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SS 名前のないチョコレートばかり、十個も机に入っていた。#ストーリーの種

俺は学校の机に教科書を入れようとした。なんか入らない。俺は机の中に手を突っ込むと四角い物があるのに気がついた。取り出すと箱がある、名前のないチョコレートばかり、十個も机に入っていた。意味が判らない。

「ここ男子校だろ………」

この教室の誰かが俺が好きなのか?いや一人ならまだ判る(判るのか?)十人も居るとかもう恐怖しかない。俺はチョコをバッグにしまう。ビクビクと周囲を見回すが、俺を見る奴は居ない。俺は深呼吸しながらイタズラだと解釈をした。

授業が終わって友達が来る、A男だ。
「よう後で家でゲームしようぜ」
「……かまわないけど」
どうせ帰宅部だ、やることも無い。
B男も来た。
「今日は本屋いかないか?あのシリーズの新刊出たから」
「え?新刊か……」
俺も読みたいと思う。
C男も来た。
「あのアニメを見せてくれよ、俺んちCSないんだ」
「ああそうか放送日か……」
おかしい、今日はやたらに俺に絡んでくる。こいつらか?イタズラでチョコ入れた奴らは?
俺は
「なら本屋で新刊を買ってから俺んちでゲームしようぜ、CSも見られるからな」
全員がうなずく。

こいつらの誰かが俺にイタズラをした。確信を持ちながら本屋に寄ってから俺の部屋に上げた。ゲームする奴やTVを見る奴や本を読んでる奴が居る。俺はバッグから間違ったフリをして、チョコを落とした。ばらばらと落ちるチョコを見せる。

「あーしまった、朝に机を見たら入ってたチョコが落ちた(棒)」
俺はこいつらの反応を見る。笑い出したらそいつが犯人だ。みなが真剣な表情でチョコを見ている。何かがおかしい。
A男が「俺だけじゃないのか」
B男が「薄々知ってたけど」
C男が「ライバルが居るとは……」
みなが俺を見ている。まさか全員だったのか。俺は壁際まで下がるとお尻を手でかばう。
「まってくれ、確かにお前らは友達だが、男は駄目なんだ」
皆が一斉に笑い出した。糞だまされた。こいつらはこれが狙いだったのか、人の純情を足蹴にしやがって、もう友達でもなんでもない。
「お前ら カエレ」
俺は怒鳴っていた。

A男は「悪い悪い、違うんだ チョコは妹からだ」
B男もC男もうなずく。そうだこいつらは妹が居る。話を聞くと妹からチョコをプレゼントしてくれと頼まれたが、男から男へは無理がある、机に突っ込んだと言う。名前すら書いてないのでどれが誰のだか判るわけがない。

俺は安心した………いや安心はしてない。こいつらの妹はそれぞれが特殊だった筈だ。オタクだったりヤンキーだったりメンヘラだったりと性格に難がある。

俺が悩んでいるとA男は
「でも十個も入ってたのか?俺らは一個だぞ」
BもC男もうなずく。

俺は後七人の妹に狙われるのか……

終わり

妹



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