SS 感想文部 #毎週ショートショートnoteの応募用
「感想文部!」
校庭で部活動の男子が大声を出す。彼らは思った事を感想文に書いて朗読するのが主な活動だ。横一列に並び順番に一歩前に出て発言をする
「女子に恋文を渡したが逃げられた!次は短歌にする!」
「短歌にする!」
全員が唱和をする。女生徒が顔を真っ赤にして走り去る。ふられた男子は気持ちの切り替えが出来るのでメンタルには良い
「おかあさんにテストで零点を取ったら叱られた!」
「叱られた!」
全校生徒に自分の頭の悪さを暴露するが、事実を受け入れる姿勢は正しい。
「なに?あの男子。馬鹿じゃないの?」
素行が悪そうな女子がそれを見て笑っている。
次は気弱そうな男子の番だ
「……が……です」
声が出せてない。他の部員が激励するが彼は諦めて列に戻る
「みっともない」
彼女は教室に戻る。彼は同じクラスの子だった。目立たない彼をよく知らない。放課後になると校舎裏で一服するのが日課だ。あの男子が来る
「煙草はダメです、あなたが好き」
大声で圧倒されて恋人になる、今の旦那だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?