SS アニュの憂鬱【インドを編む山荘】#毎週ショートショートnoteの応募用
山奥の貧農に山荘がある、そこにアニュは奉公に出された。
「イギリス人の旦那様の言うことを聞くんだよ」
「はい」
アニュは、織物が得意でよく手織りで服を作る。でも最近では、機械式の織物が出回ってアニュの仕事が無い、家族は困ってアニュを奉公に出した。
「旦那様、お茶です」
「ご苦労」
ヒゲをピンっと立てた旦那様は、気取ってお茶を飲む。なんか猫みたいといつも思う。
「アニュ、洗濯は終わったの?」
「まだです、奥様」
奥様は顔がちょっと尖って、鼻も高いのでネズミにも見える。旦那様とは仲がよくない。
寝る前は習慣で手織りの布を編む。神様の図柄を織り込むと、とってもきれい。ある日、その布を奥様に見つかると取り上げられた。
「遊んでないで仕事しなさい」
「奥様、返してください」
「だめよ」
次の日に、旦那様が猫になっていた。奥様はネズミ。ずっと追いかけっこをしている。アニュの布を使った二人は動物に変わっていた。
「ブラフマー様(創造神)とシヴァ様(破壊神)を、一緒に編んだから?」
インドを編む山荘は、今日もにぎやか。
アニュのキャラが面白いので、別の話を作れそう。
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