ミナリアとレオノーア:洞窟へ【魔女のミナリア、洞窟へ行く】(47/50)
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第十章 ミナリアとレオノーア
第二話 洞窟へ
あらすじ
魔女のミナリアは洞窟に住む黒髪の少女レオノーアに出会う、呪いのために閉じ込められているレオノーアは、洞窟の封印の解除をミナリアに頼む、全ての封印が解かれた事で、呪いが全世界に向かって広がり始めた。
「――ミナリアね、私に似ているわ」
セレーナはベッド横になりながら私を見ている、美しい金髪は確かに私と同じだ。彼女は私を近くに呼び寄せると手を取り教えてくれた、自分が精霊で宝石を作り出せる事や過去に人間に利用されていた事、不要になるとセレーナを封印した。
「私は自分では力を抑制できないの、周囲の人間は私を恐れて宝物室に封印した」
精霊の思考は人間とは異なる、人の母として子供を産む体を手に入れても、母としての実感は無いと言う。
「ごめんなさいね、私は黒の魔女よ、人の害にしかならない……」
泣いているように見える、まるで自分のように無力な自分に悲しんでいる。不幸を止めなくてはいけない、私は自分の奥にある何かが、行動しろと騒いでいる。ざわざわとした気持ちは、目標を見いだす。
「おかあさん、大丈夫、私が助ける、きっと助ける」
具体的な方法とか判らない、でも洞窟の主のレオノーアなら知っているかもしれない、封印を解いた理由も判る筈だ。継母へ振り向くと
「イネスかあさん、私は頑張るわ! 」
「あなたは、変わったみたいね……」
継母はそんな私を見ながら驚いている、部屋を後にして、みんなが待つ部屋に戻ってみると元婚約者のライアンが青い顔をしている。
「どうしたの? 」
「街が宝石化していると私の従者から連絡があった……」
私は呪いと直感する、洞窟の主のレオノーアは、人を宝石にして使役していた。彼女がもし世界を滅ぼそうとしていたら?
「大変! どうしよう! 」
また泣きたくなるのを我慢していると廊下から私を呼ぶ声がした、実母のセレーナが廊下にふらふらと立っていた。
「おかあさん、まだだめよ」
「ミナリア、私の体は人だけど、精霊としての力をあなたも持っている」
呪いに対抗できる体質。私が洞窟に入っても平気だったのは体質のせいもあった。私が洞窟の主のレオノーアを止められる。
「ダイヤは砕けたけど、欠片を持っていきなさい、呪いに対抗できる」
母の封印のダイヤは私の指輪で破壊したが、砕けたダイヤは残っていた。それを持ってみんなで洞窟に行く事にする。
「俺が街の住人に説明する」
元婚約者のライアンが、いそがしげに街へ向かうと黒の洞窟を探検したシーフのラミラは、他の魔女の協力を得るためにギルドへ行く。私は赤の洞窟を探検したカルトリ少年と青の洞窟を探検したマルシアル老人、そして銃使いのオスカーで呪いの洞窟へ向かう事にした。
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