たよりたよられ、ご近所づきあい、を、オンラインで実感したとき。
8月の実験室
「インクルーシブラボ~オンラインご近所づきあい~」
を開催しました。
効率軸じゃない、接触軸で設計する、ゆるやかなご近所づきあいのような場を、オンラインでできるといいな、と、
テーマ「夏休みのことを話してみよう」と銘打ち、
皆で夏の思い出を共有する場になる予定だったのですが……。
スタート直後、急遽PCの前を離れ次男(2)の世話をしていたら、
長男(5)が駆けてきて、
「ねえ、コップとスプーン持ってきてって言ってる、違うよそれじゃなくて、かか(私のこと)がいつも使ってるような大人のやつ。スプーンも、電車の柄のやつじゃない大人の」
「?」
戻ると、急遽お悩み相談室が始まっていました。
「飲み物をかき混ぜたスプーンを、どこに置けば机が汚れないかな……?」
家で悩んでみんなに訊いてみようと思った、と、参加メンバーから投げかけられた問いに、皆が思い思いに答えていました。
こことここにひっかけてみたら?
耳にかければいいんじゃない?
ふとももにはさむとか?
スプーンでちょっとずつ飲めばいいんじゃない?
場の序盤で、それぞれが同じものを持ち寄り同一の問いにあたった一体感なのか、誰かの困りごとを助けたいという想いが働いたのか、期せずして一気に没入度があがり、前のめりになっていく子どもたち。
その後も、さまざまなお悩みが飛び交います。
「いただきますしても、すぐに食べ始めない」
「折り紙を折るとき、折り目をつけてもずれちゃう」
「人気のTシャツを学校に着て行って注目されちゃったらどうしよう」etcetc
そして、「みんなでUNOをやりたいんだけどどうやったらいいかわからない」というお悩みに喧々諤々。参加メンバーのうち2人がUNOを持っていたので2チームに分かれ、チームで出す札を考える、相手チームが出す札を考えているときは、画面を見ないというルールを決めて、やってみました。
思いのほか、白熱!
途中、相手が出す札を見たくなってしまった長男が、見ていることがバレて、「ズルだ!」と言われまくったのですが、大人たちはそれを止めるでもなく、どうなるかなと見守る雰囲気に。
私は、息子の傾向として「間違えたくない」「いい札を出したい」気持ちから見たのかな、と考え、「ズルはだめだよ!」と無下にいうのもなんだか違うなと思い、「ズルが嫌な人がいるってわかったよね」と声をかけてみたりしました。
当初考えていた形(とはいえそこまではっきりとしたプログラムは組んでいなかったのですが)ではなかったですが、結果として、思いつきがそれぞれの希望をつなぎ、自然とアイデアが創出されて、オンラインでのご近所づきあいのような場にできたように思います。
次の日の夜は、セットにしているおとなリフレクション。場で感じたことや考察を、対話によって深め、気持ちを着地させることができ、この時間なくしては、今までとこれからの発展はないなと思える大事な時間です。
そして、これからのことにも少し触れました。
ニューノーマルがこのまま続くなら、今の「ご近所づきあい」的な会をしばらく継続するとして、インクルーシブということを考えるとそれとは別に、外部に向けたイベントを検討するのもよさそうです。
また、今いるメンバー(子ども達)がインクルーシブされている状態を、新しく入ってくる人たちにも広げていけるようなことができるとよいなとも考えます。
たとえば、自分の友達を誰か一人誘ってこの場に連れてきて、自分の友達が輪の中に入ったときどうするか、をやってみるのもよさそうです。
次月も引き続き実験室を実施していきますが、
これから先、新しい世界でどのように展開していくかも、徐々に考えていきたいと思っています。
(鈴木かおる)