SS 決意【#大予言】ボケ学会のお題参加作品
客が占いの店に入ると、醜い男が座っている。金色の鎧に包まれた指揮官が男の前に座る。
「いらっしゃい」
「占ってもらいたい」
「なにを占う?」
「戦の行く末だ……」
男が目の前の大きな水晶玉を見つめる。
「予言は、大中小とある」
「どう違うんだ」
「小さい予言は明日の勝敗、中くらいの予言は戦の終わり、大予言はお前の運命」
「では……中予言で」
「お前は戦に勝つ」
「本当か?」
「国は平和の喜びにつつまれる」
「良かった……」
店を出ようとする指揮官に男は声をかける。
「大予言は不要か?」
「戦に勝つならば、私はどうなってもいい」
ジャンヌダルクは誇りを持って店をあとにした。醜い男は頭からツノを生やすとにやりと笑う。
「ボケた方が良かったか? 火あぶりになると知っていても戦ったのか娘……」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?