SS 醜聞【#スキャンダル】#青ブラ文学部参加作品
「いいからパンツ脱げよ」
暗い眼をした少女の前に不良生徒が数人とり囲んでいる。不良生徒の中には女子生徒もいる、残忍な顔をして少女に詰めよる。誰も居ない準備室に転校生を呼び出した。
「お前が悪いんだからね、Aとつきあわないから」
「Aって誰なの?」
憤怒の形相でAが少女の肩をつかんでゆする。
「俺だよ、俺、俺を知らないのか?」
「転校したばかりなの、ごめんさないね」
「Aに謝りなさいよ」
「もう、謝ったわ、ごめんなさいって」
暗く冷たい眼が、威嚇する不良を見つめる。理不尽な怒りを感じると、動じない少女の頬を叩いた、かすかに赤みがかかるが少女の顔は無表情のまま。
「脱がして写真を撮りなよ」
「そうだな、みんなにばらまいてやる」
少女のスカートをまくる、スマホを向けるA。スキャンダルにされたくなければ、金を払え、彼らのいつものいじめだ。
パシャ、パシャ
「気がすんだ?」
「あ……お前、こればらまくぞ」
「かまわないけど?」
動じない彼女に憎しみの目を向けるが、写真は撮ってある。まずは手始めに教頭に送って騒ぎを大きくしてやる。黙って準備室からでていく彼女を横目で見ながら、写真を何人かに送信した……
「え? なにこれ?」
スカートの中だ、下着が見える筈だ、下着を写真に撮らせる淫乱な女、そんな醜聞に耐えられるわけがない。だが仲間に送られた写真には、奇妙な文字が撮されていた。
「なんて書いてあるの……」
古代のインドの文字、サンスクリット文字は誰にも読めない。彼女の肌に直接刻まれていた。突然だった、写真を見た仲間は、自分の指を眼に突き刺すと……
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「それで何人死んだんだ?」
「不良グループの全員ですかね、なぜか教頭先生も死んでます」
事情聴取に来た刑事達は、謎を解明できない。携帯の中の写真は誰にも知られずに処分されそうだ。
「呪詛が強すぎたかしら……」
伊土真子は、無表情で教科書を読むふりをする。彼女は肌に呪いを直接きざむ事ができる少女。あとで消えるが赤く傷みが残る危険な術式だ。
しばらくすると、こんな噂が流される。
「知らない写真が送られてきたら、見ちゃだめよ。その写真はスカートをまくられた写真なんだけど……見ると……自分から眼をえぐって死ぬんだって……」
その文字はサンスクリットで……dharma……無明または黒……伊土真子は、黒い下着が好き……
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