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ホラー映画「みなに幸あれ」ややネタバレ

たまたまyoutubeで評判が高かったのでAmazonで視聴しました。びっくりさせるような演出もないのに不穏な空気を維持していたのは監督の力量だと思います。ネタバレしようか悩みましたが実は語る事が少なくシュール系で話としては投げっぱなしに近い感じになり特に「このテーマを語りたい」みたいな主義主張はまったくないです。ですから期待を高めると肩すかしになるが最終的な感想になります。ヒロインの行動も不条理に近い行動をするので、この場合だったら逃避するとか、どこかに通報するとか、村以外の場所に移動する(都会に戻る)流れがまったくない所が不自然で、その部分も含めて展開の強引さとオチになるしあわせな彼女は最後まで共感はしにくい。解釈を楽しめる作品なのかな?とは思いますが設定のほうりなげかたが解釈以前に道理として納得させる部分が一つもないのも弱点に見えます。Amazonの評価も見ていますが、ホラー系になれていない人が見れば解釈できない不安感で発狂するレベルかもしれません。人は物語に理屈をもとめがちですが、この作品はそれを拒絶しています。「見て不安になればいいだろうが!」みたいな恫喝とも言える居心地の悪さは映画館で見たら最大限に発揮できるかもしれません。自分はこの映画のタイトルである「みなに幸あれ」から印象を受けるような、弱肉強食とか他人の不幸の上で生きる幸せの偽善性(アフリカの子供は飢えているんだよみたいな?)とかのメッセージは受け取れずに、なにかの犠牲の上での幸せになる背徳感すらも感じません。それを感じさせるための幸せだった筈のヒロインである彼女が実は少しも幸せに見ないのです。それは冒頭からラストまでずっと同じで、幸せから絶望、そしてまた幸せになれる彼女の未来すらもイメージできません。なぜでしょうか?それは、この映画は幸せをまったく描けないからです。ただただ不快になるだけの登場人物達の生き様は、なにか知性すら感じないコミュニケーションがとれない昆虫の家族を呆然とみている気分でした。やたらと長く感想を書いていたら、いつもの悪口みたいな内容ですが、それでも飽きさせずに予定調和に終わらせずに、ただただ眉間に皺をよせて「意味わからん」とつぶやく映画でした。

#映画感想
#ホラー映画
#みなに幸あれ


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