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神様になる日 3/4 ワールドザワールド

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あらすじ
多元世界の神の国が滅ぶ、ひさぎは世界を把握するために図書館で情報を頭に詰め込まれた。

後頭部をさすりながら私は世界の状態を頭に思い浮かべる事が出来た。私の頭の中と大水晶はつながった。自由に呼び出して世界を把握できる。世界を見るために、ちょっとだけ検索すれば答えが出てくる。今の状況は、上の破壊が進み、私たちの世界への浸食が開始されている。その状態は判るが止める方法は判らない。「ワルワルさん、どうすれば止められるの?」私は悪意ワルワル の女神を見ながら、答えを貰えない恐怖を感じるか。「上の破壊を止めるか、逃げるくらい?」ぽつりとつぶやく「逃げられるの?」悪意の女神が私の目を見ながら「女神だけは逃げられるわ、より下層のレイヤーにね」この世界が滅ぶ事を想像する。「ただまぁ上の連中もある程度の浸食を確認したら、世界の再構築はすると思う」どうなるのだろうか?

「新しく作り直す感じね」悪意の女神は手を前に出すと「光あれ、みたいな?」にやりと笑って見せた。全てが消えて新しくなる。「この世界も消えてしまいますか?」悪意の女神はうつむくと「浸食が止められないならね」。大広間に戻ると、愛娘アイニャン と冒険者のアイが居る。私は近寄るとアイニャンは私に抱きついた「ごめんね、いま戻ったわ、私が頑張るから」彼女は少し泣いている。「どうしたんですか?アイニャンさん」大樹の女神が「浸食してくるのは強敵だ、それを倒して貰う」神様を殺す敵を倒す?「出来るんですか?」「彼女は神格を持つ能力者だ、助っ人で突撃してもらう事になった」私はアイニャンを見ながら、悲壮な覚悟をしている彼女を失いたくないと感じる。「でもでも……どうやって」

大樹の女神は「上の世界と我々の世界は、大樹で接続されている、これは閉じる事ができない」アイニャンの肩に手を触れる「浸食者を食い止めてもらう間に、私が上の世界で再構築を行う」悪意の女神が大樹の女神を見ながら「あんた死ぬ気でしょ」うんざりした表情をしながら「まぁあんたらしいわ、なんでもかんでも自分の責任と感じている」回りの女神達を見ながら「それで次の大樹の女神どうするの?」墓場の女神が片手をあげる「私が上の世界に行きます、大樹の女神さんは今の地位で」ざわざわと皆が片手をあげる。「あら、志願者がいるじゃ無い、良かったわね」と笑うと、「もうやめてくれ」冒険者のアイが悪意の女神の肩をつかむ。彼は真剣な表情で泣いていた。「馬鹿みたい」不快そうな顔をすると、アイの手を払いのけた。そのまま部屋を出る。

大地の女神は「私が行くのが確実だ、候補として墓場の女神が後継者になる」私を見ると近寄り「ヒサギは大水晶を管理しながら、サポートだ、他の女神達は、地下世界の能力者と共に敵を防ぐ」大地の女神はアイの顔に手で触れる「お前を拾った時は、街で暮らせば幸せになると思った、今はヒサギとここを守ってくれ」額にキスをすると女神達は部屋を出て行く。アイニヤンは、また私を抱きしめると「行ってくる」と走りだす。私はまた何も出来ない。不安と恐怖で私はアイの手を握る。アイは握り返しながら「大地の女神様は悪意の女神と一緒に俺を育てたんだよ」私はアイの顔を見る、母親を失う悲しみ理解する。「俺は……力も無い……助けられない」それは私も同じだ、友達も知り合いも失うかもしれない……。

「ヒサギ」クァシンが飛び込んでくる「話を聞いたよ、他の女神様が、みんなは地下世界に退避しろって言ってる」白い髪の毛の男の子は私に抱きつく。孤独王とタイガーデニッシュも入ってきた。「私たちも何かできるか?」私は嬉しかったが、逃げても欲しかった。彼らに状況を説明をするとクァシンは、「また全知全能になれるかな?」この子は一度は異世界で知識を吸収して擬似的に万能な神に変化した。またなれるのだろうか?「かなり深刻な状況なようだな、一応は私も銃は持ってきたが通用するか………」タイガーデニッシュは人の姿から大きな獣の姿になる。「はははっ、気が早いなタイガーは」孤独王はポンポンとタイガーを軽く叩く。「俺も戦う」冒険者アイは剣を抜く。大水晶が赤くにじんだ。私はすぐに情報を取り出すと、大樹の先端から何かが接近している。何かは先頭に到達したようだ。

大振動で大樹が揺れると、敵が最初の障壁に到達して消滅するのを大水晶で確認をする。すぐに敵は補充されると画面を埋め尽くす、障壁は少しずつ破壊される。遠くで聞こえる大きな音が、爆発するような音で近づいてくる。それでも開けられる穴は小さいのか、敵が多くても少しずつしか侵入できない。「最後の壁か」魔力の障壁が破壊されると、敵が大樹内に充満した。しばらくすると大水晶の部屋のドアが破られた。侵入したのは、巨大なハエに見える。ただ口は尖っている。攻撃するための口が飛び出ている。ハエが大きな羽音で飛び込んでくるとタイガーデニッシュは体当たりをして羽を食い破る。落下した所をアイが両手剣で突き殺した。「なんだ殺せるのか?」孤独王がつぶやくと、サイズがまちまちなハエは飛び込んできた。「これは多すぎる」半笑いの孤独王はハンドガンを連射する。私はどうすべきか混乱をしていた。

続く


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