゃない?役所はもっと応援して、”地元の声”から守ってやればいいんじゃない?
って思ったし彼にも言った。あまり得心がいってないようだったけど。
お金を稼いで地元のために必死に頑張っている”よそ者”を応援しないだけじゃなくて足を引っ張る”地元の方たち”。まあよく聞く構図ではある。
前段の相談の件。結論として-。
使えるような政府の補助金もスキームも無いから、どうにかJETプログラムにを活用するか、もしくはクラウドファンディングである程度活動費を賄うか、検討することになった模様。
役所がクラウドファンディングする事例も無くはないので、実施した県の担当者も紹介した。
そして公共不動産の件。ここからが本題なんだけど。
役所が所有している公共不動産があって長年塩漬けになってるらしく、それを是が非でも売りさばきたいらしい。できれば住宅デベロッパーに買い取ってもらって住宅地にして人が増えて欲しいらしい。
それは虫が良すぎるし住宅デベロッパーなんかに売るよりもっと面白いことやろうよ!とアドバイスした。
実は、うちの県の都市計画課でも、行政が持つ公共不動産について事業者の前でプレゼンしまくるイベントを企画・予定してた。今年の2月に公共R不動産がやる予定だったけど新型肺炎で中止になっちゃったけど。
ちなみに僕は部署も違うし何も絡んでないんだけど。都市計画課のイケてる行政マンがゴリゴリ仕込んだもの。
こんな事例を紹介して、「行政がお金を出して無理やり見かけだけの事業に仕立てるんじゃなくて、所有する公共不動産、公共空間をさらけ出して事業者に有効に活用しまくってもらおうよ、お金の流れも行政から民間じゃなくて、民間から行政になるし、無駄な税金を垂れ流さなくてもいい。変な胡散臭いコンサルタントも入ってくる余地がないよ!」
って彼に説明した。彼もあれこれ担当させられてて大変そうだから、せめてこの遊休不動産の売りさばきだけはこっそりと手放して、この公共空間、公共不動産を有効活用してもらうスキームにのっけちゃえ!ってはっぱをかけた。
彼の心に響いているといいけど。