SS 子供の遊び【発砲通報プロ】#毎週ショートショートnoteの応募用(424文字)
暗い車内で半眼のまま外を見る。交差点の信号機は、青から赤、赤から青と律儀に点灯するが、誰も通らない。
「発砲通報が多いのか?」
「ええ、多いです」
先輩が助手席で缶コーヒーを飲んでいる。どこか遠くで発砲音がした。
「どこですかね?」
「すぐにわかる」
警察無線が現場にむかえとせき立てた。車をまわして到着すると、普通の家だ。リボルバーを出して玄関の呼び鈴を鳴らす。
「通報を受けました」
「誰かいるか?」
どなる先輩は、返事もまたずにドアを蹴やぶる。玄関先で男が死んでいた。
「またですね……」
「通報者は誰なんだ……」
家は男の一人暮らしだった。
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公園で遊ぶ子供達が、奇妙な銃をもっている。未来的で高性能で販売すらされていない銃。
「これでね、悪い大人を退治できるの」
「あの人に体をさわられたの」
そばかすの赤毛の子が不満そうに口をとがらせた。子供達は自衛のために、大人達を襲っていた。そして警察に電話する。発砲通報プロのとして、今夜も私刑の大人を探す……