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SS 占い師マイカの毎日:隠者【ワールドザワールド】

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あらすじ
平行世界に含まれる大樹の世界で占いの店を経営するマイカ。異世界のカードは絵のシンボルが実体化する特別な物だった。女神の見習いのヒサギが悪魔に取り憑かれた。ほこらの中にある万魔殿パンデモニウムにヒサギは閉じ込められる。私達はカードを落とした元凶の【コレクター】と、万魔殿パンデモニウムに突入をする。そこは東京と呼ばれる土地だった。

愛娘

私達は公園の近くで状況を把握する。頭の中には見知らぬ土地の情報が全て含まれていた。混乱しているのに土地や言葉や歴史を全て記憶している。

「理解したけど、私達の世界とどう繋がるのか判らない……」
【コレクター】は、ここはタロットカードを取得した土地だと説明をした。

「私は力を持つカードを探しています。」
彼は平行世界で長く使われているカードを集めている。そのカードの力は神と同等のポテンシャルを持つ。実際にタロットカードは私の世界では、奇怪な力を示した。

「ただ私は違和感があるのです、ほこらからなぜここに出たのか?」

すぐに答えが出ない問題は考えても仕方が無い。私達はヒサギを探す事にする。そして問題に直面する。お金が無い。見知らぬ土地で探すためには、資金が必要になる。【コレクター】に聞いてみた。

「あなたはどうやってお金とか稼いでるの?」
「私は長居しないんですよ」
力を使ってカードを取得したらすぐに移動する。滞在しないのだから困る事は無い。カード達は召還をすると人になる。そして力を使えない。単なる人だ。愛娘 アイニャンも【力者】も同じ状況だ。呼び出せるが人のまま。

「力が使えない状態で悪魔からヒサギを救いだす……」
私は絶望すら感じた。そして気がついた。私は自分のカードを取り出す。異世界でカードの力が使えるなら、自分の世界のカードならどうだろうか?

大樹のカードを取り出すと力を感じる。自分の範囲内の空間が入れ替わる。結界だ。愛娘 アイニャンは、自分の空間の中だともとの獣娘として活動できた。

「でもお腹は減ったままね」
愛娘 アイニャンは文句たらたらだ。私はカードから鉱脈のカードを取り出す。元は金運のカードだ。私は念じると地金を生み出せた。換金可能な店で現地の紙幣にする。

舞夏(まいか)と【コレクター】

「もう夜中よ」
愛娘 アイニャン達とホテルを探すが、住所氏名が必要だ、ラブホに泊まる事にした。カード達は鞄の中で待機して貰う。無駄に人数を増やしても仕方が無い。今の所、力が使えるのは大樹の世界のカードを使える私。あとは私の結界の中だけで有効な愛娘 アイニャンとカード達になる。【コレクター】は今の状態では力が使えない。元から戦闘に向いていない。

戦力が足りない、そして【コレクター】の存在が胡散臭い。出来うる限り話を聞き出しても詳細になると彼の世界の説明になるため事実か嘘なのか判別できない。

「でもこの世界でカード達の力が無効になるなら、悪魔も無効なんじゃ……」

【コレクター】はヒサギの内部に居るため彼女の力を利用しているのでは?と推測をしている。鞄が動いた、フードをかぶった男性が出現をする。【隠者】だと名乗る。

「この世界は通常の世界ではない、女学生を探しなさい、範囲は狭い」
それだけ言うと霞みながら消えた。

私達は啓示を受けられる。悲観しても仕方が無い、ラブホテルで眠ることにした。もちろん【コレクター】はソファで眠らせる。ベッドで愛娘 アイニャンと眠りながら私は途方に暮れていた。

続く

隠者


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