SS オラオラするTシャツ手触り #毎週ショートショートnoteの応募用
薄暗い路地裏で男達が座り込んでいる。大麻が解禁してから、この場所でふかす。
「ハィになるぜぇ」
「懐かしいな」
学生の頃は校舎の裏でタバコを吸っていた。背徳感と万能感で一人前の男の気分を味わう。
服も若い頃のTシャツだ、オラオラするTシャツ手触りが懐かしい、尖ったファッションを競いあった。
「ここに居たの?」
「また派手な格好だな」
幼なじみの洋子だ、ノースリーブワンピで決めてる。お互いが相手の服装に難癖つけた。
「Tシャツ、マンボズボン、サングラスってナニよ!」
ゲラゲラと笑いながら騒いでいた。
「うるせえぞ! 」
若い男が数人立っている。ピチピチのスキニーとTシャツの彼らは、自分たちのテリトリーに居る部外者を排除したい。
路地裏で暴行事件が発生した……
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「えーっと、ここで大麻を吸っていたと」
警察官が事情を聞きながら困惑している。八十代の老人と中学一年生の喧嘩だ。殴りかかってきた老人を突き飛ばした。
「不良老人とか困るわねぇ」
しばらく主婦の話の種になる。