第六の目 ワールドザワールド
「お前らが封印の箱を持ってきたのか、ほめてつかわすぞ」
玉座の彼は、年齢が若いが顔は狡猾そうに見えた。
彼の頭にはぐるりと目がついていた、これが六個あるのだろう
「まぁ大げさな言い回しは面倒だな、普通に話そう」
「まずは箱を渡してくれ」
「この箱を捨てるように言われている」
アイは警戒している
私はアイの腕を掴んで、女神の力の発動に備える
六の目は、「別に私が封印をすれば終わる」
彼は説明をしてくれた。
箱にある角は、王座の争いで倒した敵のもので
これを封印する事で、力を奪える。
地上で保管して、手が届かない状態にしていたが
ガヨクが盗んで売った。
後は私たちの行動を阻止しようと自動的に鬼達が行動を
していた。
「我々は敵対をしたいわけじゃない、その角は極めて強い力を持っている」
「その娘の力で、半分だけ封印されている状態だな」
アイは
「俺たちは女神から箱を奈落へ落とすように言われている」
「この箱を渡すから、地上へ戻してくれ」
六の目は
「それは出来ないな、封印を解いた者と鬼を倒した者は殺す」
私とアイだけでは止められない。
精神が高揚すると同時に万能感があふれる
世界を理解してより上位の空間を把握する。
膨大で広大で無限の世界の自分の位置を確認すると
その周囲の仕組みを理解できた
知識量の多さとそれを並行処理して理解する自分が
多重に存在している、問題を解決すべき処理をどこから
修正するか考える。
「ヒサギしっかりしろ」
私は床に倒れていた、あまりの処理の多さに現実世界では
気を失っていた。
六の目は「なんだ、女神としてまだ力が使えないのか」
にやにやと笑うと玉座から立ち上がる。