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SS アルバイト【#伝説の1分】 #爪毛の挑戦状
※性的な描写があります。
暗い部屋の布団の上で女が寝ている。その周囲に数人の男達が彼女を見まもる。ショーは、まだ始まっていない。
この男達の目の前で性的な行為を見せる仕事をはじめた。本番、演技は一切ない、気分が乗らなければ終わってもいい、そんな約束だ。
「おねえさんバイトしない?」
チンピラじみたセンスのかけらもないシャツの若い男が声をかけてきた。
「すいません、働いています」
「そうじゃないよ、夜のバイト」
「バーですか?」
「いやもっと深い仕事……」
昼は真面目なOL、いや無能なOLだ。ただ言われたことをしているだけ。無味乾燥な生活に刺激が欲しかったのかもしれない。喫茶店に誘われるまま席についた。
「怖い事はない、無理強いもしない、この仕事は非常に気をつかうんだ」
「私なんかでいいんですか」
「素人の反応がいいのさ、演技じゃだめだ、恐怖すら客はすぐ判る」
社会的に地位の高い人間ばかりを集めた秘密のクラブ。彼らの目の前で、男と寝る仕事。
「出演料はこんな感じ、一回で年収くらいかな」
「……どんな人とするんですか」
「あーうん、男は玄人だ。昔の赤線で働いていた……」
危ないのは判っている、でも生きている実感が欲しかった。綿も少ない敷き布団の上で、浴衣姿で横になる。
男達の凝視が肌に感じる、見られている事への興奮とおびえ。それを感じる男達はさらに固くなる。
「お客さん、触っちゃだめですよ、兄貴どうぞ」
キャッチの若い男が、中年……いや老年近い男を呼んだ。肩幅は広く、まるで軍人だ。修羅場を生きてきた男が、素人の女を暖める。
「もういけるのか……」
花びらが開くように受け入れる準備ができた、彼はそのまま体を沈める、そう数回だ、たった数回、一分もしない。
「んん、はぁぁ……」
重いため息がでると彼は私から離れる。伝説の一分の始まりだ。私を見ていた男達も同時に果てた。それからは魔性の女と呼ばれる。
「実感がないわ」
一分は愛ではない、私は誰からも愛されない女として過ごしている。