SS 磯辺巻き消失事件【黒幕甲子園】#毎週ショートショートnoteの応募用
「犯人はあなたよ!」
学園少女名探偵のメイ子が上級生を指さす。みなの前には空の平皿が置かれていた。休み時間におやつが無くなっている。
「し、証拠はあるの?」
「その指についた海苔が証拠よ」
磯辺巻きを食べた指に黒々とした海苔がべったりとついている。
「私は一個しか食べてない」
泣き崩れる上級生を哀れみのまなざしで見つめるメイ子。
「おいしい磯辺巻きよ、一個だけじゃすまない筈!」
「本当なの、一個だけなの」
「え? それじゃあ残りの磯辺巻きは誰が!」
集まった女子学生の全員が目をふせる。犯人は、この部室の全員だ。黒幕が多数いるアガサ・クリスティ著の「オリエント急行の殺人」と同じ構図だった。まさに黒幕甲子園!
「でも別にみんなが食べていい、お菓子だよね」
「そうよね、一個ずつ食べただけだし」
なぜかメイ子に非難のまなざしが集まる。
「私の分も残しといてよ」
「確かに一個ずつなら、メイ子の分は残る筈……」
全員が全員に疑いの目を向ける、推理倶楽部の本領はこれからだ!
(字数がオーバーしたのオチを作れませんでした)