創作民話 悪徳お姫様は吸血鬼に狙われる6
あらすじ 吸血鬼に狙われた姫は、尼寺でも虐待を受ける。
今は尼寺で静かに暮らせている
管理をしていたサディストの尼僧は、吸血鬼に殺された
支配下に置いた他の尼僧が、管理者として化けている。
時間は有り余る程ある、私は神の世界を知りたいと考えた。
今は神の話を読んでいる
「二人の兄弟に神は言われた、『お前達は子が欲しいか?』
兄は『子はいりません、私はあなたに永遠にお仕えします』
弟は『子を作る事で、神の教えを広めます』
神は、兄に永遠の命を与えます、
弟には限りある命のままで、女を与えます。
兄はそれを見て、私にも女を与えてくださいと頼みます。
『永遠の命はいらぬか?』
兄は永遠も欲しいと頼むと、
神はその傲慢さに怒り、兄を神の国から追放します。」
「永遠の命のままで、子を作ったら大変な事になりそう」
でも神は選択肢を与える理由がわからない。
「ローゼットさん、お客様が来てます」
尼僧が扉を叩いて来客を告げた。
そういえば、ここ数日はアメッタは見かけない。
一般人と面会するための特別な客間に行くと
一人の老人と少年が座っている。
「こんにちわ、尼僧のローゼットです」
会釈をすると、老人達は立ち上がり自己紹介をする
「吸血鬼ハンターのライアールと申します、
この子は孫で弟子のカイルです」
少年は私より少しだけ若いが、かなり幼く見えた。
「吸血鬼ハンター・・・ですか」
そんな職業があるのを知らなかった。
老人は私に自分たちの職業の歴史を教えてくれた。
数百年前までは吸血鬼の跋扈(ばっこ)で、国が
消滅しかけた。
吸血鬼に対抗をするために、ハンターを養成するが
実はハンターは吸血鬼に襲われた女性から生まれた
子供達が使われた。
ハンターは子孫は残せないが、吸血鬼と同等の力を
持てる。
「吸血鬼に襲われた女性がまだ居るのですか?」
白々しいが、吸血鬼ヴァリアは今でも女性を襲っている
その女性達をハンターが利用するのだろうか?
「国王から依頼を受けました、
あなたの周辺に吸血鬼が居るようです」
老人は私を凝視しながら、静かに語る。
嘘はつけないだろう、夫があれだけ死亡すれば疑うのは当然だ
でも私を助けてくれた吸血鬼を裏切るのもつらい。
私がどう返答すべきか迷っていると、尼僧がノックもせずに
部屋に入ってきた。
「国王様が、崩御なさいました」