SF:ミロちゃんの憂鬱 ケモナーワールド
設定:動物と人間の合成生物の世界の話です
今日も眠たい、布団の上でぐだぐだと寝てる。
猫族は基本は、巡回と監視と防衛の役割を担当している。
でも猫なので寝るのも仕事だ。
「起きたくない」
横になったり、丸まったりゴロゴロしていると
「ミロ起きろ」
同僚が交代のために戻って来た
「もうそんな時間?」
体を伸ばすと起き上がる、森の巡回の開始だ。
森をゆっくりと歩いていると、空気がおいしい。
気分転換にもなる。
「たすけて」
どこからか声がする、周りを見ても誰も居ない
上を向くと、鳥族の子供が枝にぶら下がっている。
「なにしてるの?、名前は何?」
「オイラーって言います、飛ぶ練習をしたら失敗して」
鳥族が飛ぶ練習をしている?子供だから?
「そこから降りられない?」
「ちょっと怖くて・・」
しょうがない私は木を登ると、子供を助けて飛び降りた。
「うわああ」
オイラーが悲鳴を上げるが、子供抱えたまま
体を一回転させると無事に着地できる。
オイラーには怪我が無いようなので、村まで連れて行く。
彼は崖の上から滑空して、森に落ちたと話す。
「その小さな翼で飛べるの?」
オイラーはちょっと恥ずかしそうに、手の翼を後ろに隠した。
コンプレックスがありそう。
「ごめんね、飛ばない鳥もいるからね」
オイラーは
「空を飛ぶ気分だけでも味わおうかなと
でも、自分の翼で飛べなければ、意味ないですね」
彼は落ち込んでいるようだ。
「動力式の飛行機はダメなんだ」
「うーん、やっぱりなんか違うかな」
そんな話を続けていると、彼の首すじを噛みたくなる衝動が来る
猫族はどうしても、小動物を狩る本能が止められない。
村まで持つだろうか、前を歩く彼を襲いそうになる。
「オイラー何してた」
彼の父親が村の外まで来てた。
「彼が森の木に落ちてましたよ」
私が報告するとオイラーを、きつく叱る。
私は森に戻りながら、人間のDNAを含む仲間を食べるのは
どんな気分なのだろうか、といつも考える。
猫族も動物の肉は食べない、なにしろ人間と混合した生物しか
居ないからだ。
樹木を見ると大きな甲虫が止まっていた、それを掴んで食べる。
今はこれで肉食への欲求は収まる。
いつしか、私たちも襲う側に変化するのだろう。
菜食主義では生きられない。
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