SS くらいまちかど #ウミネコ文庫応募
ランタンを手にもってかたい道を歩く、ジールは、お使いがきらいだ。
「いいところなのに」
好きな本を読んでいるとお父さんがマッチを買ってこいといいつける。ちょうどお姫様が悪者につかまった所だ。
「もうお店はしまってるよ」
「たばこが吸いたい、まちかどで売ってる」
本のつづきが読みたいので、お金をもらうとすぐ外にでる。音もないまちは、いつものまちには見えない。
くらい夜道を歩きながら、マッチなんて売ってるとは思えない。ランタンの光は足しか見えない。くらいまちかどを歩くと昼間と違う。
「あれ? お姫様……」
くらい場所できれいなお姫様が立っている、手にはカゴをもっている。マッチだ。
「お姫様、マッチを売ってください」
「おやおや、ませたこどもだね、あんたのお金では買えないよ」
マッチは買えずに追い返される。
「こどもにはマッチが買えないのかな」
ランタンの光は弱い、遠くまで見えないけどマッチを売っている人がいる。おばあさんもいた。ロウソクに火をつけて立っている。
「おばあさん、マッチは売ってくれますか?」
「お前は、まだ若い。売れないよ」
おばあさんが持っているロウソクの火をふきけすと、おばあさんがいなくなる。どこかでヒヒヒと笑う声がする。
「大人じゃだめだ、こどもをみつけよう」
すこし歩くと同い年の女の子が立っている。ジールが近づくと嬉しそうだ。
「良かった、カゴをあげる」
マッチが一杯のカゴを受け取ると女の子は、どこかに歩いて消える。ジールが女の子を追いかけようとすると動けない。
ジールは今でもカゴを持って立ってます。